女性なら誰しもが美肌になりたいと思っていますよね。モデルとして活躍中の野崎さんもそのひとり。ですが、子どもの頃から肌が弱かったため、トラブルも多く、悩んでいたのだとか。
その時から、美容に興味を持ち、自分の肌に適した美肌研究を続けて生活習慣や食事への意識を変えた結果、肌に変化が! 今では自分が納得できる肌を手に入れることができたそうです。自己研究から培った、美肌になるための方法を教えてもらいました。
マスク着脱の繰り返しで起こる摩擦や、乾燥による“マスク荒れ”に悩まされている人も必見です。
『肌が乾くクセをやめてみた。』の著者・野崎萌香さんに教わる3つの美肌習慣
野崎さんは、肌の“潤い”にとてもこだわっているそう。それは、透明感のある美肌に必要不可欠な条件だから。乾燥して表面がこわばった肌は、美しさを左右するキメが乱れた状態で、見た目のツヤも失われているんです。
「小さい頃から乾燥肌で悩んできたので、潤わせるスキンケア以上に“乾燥させない”習慣を大切にしています」(野崎さん)
■1:ドライヤー時は、化粧水をたっぷり浸したコットンで顔を覆う
肌が乾く速度は、髪が乾く速度より何倍も速いそう。何もケアしていない無防備な肌に、10〜15分もドライヤーの風を当てるのは、肌の潤いをわざと逃がしているようなものです。
「お風呂上がりの肌は潤っているように見えますが、水分の蒸発を防ぐ皮脂のベールが薄くなっていて、とっても乾燥しやすい状態なんです。私は、肌の水分の蒸発を防ぐために、ドライヤー時は、化粧水をたっぷり浸したコットンで顔全体を覆い、肌に直接風が当たらないように工夫しています」(野崎さん)
■2:皮脂は必要な分だけ落とす
野崎さんは、以前は、さっぱりした洗い心地を求めてしまい、クレンジングをする時は、おでこがキュッキュとなるまで洗い流していたそう。でも、これは「皮脂のベールが少なくなってしまった」証拠。
「肌をキュッキュッとさせるのをやめました。必要な皮脂まで洗い流してしまうから。肌が皮脂量を取り戻そうとして余計に多くの皮脂を分泌して、結果的にオイリー肌になってしまうんです」(野崎さん)
洗ったあとに、肌がしっとりとして、ふわふわ柔らかな手触りになるのが目安なのだそう。スキンケアに投資する前に、正しい皮脂の落とし方を知って、成分が入り込んでいく土台をつくることが大切です。
■3:出先でも乾燥対策をしっかりする
今年の夏はとても暑く、9月に入ってもまだ蒸し暑さが続いています。必然的にクーラーが効いている屋内にいることが多くなると思いますが、そうするとどんどんお肌は乾燥していくばかり。野崎さんも、冬場よりも夏場の乾燥対策のほうが大事だと感じているそう。
「肌が乾燥している気がしたら、いつでもミストスプレーを顔に振りかけています。私は『レカルカ』のモイストシャインミストを愛用中。霧が細かいので、メイクの上からでも振りかけられて、重宝しています。手の甲や首などにもシュッとしています。
顔だけでなく、フットケアも意識しています。夏場は、スリッパやサンダルをよく履くと思うのですが、かかとがガサガサになりますよね。素肌と同じ弱酸性で、保湿成分が配合されている足裏専用のローションもこまめに吹きかけています」(野崎さん)
美肌はカラダの中からも作れる?野崎さんが実行している「常在菌ファースト」の4つの習慣
さらに、肌に住んでいる“皮膚常在菌”にとって居心地のいい環境をつくることが、健康的な美肌を保つためのポイント。皮膚常在菌とは、誰の皮膚にも存在して、肌のコンディションを左右する菌のこと。善玉菌、日和見菌、悪玉菌という3つの菌からなります。
