「言葉のあや」ってどんなこと?カン違いが多いかも!?
皆さま、毎月23日が「ふみの日」であること、ご存知でしたか?「手紙の楽しさ、手紙を受け取るうれしさを通じて文字文化を継承する一助となるように」という主旨で、1979年に郵政省(当時)が制定した記念日です。
特に7月23日は「文月(ふみづき)ふみの日」という、1年間12回の「ふみの日」の中で最も注力されており、素敵なイラストの入った記念切手が発行されます。
本日は「文」という漢字にスポットをあてたクイズです。
【問題1】「文る」ってなんと読む?
「文る」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「模様をつけて美しくりっぱにする」「うわべをとりつくろう」などの意味を持つ言葉です。
<使用例>
「この方の文章って、美辞麗句で文りすぎていて、要するに何を伝えたいのか?って大事な部分がよくわからないのよ。」
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 文(かざ)る です。
「かざる」という言葉では「飾る」という表記のほうが一般的です。「「飾る」は「外観に手を加える」とう意味でしたが、現在では「文る」のニュアンスも包括されている形です。
「文る」は「文(もん)=もよう」という意味もあることから「模様をつけて立派にする」という意味と、
ヒントの例文のように、文章などの無形のものも含めて「うわべをとりつくろう」ことを意味します。
どちらの意味も「飾る」と書いても問題ありませんが、
せっかくの「文月ふみの日」ですので、「文」という漢字を深掘りしてみました。
さて、2問目です。
【問題2】「言葉のあや」ってどういう意味?
「言葉のあや」という慣用句の正しい意味を、以下の選択肢の中から選んでください。
1:不用意な発言
2:技巧的な言い回し
3:無粋で低俗な言葉
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 2:技巧的な言い回し です。
こちらは意外と、正解をカン違いされていた方が多いのでは?
「言葉のあや」の「あや」は、漢字で書くと「文(あや)」もしくは「綾(あや)」です。
「文」「綾」ともに「糸の交差でつくる織物の模様」という意味も持った漢字であり、「言葉のあや」という慣用句は、「(糸の交差でつくる織物の模様のごとき)技巧をこらした言い回し」という意味になります。
この慣用句、使用される場面として真っ先に思い浮かぶのが「いいわけ」ではないでしょうか?
「そんなふうにとられるなんて、心外だな。『言葉のあや』というものさ」
というように、相手に「それは誤解です」と伝えるシチュエーションで、よく使われる印象です。
これは「不用意な発言で誤解を招いてごめんなさい」と謝っているのではなく、
「自分の発した婉曲的で技巧的な言い回しを、あなたは間違って、またはズレたところで理解した」と、誤解の責任を「お互い様」と言い切るような表現です。まわりくどく、ともすると狡猾な印象ですね(笑)。『言葉のあや』でごまかされぬよう、気をつけましょう!
さて皆さま、手紙を送るときの定形郵便にかかる切手の価格、いま現在の価格をご存知ですか?便箋3枚程度ど入れられる25g以内の一般的な手紙に使用する切手は82円、ハガキは63円です。
「いま、そんなお値段になったの!?」と驚かれた方、自分でも気づかぬうちに、手紙やハガキを送る文化から遠ざかっていたようですよ!この4連休はどなたかへ、紙のお便りをしたためてみてはいかがでしょうか?
手紙は、相手の方を思い季節感に配慮しつつ、ふさわしいレターセットを選ぶところから始まり、「どんな言い回しが良いかしら?」と文章のニュアンスもいろいろ考えますよね?誰かを思い、ワクワクしながら趣向をこらす時間は、自分自身の癒しにもなると思います。
本日は7月23日『文月ふみの日』にちなんで、
・文(かざ)る
という難読クイズと、
・言葉のあや
という慣用句の正しい意味をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