口から腐った卵のような臭いがする、犬用のガムやぬいぐるみを噛んだ跡に血がついている…ということがあれば、歯肉炎や歯周病の疑いがあります。

歯が抜け落ちてしまう前に、愛犬の歯を守る歯磨きを習慣づけたいもの。とはいえ、今までずっと磨いていなかったけれど大丈夫?

「歯磨きのことを、ワンちゃんたちが新しい遊びだと思ってくれれば問題ありません。問題は、飼い主さんがちゃんと続けられるか…ですね。例えば、ご自身が歯磨きをしたら、次はワンちゃんの番…という具合に習慣づけるといいでしょう」(ペットショップ、モントゥトゥ渋谷西武店の店長・中島芳美さん)

最初は布を巻いた指を口もとに近づけ、慣れさせることからスタート

■歯磨きの準備:使い古しのハンカチやタオルなどの古布があれはOK

犬用の歯ブラシやフレーバー付き歯磨きペースト、専用のガーゼなども販売されています。

「ワンちゃんは口の中にモノを入れられるのを嫌がります。特に今まで歯磨きをしてこなかったワンちゃんなら、歯ブラシを嫌がる可能性は大きいですね。いちばん手っ取り早くて、嫌がりにくいのは飼い主さんの手指です。適当な大きさにカットしたハンカチやタオル、ガーゼなどを人差し指に巻き付けて、それで歯と歯茎を磨いてあげましょう」(中島さん)

■歯磨きの方法:膝の上に乗せて、布を巻き付けた指を慣れさせること

ペットサロンでは犬をトリミング専用の台の上に乗せて作業をしますが、ご自宅のテーブルなど高い台に乗せると落下する恐れが!

「ご自宅で歯磨きをするときは、床に座った飼い主さんの膝の上がいちばん安心。すぐお腹を見せるワンちゃんなら仰向けにするなど、ワンちゃんがいちばんリラックスする姿勢をとらせます。その状態で布を巻き付けた指を口元に近づけ、臭いを嗅がせたり舐めさせたりします。嫌がらなければ、そのまま口の中に入れて歯にやさしくタッチします。嫌がったり、逃げだそうとしたら、抑え込んではいけません。そのまま放してあげてください」(中島さん)

「歯磨き=楽しい遊び」と思ってもらえるように、無理強いは禁物のようです。

歯垢が溜まりやすいのは、犬歯と奥歯だとか。「最初のうちは前歯から犬歯の表面を触れるだけでOK。だんだんと奥歯まで指を入れるようにしてください。ワンちゃんが慣れてきたら、歯と歯茎をマッサージするように磨いてあげてください」(中島さん)

【歯磨きするときに注意すること】

  1. 暴れても落下の心配がないような場所を選ぶ
  2. 嫌がったら無理強いをせず、すぐに解放する
  3. 慣れるまでは指に力を込めず、優しいタッチで触れる程度に

■歯磨きが終わったら:たくさん褒めて「歯磨き=楽しい」と思わせる

「歯磨きが終わったご褒美におやつをあげる飼い主さんもいらっしゃいますが、せっかく歯をキレイにした後なので、おやつよりはぬいぐるみなどで遊んであげる方がいいですね」(中島さん)

歯肉炎や歯周病の原因になる歯垢は柔らかくて取り除きやすいのですが、2~3日するとカチカチの歯石になります。「歯石が歯にこびり付くと、歯磨きだけでは落とせません。理想を言えば歯磨きは毎日続けていただきたいのですが、難しければ歯石や歯垢を落としやすくする専用のガムやおもちゃを利用するといいでしょう。そうすれば、歯磨きの回数を減らせます」(中島さん)

おもちゃの中には、歯垢や歯石を取り除く機能付きタイプも。遊びながら歯磨きできます。
おもちゃの中には、歯垢や歯石を取り除く機能付きタイプも。遊びながら歯磨きできます。

歯垢はまだしも、こびり付いた歯石はなかなか落とせません。「そんなときは無理をしないで、かかりつけの獣医師に相談してください。ワンちゃんを押さえつけて強引に磨くと、二度と口に触れさせてくれなくなるのでご注意ください」(中島さん)

お問い合わせ先

モントゥトゥ渋谷西武店
住所:東京都渋谷区宇田川町21-1 渋谷西武B館屋上
TEL:03-3477-7432

 
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EDIT&WRITING :
中島 祐美
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