キリストの復活を祝う行事「イースター（復活祭）」。日本ではまだあまり馴染みがありませんが、世界では休暇となってビッグイベントが開催されるところもたくさんあります。
そこで、アメリカやフランス、イギリス、スペイン、ノルウェーなど、世界各地で有名なイースターの伝統行事やお祭りについてご紹介します。
■世界で催される、有名なイースター祭り・イベント
春になると世界各地で開催されるのがイースター関連のイベント。日本では、イースターにそれほど大きな行事が行われることは少ないのですが、昔から続く伝統的なビッグイベントが行われる国や地域もたくさんあります。
イースターとは？
イースターとは、十字架にかけられてしまったイエス・キリストが3日後に復活したことを祝う日。日本語では「復活祭」と言います。
そしてイースターに欠かせないアイテムがタマゴです。タマゴには生命のはじまりや復活を象徴するものであり、タマゴにカラフルに色や模様をつけた「イースターエッグ」が用意されます。このイースターエッグを使ったゲームや遊びなどが行われるのが、イースターでは定番です。
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■各国のイースター祭り・イベント、国別一覧
それでは、世界各国ではイースターにどんなお祭りやイベントが開催されているのでしょうか？ 国や地域によって、バラエティに富んださまざまな行事が執り行われます。今回はそれらをいくつかピックアップしてご紹介しましょう。
■アメリカのイースター祭り・イベント
ワシントンDC（ホワイトハウス）で行われる「イースターエッグロール」
毎年アメリカでイースターに恒例行事として行われるのが、ワシントンDCにあるアメリカ合衆国官邸ホワイトハウスの「イースターエッグロール」です。
イースターエッグロールは、カラフルに色付けされたイースターエッグを地面で転がして遊ぶゲームです。タマゴは丸い形ではないので、思うように転がらないこともあり、子どもたちが盛り上がります。
内容
ホワイトハウスで行われる「イースターエッグロール」は、毎年大統領夫人が主催し、1878年の始まりから140年以上、毎年行われているアメリカの伝統的イベントです。
招待された子どもや家族がホワイトハウスに集まり、イースターエッグを転がして早さを競います。大統領夫妻と一般市民が仲良くコミュニケーションをとれる、心なごむようなイベントのひとつでもあります。
開催日
2020年の開催日は4月13日の予定。メラニア夫人が主催となり、トランプ大統領も姿を見せることになるかもしれません。
開催場所
ワシントンDCにある、ホワイトハウスの庭が舞台となります。
■イギリスのイースター祭り・イベント
フライパンを持って参加する「パンケーキレース」
イギリスのイースターで古くから続くイベントといえば、「パンケーキレース」。パンケーキレースは、「パンケーキデー」と深い関係があります。
イースター前の、日曜日を除いた40日間は「四旬節」と呼ばれ、断食や祈りを行う期間とされています。パンケーキは卵やバターなどの豪華な食材を必要とする食べ物のため、四旬節の始まる前の日は「パンケーキデー」と呼ばれ、これらの食材を使い果たして、翌日からの断食に供えようという習慣があります。
そこで開かれるのがパンケーキレースです。
内容
イギリスのパンケーキレースは、500年以上も続いている行事です。子どもも大人も三角巾とエプロンを身に着け、手にはフライパンを持ってレースに参加。フライパンでパンケーキを焼いたら、それを手に持ったまま走って1位を狙います。
開催日
2020年のイースターは4月12日ですが、パンケーキデーは四旬節の前日となるため、2020年は2月25日です。そのため、パンケーキレースは2月25日前後に行われたものもあります。
開催場所
イギリスの各地でさまざまなパンケーキレースが開催されました。
■スペインのイースター祭り・イベント
「聖週間」と呼ばれる「セマナ・サンタ」
スペインのイースターといえば、スペインの各地で1週間近く続く「セマナ・サンタ」という行事が有名。セマナ・サンタとは日本語で「聖週間」と呼ばれ、十字架で処刑されたイエス・キリストが受けた苦痛をしのぶものです。
内容
セマナ・サンタの期間は、国中がホリデームードいっぱいの大型連休となり、家族で出かけたり帰省したりする人が増えます。
