テレワークの導入で、仕事にも休日の過ごし方にも変化が!

4月に緊急事態宣言が発令されてから、少しずつ導入が増えつつあるテレワーク。毎日通勤していた生活から、ずっと家にいる生活に変わった人も多いかと思います。その変化は、ひと言では言いきれない、大きいもののはず。

具体的にはどのように生活が変わったのか? 周囲のテレワーク中の方々の声を聞いてみました。

■1:通勤時間がなくなり、その時間を有効活用できている人も

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通勤時間がなくなったことによって自分の時間が増えたという人も

今回のテレワーク推進で自宅勤務を初めて体験する人も多いはず。すぐになじむことはできたのでしょうか。

「今までの通勤時間が有意義に使えるようになりました。運動不足解消を兼ねて、仕事を始める前にはラジオ体操をしています。仕事自体は捗っているかと」(30代女性)

「始めた当初は、怠けてしまうのでは……と思っていたのですが、同じくテレワークになった妻の目があるので、思っていたよりも自宅勤務でも集中できています。ひとり暮らしだったら、ついだらけてしまっていたかも」(30代男性)

通勤時間がない分、1日を有意義に使えるという声は多く聞かれました。また、夫婦共にテレワークだという家庭では、互いに声を掛け合って気を引き締めるなどの工夫も。

自宅でのお仕事だと、ついだらけてしまうのでは? と不安があった人も「会社から仕事をする時間帯は指定されているので、その通りに動いています」(40代女性)とメリハリがつけられているようです。ただ、一方では「出社、退社をしないので油断すると生活リズムが崩れる」(30代女性)と会社によっては差が出ている部分もあります。

また、オンラインでの打ち合わせや会議が夫婦共に同じタイミングで入ると問題も出てきます。

「普段はリビングで一緒に仕事をすることに問題はないのですが、夫婦どちらも会議や打ち合わせとなると気も遣います。リビングと玄関など、無理やり場所を分けて参加したり。もともとそういう観点で家を選んでいないので部屋数が足りない、と感じることはあります」(40代男性)

妻側からは「いつも自分のほうが気を遣うことになっている」というため息も。会議や仕事に集中するための場を求めて部屋の中をうろうろ……というケースも少なくないようです。

また、お子さんがいるご家庭では、さらにハードルがあがるようです。「まず子どもに触られない場所に仕事できるスペースを確保しなければならず、それが大変だった」(40代女性)、「子どもの面倒を見ながらなので、仕事がまったく捗らない」(30代女性)という声も。

■2:自宅で時間を充実させるために。それぞれの工夫

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家庭菜園など、ベランダを有効活用する人が増えているよう

外出自粛で増えたのが、おうちで過ごす時間。休日の過ごし方には変化は生まれたのでしょうか。

「椅子やテーブルなどを購入して、まずはベランダの環境を整えました。天気がいい日はそこで本を読んだり、お酒を飲んだりしています」(30代男性)

「ずっと気になっていた家庭菜園を始めました。まだ成果は出ていないけれど、どんなふうに育つだろう、うまく行くかな、と考えるのが楽しいです。ちょっと先の未来にワクワクすることをつくっておくのはいいな、と思いました」(30代女性)

ベランダを整えた人もいれば、家の中の環境を改善した人も。

「夫婦でそれぞれくつろぎスペースをつくりました。私は趣味が読書、夫は映画観賞なんですが、一緒にいると集中できなくて。たまに気が向いたら一緒に映画も観ますが、夫婦で暮らしていても自分の時間がつくれるのはストレスがなくていいです」(40代女性)

「子どもも外に出られないので、まずは子どもが遊べるスペースをできるだけ多く取るように。ひたすら小学生の子どもと一緒にできることを模索中です。お菓子づくりや工作など毎週いろんなものに挑戦するようにしているのですが、いつか手が尽きてしまいそうで不安もあります……」(30代女性)

子どもの有無によって、過ごし方も大分変わってくるようですね。家族で時間を共有することが増え、どのように過ごすかに頭を悩ませる声も聞かれました。

もともとアウトドア志向だった人たちにとっては、ずっと家にいることは辛いかもしれませんが、「窓を開け放っておけば、もはや家は外みたいなもの」(30代女性)というポジティブな意見も聞かれました。夫婦で散歩を楽しんだり、YouTubeの動画を見ながらおうちフィットネスを実行したりなど、身体を動かす工夫で乗り切っているという人もいましたよ。

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ひとり暮らしの方だと、孤独感で鬱々としてしまうことも Photo by Bohdan Maylove on Unsplash

しかし、中には急に増えてしまったひとり時間に苦痛を感じている人も。

「ずっと家でひとりで過ごしているせいか眠れないし、ご飯がおいしくないです。加えてネガティブなことばかり考えてしまって。公園を散歩したり、ゆっくりお風呂に入ったりして気分転換を図っていますが、なかなかスッキリしません」(30代女性)

「ひとりでも全然平気なタイプだったので人に会わなくても大丈夫だと思っていたんですが、部屋にいるだけだと鬱屈としてくる。場所を変えたり、買い物など外出が自由にできたら全然いいんですが……」(30代女性)

