最近、よく耳にするようになった「自己肯定感」という言葉。

「なんとなくのイメージではわかるけど、どんなものかハッキリわからない」「今の自分は自己肯定感が高いの? 低いの?」と疑問に思っていた方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、「自己肯定感」の第一人者といわれる、心理カウンセラーの中島輝さんが考案した、自己肯定感がどのくらいあるかをチェックできる、チェックシートをご紹介します。

中島さんの著書には書かれていない、チェック項目ごとの解説は必見ですよ!

中島 輝さん
メンタルコーチ、心理カウンセラー、肯定心理学協会/トリエ代表
(なかしま てる)自己肯定感の第一人者。 幼少期より困難な精神状況を乗り越えながら、30年間の自らの体験で習得した技法を用いたカウンセリングとコーチングを実践する。 現在Jリーガー、上場企業の経営者など15,000名以上のクライアントを担当。最新著書に、『自己肯定感ノート』(SBクリエイティブ)などがある。中島 輝 Official Media「旅をする木」

そもそもの疑問。「自己肯定感」とはどんなもの?

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自己肯定感って?

まずは「自己肯定感」について簡単に知っておきましょう。

中島さんによると、自己肯定感とは「自分が自分であることに満足でき、自分を価値ある存在だと受け入れられること」だといいます。

自己肯定感は「生きるエネルギー」そのもの。心理学の世界では「自分にYESと言える状態」と定義する研究者もいるそうです。

もともと自己肯定感の強い人、弱い人がいますが、自己肯定感はどんな人でも、時と場合によって高くもなり、低くもなるといいます。

自己肯定感が高いとどうなる? 低いとどうなる?

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自己肯定感の高さによってどう変わる?

この自己肯定感が高いとどんなメリットがあり、低いとどんなデメリットがあるのでしょうか?

「自己肯定感が高い状態にあればあるほど毎日は楽しくなり、気持ちが安定し、前向きな行動力が湧いてきます。仕事、恋愛・結婚、子育てと、何もかも前向きにチャレンジすることができ、いい人間関係も築くことができます。

一方、自己肯定感が低い状態にあればあるほど、視野が狭まり、小さなことにイライラしたり、怒りがわいてきたり、些細なことに傷ついたりと、心が安定しません。新しいことにチャレンジしようと思っても『どうせまた失敗する』と、すぐに自分で行動にブレーキをかけてしまいます。行動が消極的になり、自分や周囲に対するネガティブな感情が強まり、人生そのものが低空飛行を続けることになってしまいます」

自己肯定感は「6つの感覚」でできている!

そして自己肯定感は、6つの感覚でできているといいます。

「この6つの感覚のいずれかが下がると、自己肯定感が下がってしまいます。一方、これらそれぞれが高まっている人は、自己肯定感が高い状態にあるといえます」

1.自尊感情…「自分には価値があると思える感覚」
2.自己受容感…「ありのままの自分を認める感覚」
3.自己効力感…「自分にはできると思える感覚」
4.自己信頼感…「自分を信じられる感覚」
5.自己決定感…「自分で決定できるという感覚」
6.自己有用感…「自分は何かの役に立っているという感覚」

自己肯定感の中身がわかると、自分の自己肯定感の高さが気になってきたのではないでしょうか?

次はいよいよ、自分で確認できるチェックシートをご紹介します!

○×をつけるだけ!「自己肯定感チェックシート」

「このチェックシートでは、12個の質問に答えることで、あなたの自己肯定感の現在の状態が分かります。該当すれば○、該当しなければ×をつけてください」(中島さん)

それではさっそく、下記のチェックシートをやってみてください。印刷して、右側の空白部分に「○×」を書くのもおすすめです。

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「自己肯定感チェックシート」

今、私の自己肯定感は高い?低い?〇の数で判明します!

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チェックの結果は?

チェックシートでのチェックが終わったら、早速判定してみましょう。

「○の数は何個でしたか? 数えてみてください。その数によって、今のあなたが『自己肯定感』の高い状態なのか、低い状態なのかが分かります」(中島さん)

○が10個以上…自己肯定感が「低い」状態
○が10個未満…自己肯定感が「高い」状態

○をつけたチェック項目について、どのように自己肯定感が低い状態なのか、そして対策を中島さんに教えていただきました。

■チェック1:朝、鏡を見て自分の嫌なところを探してしまっている。

「自尊感情が低くなっている証です。自分に『○(マル)!』と言えているときは自分の姿が気になりません。自分に『○(マル)!』と鏡に向かって言ってから、行動してみましょう」

■チェック2:SNSを開くたび、人からの「いいね!」を待っている自分がいる。

「自尊感情が低くなっている証です。『これが私! This Is Me!』と言えるときには、人からの『いいね!』ではなく、『この私』が私と言えます。そもそも『いいね!』に意識が向かない状態なのです」