そんな中での見どころといえば、スペイン各地で行われる「聖行列」です。キリスト像やマリア像がのせられた山車を、伝統衣装を身をまとった人々が引き、街中を練り歩きます。パレードのような陽気で明るい雰囲気ではなく、キリストの苦しみを分かち合うような、厳かな雰囲気に包まれます。
開催日
2020年の「セマナ・サンタ」は4月5日から始まり、イースターの4月12日まで続きます。
開催場所
聖行列のイベントはスペイン各地で行われます。
■ノルウェーのイースター祭り・イベント
カウトケイノで行われる、サーミ・イースターフェスティバルの「トナカイレース世界選手権」
北欧の国ノルウェーで特徴的なイースターの祭りというと、トナカイレース世界選手権があります。これはノルウェーの中でも、北極圏の内陸部にあるカウトケイノという街で行われるイベント。
この街には北欧の少数民族サーミの人々が多く暮らしており、サーミ人の生活に欠かせないトナカイがイベントの主役になるのです。
内容
トナカイレース世界選手権は「サーミ・イースターフェスティバル」の一環。スキーを履いた人間をトナカイが引くレースと、うつぶせになって人間がソリに乗り、それをトナカイが引くレースの2つが行われます。
北欧のこの地方ではイースターの頃になると、ようやく太陽の光が戻り、日中もほどよく温かさが戻ってくる時期。そのため結婚式や洗礼式などの行事が開催されたり、パーティや音楽コンテストなども楽しく繰り広げられます。
開催日
「サーミ・イースターフェスティバル」は2020年4月4日から13日まで開催される予定です。
開催場所
フェスティバルが開かれる場所は、 ノルウェーのカウトケイノの街です。
■フランスのイースター祭り・イベント
ミディ・ピレネー地方で行われる「巨大オムレツ作り」
フランスのミディ・ピレネー地方でイースターに開かれるのが、タマゴを使った楽しい行事「巨大オムレツ作り」。イースターといえばタマゴが欠かせませんが、かつてナポレオンがベシエールの町を訪れたときに、町民からタマゴを集めて、巨大なオムレツを作り兵士たちに食べさせたことが由来と言われています。
内容
「巨大オムレツ作り（Giant Omelette Festival）」では、直径が数メートルもある巨大な鍋が用意され、数千個ものタマゴを使ってオムレツ作りが行われます。人口数千人ほどの小さな町ですが、毎年イースターの時期になるとフランス中から人が集まり、大賑わいになります。
開催日
2020年の開催日はまだ未定ですが、4月12日のイースターの翌日、イースター休暇最終日の「イースターマンデー」で行われると想定されます。
開催場所
フランス南西部ミディ・ピレネー地方のベシエールで行われます。
日本にはどんなイースター祭り・イベントがあるの？
日本ではまだイースター向けのイベントは数が限られますが、それでも全国各地でバラエティに富んだイベントが開催されるようになってきています。
例えば、数年ほど前から始まった「ショコラ de イースター」は、チョコレートを使ってイースターエッグやイースターバニーなどを作って楽しむイベント。 また「東京ディズニーランド」と「東京ディズニーシー」、長崎県の「ハウステンボス」大阪府の「ひらかたパーク」などでも、例年はイースターのイベントが開かれています。
楽しみ広がるイースターのお祭り
当記事では、世界各国の有名なイースター祭り・イベントを国別一覧でご紹介しました。
ワシントンDC（ホワイトハウス）で行われる「イースターエッグロール」（アメリカ）、フライパンを持って参加する「パンケーキレース」（イギリス）、「聖週間」と呼ばれる「セマナ・サンタ」（スペイン）、カウトケイノで行われる「トナカイレース世界選手権」（ノルウェー）、ミディ・ピレネー地方で行われる「巨大オムレツ作り」（フランス）など、各国のイースター祭り・イベントをチェックしています。
イースターは日本ではまだ親しみの少ない行事ですが、世界ではクリスマスにも匹敵するようなビッグイベントとして人々から親しまれている国もたくさんあります。
ハロウィンが日本でもすっかり定着したように、もしかしたら数年もすればイースターも当たり前になるかもしれません。世界ではどんなお祝いがされているのか？ 知っておくと、今後の参考になるかもしれませんよ。
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- Precious.jp編集部
