家で過ごす生活がまだまだ続く今、大切なのは、毎日の生活リズムをいかに保つかということ。今回は、こんな時期こそ飲みたい、女性ブレンダーが手がける2つのティーブランド「LOVE TEA(ラブティー)」と「TE HANDEL(ティーハンデル)」をご紹介します。
どちらも安心のオーガニックであるだけでなく、ブレンドのセンスが際立っていて、表現力あふれるおいしさが最大の魅力。オーガニックティーの健やかな味わいが、日々のリズムを整えてくれるはずです。
今必要なのは、生活のリズムを整えてくれる「お茶」!心と体を豊かにする「ヘルシーなオーガニックティー」に注目
■1:メルボルンの自然療法士が創り上げた新世代ブレンドティー「LOVE TEA」
まずご紹介するのは、オーガニック先進国で知られるオーストラリアのメルボルンで2006年に誕生した「LOVE TEA」。
創業者はナチュロパス(自然療法士)の資格を持つエマ・ワトソンと、オーガニックに深い知識を持つパートナーのダミアンの2人。茶葉はもちろん、ブレンドに使われるハーブやスパイス、ドライフルーツ類にいたるまで扱うのはオーガニック素材のみ。すべての成分が明らかで、不要な添加物や香料は使用しないことが創業以来の確固たるポリシーです。
世界各地で有機栽培される素材を自身の足で探し、現在もオーストラリアの工房で一つ一つ、手作業でブレンドされています。素材を作り手から直接調達することは、途上国の生産者や協同組合をサポートすることにも繋がり、こうした「実直でていねい」なものづくりから生まれる健やかなおいしさが、世界中のティーマニアを惹きつけるのでしょう。
さて、日本に「LOVE TEA」が初上陸したのは、2018年春のこと。輸入元「ティーウェル」の代表を務める北条史子さんは、2017年に「LOVE TEA」と出会ったとたん一目で恋に落ち、勤めていた一流メゾンの広報を辞して輸入会社を設立してしまったという行動力の持ち主。
紅茶好きの祖母の影響を受け、幼少期から筋金入りのティーマニアだった彼女をそこまで突き動かしたのは、何より、純粋な「おいしさ」でした。
それまでのオーガニックティーは「安全だけど、価格が高くて味は今ひとつ…」という印象が少なからずありましたが、「LOVE TEA」は香りも味わいも鮮やかで力強い。これこそ、自然療法士の知識に基づいた、エマのブレンダーとしての手腕。生産者や環境に配慮した実直な製造法で、飲み心地のいいお茶をセンス良く提供する、次世代自然派ティーの先駆け的存在なのです。
それでは、オン・オフそれぞれのモードで飲み分けたいお茶を厳選してご紹介します!
【オン/For Recharge】仕事モードには、爽やかな香りに包まれる「フレンチアールグレイ」
「LOVE TEA」のアイテムは「トラディショナル」「ウェルネス」「チャイ」「マザーズティー」の4つのラインから構成されています。たとえば、日中のお仕事モードには、「トラディショナル」ラインの代表作「フレンチアールグレイ」がおすすめ。
良質なセイロンティーをベースに、ローズの花びらとベルガモットのエッセンシャルオイルで香りづけし、人工香料などは一切使用せず仕上げています。だから鼻腔にツンと響くような刺激は全くなく、ベルガモットとローズの香りが柔らかく豊潤に広がります。
ティーカップから立ち上る湯気を吸い込めば、まるで柑橘が豊かに実る高原を歩いているような清々しさに包まれ、気分もリフレッシュ。仕事への集中力も高まります。ベースとなるスリランカ産の茶葉は、甘みのあるしっかりとしたボディで渋みは少なく、柔らかな飲み心地。北条さん曰く「これからの季節なら、水出しのアイスティーもおすすめ」だそう。
「茶葉やベルガモットオイルのポテンシャルが高いので、水に浸しても濁ることなく、香りの良いスッキリとしたアイスティーができあがりますよ」。今まで人工的な尖った香りが苦手だった人もぜひトライして欲しい、爽やかでエレガントなアールグレイです。
【オフ/For Relax】チルタイムにはブレンドセンスが際立つ「カフェインフリー・チャイ」を