家にひとりでずっといると、どうしても気分がふさぎこんでくるという人がいるのも事実です。電話やオンラインではなく、対面で人と話すというのは知らずストレスにもなる反面、ストレス解消にもなっているのかもしれません。

■3:飲み会の形が変わる!?オンラインでの交流

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リアルでは集まることができない分、オンラインでの飲み会が急激に増えている

外出自粛に伴って大きく変わったのが、「飲み会」の文化。「3密」を避けようとするとどうしても以前のように外でお酒を楽しむ……ということは難しくなります。そこでスタンダードになりつつあるのが「オンライン飲み会」。

「最初はオンラインでわざわざ飲む必要ある……?と思っていたりもしたんですが、時間を気にしなくていいし、飲み終わったらすぐにベッドに入れるのもいいな、と楽しくなってきています」(30代女性)

「終電がないから切りあげどきに困るのが難点だけど、『眠くなったから切るね~』というやりとりが中高生くらいのころを思い出して懐かしいなと思いました」(30代女性)

「友人とオンラインで飲み会をしていると、途中で子どもたちが乱入してくるのが楽しいです。初めて会う友人の子ども、というのも多くて。そこからパパトークが弾んだりして、今までは知ることがなかった顔と、共通の話題が見つけられて嬉しくなるときもあります」(40代男性)

お店でお酒を飲んでいたときとは違う話題も膨らみそうですね。また、自宅の背景が映りこむことによって、普段なかなか見えないようなその人の個性も見え隠れしたり……。しかし、そんな「家」の雰囲気が伝わってくることで寂しさが実感する場合もあります。

「オンライン飲み会でうしろから子どもの声が聞こえたり、『奥さんがつくってくれたおつまみです!』なんて言われると、あれ、みんな楽しそう……って、孤独感が増しました。そんなときに録画していた『ダンボ』を観ていたら猛烈に母に会いたくなって電話しました(笑)」(30代女性)

家でひとりでいると、オンラインの向こうで聞こえてくる何気ない家族の声も慕情をかきたてるようです。

また、家族がいたらいたで「オンライン飲み会をしていると夫の機嫌が悪くなるので、思ったよりも参加できない」(30代女性)など、オンラインならではの課題も浮き彫りに。こちらは「狭い」「部屋数がない」という日本の住宅事情の問題もありそうです。

■4:増える家族団らんの食卓

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テレワークの増加で家族でそろって食事というシーンの増加も

外に気軽に出かけられることもはばかられるようになった今日このごろ、みなさんの外食もすっかり減っているよう。それは食生活にも大きな影響を与えています。

「出社しているときはお弁当や外食をしていましたが、今は自炊がメイン。ただ、テレワーク中も会社の昼休憩時間と変わらないので、時短レシピを調べてサクッとつくる感じです。自炊だと野菜もたくさん食べられるので体にもお財布にも優しくなりました」(30代女性)

「以前は昼休憩にわざわざ外に行ったり……ということもありましたが、今は家族が全員家にいるのでランチもしっかりつくっています。夫もコンビニ弁当だったのが、今では健康的な食生活になっていますね。ただ、3食すべてつくるのはつらいので、夫と分担しています」(30代女性)

毎日自炊をするようになって、自然と栄養のバランスを考えて健康的な食生活になった、という人が多いようです。一方で、今までと食の好みが変わったという人も。

「スナック菓子やジャンクフードを食べなくなりました。……というより、食べたいと思わなくなった、と言ったほうが正しいのかも。お酒の量も減りました」(30代女性)

3食しっかり自炊して食べることで、意識せずとも生活が健康志向になっているのかもしれません。運動不足になりがちなおこもり生活では、無駄な間食は体重増加に直結します。暇を持て余してつい食べてしまう、というタイプの方は、意識して健康志向にシフトしたほうがよさそうです。

また食の変化として大きいのが、家族揃って食事を摂るようになった家庭が増えたということ。

「今までは夫の帰りが遅かったので、土日以外は私と娘ふたりの食卓でした。ただ、今回の件で夫と一緒に食事を摂る機会が増え、自然と父親と娘の会話も増えています。夫が今まで以上に娘を知ることができたのは嬉しい変化かもしれません」(30代女性)


突然の環境の変化は、いいことも悪いことも一度に連れてきます。本来ならば、それはどちらも経験しなくてもよかったことなのかもしれません。

しかし変化によって、よりよい環境にしていこうとそれぞれが前向きに考えている状況は、悪いことではありません。工夫とコミュニケーションでおうちの環境をますますグレードアップさせていき、少しでも快適な時間が過ごせるようにしていきたいですね。

この記事の執筆者
大阪府出身。大学卒業後、フリーランスのライターとしてゲームシナリオを中心に執筆活動を開始。夫とたれ耳のうさぎと暮らしている。好きなもの:料理、文房具、うさぎ、夏フェス、小説、アクセサリー
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EDIT :
小林麻美