■チェック3:職場や学校、家庭でちょっと注意されると、深く落ち込んでしまう。立ち直るまでに時間がかかってしまう。

「自己受容感が低くなってしまっており、些細なことで一喜一憂しやすいので、『ま、いっか』と思う気持ちをもつこと。自己受容感が高いときはあきらめではなく、いさぎよい受け容(い)れができ、気持ちの切り替えも早くなります」

■チェック4:自分のペースを乱されると、些細なことでもイラッとしてしまうことがある。

「自己受容感が低くなっているので、ありのままを受け容れるしなやかさが足りないと、少しのことで動揺してしまいます。おやつを食べるなど、気分の切り替えを早くできるアクションをもつことが大切です」

■チェック5:ふとしたときに「無理」「忙しい」「疲れた」「どうしよう」「嫌だ」「つらい」といったネガティブな言葉がこぼれている。

「自己効力感が低くなっている証です。自分はできないという感情が強くなればなるほど、ネガティブな言葉が出やすくなってしまいます。『ヤッター!』と両手を挙げ、『自分はできる!』という自己効力感を高めて、少しずつ行動を変えていきましょう」

■6:「ねば」「べき」と考えてしまい、行動を起こせない。

「自己効力感が低くなっている証です。過去のとらわれが強くなっているときは、自分には何かを達成する力がないという感情が強いとき。深呼吸して感情のリセットをしましょう」

■7:上司から言われた何気ないひと言が気になって、こだわってしまう。

「自己信頼感が低くなっている表れです。自分を信じる力がなくなると、ますます周りとその何気ないひと言が気になってしまいます。胸を張って『できる!』と言ってみましょう」

■8:やるぞと決めたけど、まわりの人の目が気になり、躊躇してしまうことがある。

「自己信頼感が低くなっている証です。小さなことが気になり、視野が狭くなりネガティブなことに関心が向いてしまいます。空を眺めたり、部屋の空気を入れ換えたりして、気持ちをリセットできる工夫をしてみてください」

■9:出かける前、1日を過ごす服選びに悩んでしまう。

「自己決定感が低くなっている証です。多数の選択肢があると決められない状態になってきます。何が出るかなとサイコロを振って決めるくらいの心のゆとりをもつことが必要です」

■10:一度決めたことなのに、ほんとうにこれでいいのかなと悩むことがある。

「自己決定感が低い証です。自分で決めたのに自分でコントロールできない状態です。『大丈夫』と自分に伝え、大きな視点に立ち、たくさん寝ると脳が整理されます」

■11:新しいことに挑戦したいなと思っても、「どうせ」「自分ではね」と、勝手に限界を決めてしまっている。

「自己有用感が低い証です。自分は役に立たない存在と感じてしまい限界を決めてしまいます。『やれる!』と自分に肯定的な言葉をかけるともチベーションが高まります」

■12:電車から降りるときやエレベーターに乗るとき、ノロノロしている人にイライラしてしまう。

「自己有用感が低い証です。自分は役に立っていないという感情が強くなると、怒りや不安も増大します。大好きな花一輪を買って部屋に飾る。美しいものを見る。それだけで自分を肯定的に捉えることができるでしょう」

自己肯定感が高い状態・低い状態、それぞれへのメッセージ

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自己肯定感は生きるエネルギーそのもの

そして、中島さんにチェックシートで判明した、自己肯定感の状態、それぞれに対してメッセージをいただきました。

〇が10個以上の、自己肯定感が低い状態の人へのメッセージ

「自己肯定感が一番高い人は、赤ちゃん。生まれつきみんながもっているものなのです。だから、大丈夫。自己肯定感が低くても、ちょっとしたことで自己肯定感を高めることができます。

ペンとノートを用意して、『自己肯定感ノート』を書く方法によって、自己肯定感が勝手に高まります。そして、最高の人生を見つかり、何歳でも未来に夢をもってイキイキと人生を送ることができます」

〇が10個未満の、自己肯定感が高い状態の人へのメッセージ

「自己肯定感は生きるエネルギーそのものです。自己肯定感が高い人でも、ちょっとしたことで強くなったり弱くなったりします。

例えば、前日、仕事がうまくいかず夜遅くまで残業し、朝起きたら大雨が降っている。いつものようにヘアーセット。いまいち、ボリューム感が出ない。嫌だなーと思い、ヘアスタイルに気をとられ憂鬱な気分のまま出勤。これが自己肯定感の低い状態です。

一方、前日、仕事もうまくいき、しっかり睡眠もとってスッキリとした目覚めを迎えた朝。ヘアスタイルはいつものモーニングルーティンのような感じでスムーズにいき、気分よく出勤。これが自己肯定感の高い状態です。

いかがですか? この違いが自己肯定感の高低なのです。高低の変化を自分で気づき、一瞬で高める方法を知れば、低くなってもいつでも高めることができます。あなたの人生はさらによくなる可能性があるということなのです」


自己肯定感を高める方法の詳細は、『自己肯定感ノート』という中島さんの著書に書かれています。気になる人はぜひ参照してみてくださいね。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、榊原淳
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