実は「LOVE TEA」は2006 年の創業当時、「LOVE CHAI」の名でスタートしたという歴史があります。アーユルヴェーダに起源を持つチャイのレシピを一番最初に作り上げたことからも、スパイスティーがエマの真骨頂であることが分かります。「オリジナル・チャイ」のほか有機カカオをブレンドした「カカオ・チャイ」などどれもが自信作ですが、仕事を終えた後や休日など、リラックスのひとときには「カフェインフリー・チャイ」を。
茶葉を使わず、ノンカフェインのルイボスティーをベースにしているので、日中コーヒーやお茶を飲み続けてカフェイン疲れした身体を優しく整えてくれます。
シナモンやスターアニス、ハニーブッシュなど8種類の有機スパイスがたっぷりとブレンドされ、カフェインフリーでありながらスパイスティーらしいナチュラルな刺激が広がります。
「寝る前のひとときまで、時間や体調を気にせず楽しめるのが嬉しいポイント。そのままでもおいしいですが、茶葉を小鍋で煮出してから温めた牛乳をたっぷり加えたり、豆乳やアーモンドミルクを少しプラスすると、よりリラックスできますよ」(北条さん)。
もうひとつ、スパイスティーラバーの方々には、同じくカフェインフリーの「ターメリックティー」もおすすめ。こちらは新陳代謝や抗酸化作用に優れるターメリック(ウコン)をベースにした、より個性的なブレンドで、ジンジャーやペッパーの刺激の奥にルイボスティーやハニーブッシュ、シナモンのほのかな甘みが膨らむ、飲み飽きることがない隠れた名作です。
アレンジ自在、ロゼカラーが美しいローズシロップも新登場!
さらに、「LOVE TEA」のお茶を使ったオリジナルシロップが5月、初登場します。「ties」を主宰し、ケータリングやレシピ制作で活躍中の料理家・遠藤千恵さんとのコラボレーションで誕生した日本限定の貴重なアイテム。
ホワイトティー(白茶)をベースにバラやローズヒップ、ハイビスカス、そしてゴジベリー(クコの実)を合わせた人気のお茶「ホワイトローズ&ゴジベリー」を、ゆっくりと丁寧に煮出し、柔らかな甘みの甜菜糖や自然栽培のレモン果汁で味付け。ほんのりピンクに色づいた、美しいシロップです。炭酸水で3〜5倍に割れば、瞬く間にロゼカラーのロマンチックなティーソーダの完成!
実は「LOVE TEA」は、こうしたシロップやお菓子作りの“食材”としてとっても有能。これも隅々までオーガニックという安心感と、エマのセンスが光るブレンドの味の確かさゆえ、なのです。
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■2:素材を「和える」美しさ。お茶のあるときの豊かさを伝える「TE HANDEL」
もうひとつのブランドは、2003年に誕生した「TE HANDEL(ティー ハンデル)」。10〜20代の数年間をスウェーデンで過ごした店主・加瀬さやかさんが立ち上げたティーブランドです。
北欧と聞くとコーヒー文化のイメージがありますが、スウェーデンには薬局のように街ごとに茶葉の専門店があり、それぞれの店名がついたオリジナルブレンドがあるのだとか。味わいは、ハーブやフルーツをふんだんに使った瑞々しいフレーバードティーが特徴です。加瀬さんがブランドコンセプトを「和える」と表現する通り、スウェーデンでの体験と日本のお茶文化の精神性を自身の目線で取り入れ、ボーダレスで自由なお茶のスタイルを発信しています。
ブレンドはすべて加瀬さんがレシピを考え、信頼を寄せる現地のブレンダーが調合を行なっています。ベースになる茶葉をはじめ、ハーブやフルーツ、スパイス、アロマも可能な限り有機のものを選び、すべてのブレンドティーが有機認定「ユーロリーフ」のオーガニック認証を受けています。だから現在20種類をそろえるプロダクトはどれもが驚くほど風味が鮮やかで、同時に、包み込まれるように穏やか。
「紅ゆる秋」や「古い街」「ブルースター」など、ネーミングにも創造性が溢れ、一口飲めば「風景」が浮かんでくるような、そんなお茶なのです。
【オン/For Recharge】仕事モードには、気持ちが前向きになれる「No.6 NordenLights 北方の光」を
仕事をテキパキと片付けるため、「オン」のスイッチを入れる一杯に選んだのは、「北方の光」。ベースは有機中国茶のガンパウダーで、その形から玉緑茶とも呼ばれ、モロカンミントティーによく使われる球状の中国緑茶です。これにレモンやレモングラス、ラベンダー、ペパーミント、ベルガモットという爽やかな香りを幾重にもかさねた、心身をクリアに目覚めさせてくれる爽快感のある味わいです。
