「和蘭石竹」…まさかの和名にびっくり!明日使える日本語トリビアです

みなさま、明日5月10日は『母の日』ですね。お母様への贈り物、もうご用意なさった方も多いのでは? お子さんがご自身への贈り物をこっそり準備しているのに気づかないふり…という、くすぐったくも温かな1日を過ごされる方もいらっしゃるでしょうね。

外出自粛の折、お母様と住まいが別々、遠方にお住まい、という方は、明日の機会に電話などで会話をはずませられると、いちばんのプレゼントになるかもしれません。

ということで本日は、『母の日』の話題にできそうな日本語トリビアをお届けします。

【問題1】「和蘭石竹」ってなんのこと?

「和蘭石竹」は、ある植物の和名です。花束やフラワーアレンジメントの定番でもあるこの植物はいったいなんでしょうか?

ヒント:この時期に大変注目を集めるお花です。

本日、クイズの問題になった、という事が納得の植物といえば?
本日、クイズの問題になった、という事が納得の植物といえば?

さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… カーネーション です。

なぜこの和名になったのでしょう?
なぜこの和名になったのでしょう?

「和蘭石竹(オランダせきちく)」と読み、俗にいう「カーネーション」の和名になります。

「石竹(せきちく)」はカーネーションが属する、ナデシコ科の多年草の一種を指し、石竹の中でもオランダ原産の品種であるカーネーションは「和蘭石竹」というわけです。

あの華やかなカーネーションから「石」「竹」は連想しづらいですよね?

しかし、茎の形をよく見ると、小さな竹のような節状になっています。また、石竹は岩地に生えることから「石」の字が入ったとされています。

岩地でも咲く強さを持った花であり、茎の形も、縁起物とされる竹に似た姿を持つ…と考えると、カーネーションは「強さと美しさを兼ね備えた縁起のいい植物」というイメージになりますね。「母」への贈り物にぴったりのお花かもしれません。

…と言いつつ、筆者は今年の母への贈り物は、母が憧れていた「藤のミニ盆栽」を送りました(笑)。

さて、2問目と参りましょう。

【問題2】「拵える」ってなんと読む?

「拵える」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:「手をかけてつくる」という意味の日本語です。

<使用例>「明日は母の日だから、お母さんに初めて褒められたお料理を拵えて、クール便で送ったの」

「○○○える」と読み仮名3文字です。
「○○○える」と読み仮名3文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 拵(こしら)える です。

この言葉、ある作家の作品に、たびたび登場する印象が…。

「拵(こしら)える」は、「なにかを作る」「身なりを整える」など、「手をかけてつくる」ことを表現する日本語です。料理や幼い日の身支度など、母に「拵えて」もらった経験を思い起こさせる、美しい日本語ですよね?「計画する」「手を尽くして用意する」という意味も持っています。

「拵える」という言い回しは、脚本家の橋田寿賀子さんが作中で意識して登場させていることでも有名です。若者のセリフとしては意外に感じるシーンであっても、「きれいな日本語をテレビだけでも使いたい」という作者の思いが込められているそう。

また、橋田作品で特徴的な長い台詞は「視聴者が家事をしながらでも、テレビ画面を見ることなく話の筋がわかるように」という配慮によるものだそうです。今まで橋田作品に関心がなかった、という方も、大変な人気を裏打ちする制作意図を知ると、凄みを感じますよね。

先駆者の営みに触れる事が、社会生活を送る上での「精神の母」となることも多いものです。『母の日』に血縁以外の「精神の母」たちにも感謝のメッセージを送ってみる、というのも、素敵な過ごし方かもしれません。

本日は、『母の日』の前日、まだまだ準備の間に合う日、ということで、

・和蘭石竹(オランダせきちく) = カーネーション

・拵(こしら)える → 橋田寿賀子作品トリビア

など、会話をふくらませられそうな日本語の話題をお送りしました。

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:毎日新聞(2010年10月30日)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