人と動物の関係性をテーマに20年にわたりポートレイト作品を撮影し続ける、アーティストのシャルロット・デュマさん。その最新個展「ベゾアール(結石)」が、「銀座メゾンエルメス フォーラム」で11月29日(日)まで開催されています。
銀座メゾンエルメス フォーラムで、馬を主役とした映像作品や写真を展示する「ベゾアール(結石)」がスタート

シャルロット・デュマさんは、アムステルダムを拠点に活躍するオランダ人写真家。現代社会における動物と人の関係性をテーマに、騎馬隊の馬や救助犬など、人間と密接な関係を築いている動物を被写体としたポートレイト作品を発表してきました。2014年からは日本を訪れ、北海道、長野、宮崎、与那国島など全国8ヶ所を巡り、現存する在来馬を撮影し続けています。
そんな彼女の最新の個展が、「銀座メゾンエルメス フォーラム」で11月29日(日)まで開催中の「ベゾアール(結石)」。映像作品3点を中心に、写真30点と12点のオブジェほどの作品が展示され、動物と人間の関わり合いを再考するものになっています。どれも主人公は馬で、馬具工房から始まったエルメスの会場での開催が必然のようにも思えてきます。
■1:10歳の娘も出演! 自然や動物と人との繋がりを見つめ直す
展示は8階と9階の2フロアに広がっています。8階で特に注目したいのは、《潮》(2018)と《依代》(2020)のふたつの映像作品。《潮》は与那国島で撮影された映像作品で、少女ゆずとその愛馬うららを撮影したもの。「今までずっと動物を主体とした撮影をしてきました。でも今回は、馬と同じくらい少女に魅了されてしまい、動物と人間の両方に焦点をあてました」(デュマさん)。

《潮》とともに展示された、テキスタイルデザイナー・キッタユウコさんによる藍染めのインスタレーションも必見です。「映像に登場するうららの帯もキッタさんに製作してもらいました。帯は何か力を与えてもらえるような、お守りの意味もあります。会場に藍色の布が存在することで風を感じさせるとともに、展覧会を守る存在にもなっていると思います」(デュマさん)
《依代》は、デュマさんの当時5歳の娘が馬のコスチュームを着て、オランダから与那国島までを旅する微笑ましいロードムービー。こちらの可愛らしいコスチュームも、キッタユウコさんが製作したものです。どちらの作品も、自然や動物たちと人間の繋がりを見つめ直すものとなっています。



■2:生の儚さを伝える神聖な空間が広がって
9階は、8階とはガラリと雰囲気が変わり、生と死を意識させるものになっています。展覧会タイトルにある馬のベゾアールの実物や馬の頭蓋骨が、写真作品や映像と共に並びます。


ベゾアールとは、動物の胃や腸の中で形成される石状の凝固物のこと。医学的な現象で生成されるものですが、古い伝承の中ではお守りや神秘的な存在とされてきました。
「思うに、ベゾアールとは水分の不足、すなわち死に直結しているのだろう。
その証拠にパリで目にしたベゾアールは大きく、その重さに耐え、生き延びた馬はいない。ベゾアールは神秘的なオーラを放っている。その表面は惑星にも似てそれ故、動物の腹の中からやって来たのに、宇宙からやって来たようにも思われる。これは、石を抱えていた動物が命懸けでこしらえた生涯の作品であり、抵抗の証でもある。命とはかくも無常であることを、想起せざるを得ない」(デュマさん)
デュマさんにとって、ベゾアールは生の儚さを伝えるものなのでしょう。「新型コロナの感染拡大で、多くの人が生と死について思いを巡らしている。そんな中で、鑑賞くださる皆様に色々な視点から新しい認識が生まれれば嬉しいです」とも話すデュマさん。「ベゾアール」展は、こんな時だからこそぜひ鑑賞したい展示のひとつです。
「ベゾアール(結石)」展 詳細
- 会期/〜2020年11月29日(日)
- 開館時間/月曜〜土曜11:00~20:00(最終入場は19:30まで) 日曜11:00~19:00(最終入場は18:30まで)
- 定休日/エルメス銀座店の営業時間に準ずる
- 入場料/無料
- 住所/東京都中央区銀座5-4-1 8&9F
- 会場/銀座メゾンエルメス フォーラム
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 高橋京子
- EDIT :
- 石原あや乃