「ミントの爽やかさ、そしてベルガモットやラベンダーには抗ストレスの作用がありますので、気分を落ち着かせながら、明るく前向きになれるのでは?」と加瀬さん。軽発酵の中国緑茶なので、お湯を注ぎ足しながら二煎、三煎と長く楽しめるのもよいところ。お仕事のかたわらで、ティーウォーマーで温めつつ、差し湯をしてゆるりとどうぞ。
またオーガニックの良質な素材ゆえ、「LOVE TEA」と同様に「TE HANDEL」のアイテムもアレンジが自在。加瀬さん自身も多彩なレシピを提案しています。たとえば「北方の光」は水出しもおすすめ。
「作り方は、白湯500mlに茶葉をティースプーン1杯(約3g)、またはティーバッグ1個を入れて一晩冷蔵庫へ。朝には爽やかなアイスティーに。ミントなどのフレッシュハーブやハニーレモンを加えるとさらにおいしいですよ」(加瀬さん)。
【オフ/For Relax】フルーツの恵みでふわりと心和む「No.19 AftonStjärna いちばん星」
仕事を終え、集中力をリセットしたい時には、見惚れるような色合いの「いちばん星」を。茶葉は使わず、花やフルーツだけで構成したジューシーなブレンドです。
「ビタミンの爆弾」と称されるローズヒップと、クエン酸ポリフェノールが豊富で、疲労回復や美容に良いと言われるハイビスカスがベース。清々しい酸味にベリーやリンゴでまろやかさをプラスした、愛らしくフェミニンな味わいです。
加瀬さんのおすすめアレンジは「ホットワインティー」。お好みでシナモンやナッツ、フルーツ、香りづけの赤ワインを加えて数分温めれば出来上がり。飲めば心の緊張もゆるりとほどける、就寝前のリラックスにぴったりのアレンジです。
さらに、ちょっと汗ばむような陽気だったら、炭酸割りもおすすめ。名付けて「いちばん星スパークリング」。茶葉をブレンドしていないため、濃く抽出しても渋みが出ないのが嬉しい特徴です。
手順は「いちばん星」を煮詰めてコーディアルを作り、冷たくひやした炭酸水で割るだけ。ローズヒップとハイビスカスの甘酸っぱさが炭酸でスパークして、爽やかさは格別! コーディアルは色々な楽しみ方が可能なので、冷蔵庫に常備しておきたいいわば「万能調味料」です。
美しいパッケージデザインにも、「TE HANDEL」の世界観が宿っています。ティーバッグのペーパーボックスやリーフ入りのティーキャディー(茶筒缶)は、一つ一つ、加瀬さんの美意識が反映されており、なかでもティーキャディーは、「東京印籠茶筒缶」の最後の職人が手がけるとても貴重なもの。蓋の閉まる繊細な感触に職人技が現れています。
デザインは鹿児島睦さんや軽井沢の工房「RATTA RATTARR」など、毎回さまざまなクリエイターとコラボレーションし、シルクスクリーンの手刷りで仕上げています。まるで茶道の棗(なつめ)を思わせる美しさから、コレクターも多い一品です。
自分用はもちろん、友人や仕事仲間への「お疲れ様」ギフトにも。丹念な手仕事が、お茶の味わいとともに心をまるくしてくれるはずです。
問い合わせ先
- TE HANDEL platform TEL:0463-61-1327
- 営業時間/10:00〜15:00
- 定休日/土・日・祝日 休 ※営業時間、定休日は状況に応じて変更の可能性あり。
- 住所/神奈川県中群大磯町大磯1009 ISOビル1F
お茶を心から愛する女性が創り上げた2つのオーガニックティーブランド「LOVE TEA」と「TE HANDEL」。その良質な素材やハンドメイドで作られるブレンドから、ていねいでまっすぐな姿勢が伝わってきます。
豊かな香りや味わいに触れ、ふと心が晴れたり、角ばった気持ちがほどけたり…。お茶の力は想像以上に大きいのです。ぜひ毎日のおうち時間に、健やかなお茶を取り入れてみてください。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- LOVE TEA、TE HANDEL/takaaki koshiba
- EDIT :
- 石原あや乃
- EDIT&WRITING :
- 藤森陽子