「御用達」の読み間違い…知っているつもりで正解を誤解していると、大恥ですよ!
「お中元」の時期ですね。「お中元」といえば、お世話になった方への夏季の贈り物のことですが、もともとの意味はご存知でしょうか?
今でいう「お中元」の元になった「中元(ちゅうげん)」とは、道教に由来する年中行事で、本日・7月15日を指していました。実は「中元」のほかにも「上元(1月15日)」と「下元(10月15日)」があり、これら「三元(さんげん)」は道教の神様のお誕生日なのだそうです。
江戸時代、商人が得意先に粗品を配る決算期と重なっていたこと、
明治時代、百貨店が、夏の売り上げ低迷期の回避策として大売出しを行った事なども影響し、
昭和初期には一般的に「お中元の時期には、お世話になった方へ贈り物をする」という風習が普及し、「お中元」という日本語が「夏季の贈答品」を意味する、というイメージが生まれたようです。
というところで、本日1問目のクイズです。
【問題1】「御用達」ってなんと読む?
「御用達」という日本語の読み方は複数あります。正解をすべてお答えください。
…さて、正解はいくつ?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 御用達(ごようたし/ごようたつ/ごようだち) の3種類です。
「え?『ごようたし』が正解で『ごようたつ』は間違いだと思っていたわ!」という方、意外と多いのでは?
複数の辞書に「ごようたし/ごようたつ/ごようだち」の3種類が読み方が載っており、3種類とも正解なのです。
贈答品選びの話題で「○○御用達」という言葉が出る機会の多そうな時節柄、他人様(ひとさま)の読み間違いを指摘してさし上げたつもりが、自分の方が誤解していた…などという恥をかかぬよう、お気をつけください。
さて「御用達」の正しい意味も、ご存知でしょうか?
現在では「セレブ御用達」というような使い方をされ、「バリューのある方のお気に入り」的な意味合いが定着していますが、
本来の意味は「宮中や官庁に物品を納入すること。また、それを行う商人(御用商人)。」です。
「セレブ御用達」のような表現は、親しいお友達と口語的に使う分には問題ありませんが、オフィシャルな場でそのような使い方は避けたほうが無難です。
…というところで2問目のクイズです。
【問題2】「翼ける」ってなんと読む?
「翼ける」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「力添えして手伝う。かばい守る」という意味の言葉です。
<使用例>
「新企画が形になったのは、社長のお翼けがあってこそです!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 翼(たす)ける です。
「助ける」という表記がポピュラー過ぎるだけに意外な読み方ですが、「翼(つばさ)」という漢字に「翼(たす)ける」という意味があることを知っておくと、大人の女性として「感謝を表現する言葉」の語彙力がひろがると思います。
「翼」という漢字を使っており、「助ける」という意味を持つ熟語を3つ挙げてみます。
・扶翼(ふよく)…助ける。扶助。援助。
・補翼(ほよく)…助ける。補佐。
・羽翼(うよく)…助ける。補佐。または補佐する人。
「扶翼」は目上の方の「手助け」や「お世話」に感謝する時に使用できる熟語、
「補翼」「羽翼」は目下からの「手助け」に感謝する時に使用できる熟語です。
これらの熟語では「翼」という漢字が「不可欠な能力・スキル」をイメージさせる使われ方ですので、
目上の方へのメッセージに「日ごろからご扶翼いただき」と入れたり、
目下へは「あなたに補翼してもらって」「チームの重要な羽翼となってくれて」などと入れると、さりげない言葉遣いに深い感謝の気持ちを盛り込むことができて、素敵ですよね?
「お世話になって」や「助けてもらって」よりも、良い言い回しがないかしら?という時、いかがでしょうか?
本日は、意外とカン違いの多い
・御用達(ごようたし/ごようたつ/ごようだち)
という日本語の読み方と、
感謝の表現をするときにイメージが良く美しい日本語表現
・翼(たす)ける
・扶翼(ふよく)
・補翼(ほよく)
・羽翼(うよく)
をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