純銀を使ったこのペンはずっしりと重たい。そしてしばらく放っておくと、黒くくすんでしまう。正直いって非常に手間がかかるのだ。しかしそれも無理のないこと。ヤード・オ・レッドのペンづくりは、19世紀半ばからほとんど進化していないのだ。
ヴィクトリアン朝の遺産
ヤード・オ・レッドの『パーフェクタ ヴィクトリアン ボールペン』
1822年に創業した金銀細工工房をルーツに持ち、その後繰り出し式ペンシル、すなわちシャープペンの構造を開発したことで、ペンメーカーとしての地位を確立したヤード・オ・レッド。バーミンガムにあるその小さな工房では、スターリングシルバー(純銀)を使い、職人が手彫りによって装飾を施していく。
古色蒼然としたその風景も、そしてヴィクトリアン様式を色濃く感じさせるデザインも、英国が産業革命によって隆盛を極めた19世紀そのまま。進歩や発展など不要とばかりに自らのスタイルを貫くその気高い姿に、現代を生きる私たちは心を奪われてしまうのだ。
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- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2020年春号より
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- 石川英治(tablerockstudio)
- EDIT :
- 山下英介(本誌)