乾燥や食生活の乱れ、間違ったケアなどでバランスが崩れると、悪玉菌が増えすぎて、日和見菌も悪玉菌の味方になり、肌環境が一気に崩れてしまうんです。
「皮膚常在菌の存在を知ってから、私の美容法は菌を大切にすることを意識しました。丁寧にクレンジングしているのに、しっかり保湿しているのに、一向に肌荒れが治らないなどの悩みを感じていましたが、常在菌のことを知ると、“そういうことだったのか”と腑に落ちた感覚でした」(野崎さん)
クレンジングは大事だけれど、肌にとっていい働きをしてくれる菌まで取りすぎてしまっていないか、見直すきっかけにもなったそう。
また、菌のエサとなる汗をかくための入浴や軽い運動、水分補給など、小さな習慣が美肌につながっているとも知ることができたようです。
肌に住んでいる常在菌の中で、美肌にとって最も大事な役割を担っているのが善玉菌の「表皮ブドウ球菌」です。この菌は、皮脂や汗をエサとして食べて、弱酸性の脂肪酸を生産。これがウイルスや雑菌から肌を守り、皮膚に潤いのベールを張ってくれているのだそう。
「汗をかかないと、皮脂だけがどんどん溜まり、ニキビをつくる原因でもある日和見菌の『アクネ菌』が暴走する環境になってしまいます。このことを知ってからは、毎日しっかり汗をかくことを意識しています」(野崎さん)
■1:朝と夜の入浴で汗をかきやすいカラダをつくる
野崎さんは、どれだけ疲れていて時間がなくても、朝晩、お風呂につかって汗をかくことは欠かさないようにしているそう。
「夜は38〜40度のぬるめのお湯に30〜90分ほどつかり、本や雑誌を持ち込んで読書をしたり、照明を落として、アロマキャンドルを灯したりして、ゆっくり過ごして、じんわり汗をかくまで入ります。
朝は43度の熱めのお湯に10〜15分ほどつかりながら、足首のマッサージをしています。朝に体を温めてほぐすことで、新陳代謝を上げ、汗をかきやすい状態になるんです」(野崎さん)
長く入浴する場合は、お水を持ち込んで、きちんと水分補給をしながら入ることも、発汗のために大切だそうです。
「ハマム浴やよもぎ蒸しなどの蒸し美容もおすすめ。大量に汗をかくのに効率的です。血流を促進して、滞っていた血の流れをスムーズにしてくれるので、冷えが気になる方や、冬場で汗をかきにくい時にやってみるのがおすすめです」(野崎さん)
■2:顔に熱水シャワーをあてない
熱いお湯は、肌表面の皮脂を必要以上に洗い流してしまいます。さらに、角質が柔らかくなっている状態の肌に、シャワーの圧がダメージを与えてしまう恐れが。
「お風呂でシャワーの熱水を直接顔に当てるのをやめたのも、常在菌の存在を知ってからです。なので、私はできるだけ化粧を落としてからお風呂に入るようにしていります。
もし、お風呂で顔を洗う際には、少し冷たいと感じるくらいのぬるま湯に変えて、シャワーの水を手ですくってから、顔を当てるようにしています」(野崎さん)
小さな気づかいの積み重ねが、常在菌にとって居心地のよい環境づくりになっているんですね。
■3:タオルで顔をゴシゴシふかない
お風呂上がりに、タオルでゴシゴシと顔やカラダを拭くと、肌をこすった刺激で肌の内部にメラニンが発生して、シミの原因になってしまいます。
「タオルでこすると、シミの原因のほかに、必要な皮脂まで取り除いてしまう上に、肌の表面に細かい傷をつけて『黄色ブドウ球菌』が繁殖しやすい環境をつくってしまうんです。
これはカラダを洗う時にも言えることです。お湯につかるだけでも余分な汚れや古くなった角質は流れていくので、さらにゴシゴシしてしまうと常在菌がつくったバリアが壊されるんです。
汗がしみたり、乾燥で肌がかゆくなってしまったりといろいろな悪影響を及ぼしてしまうそうなので、私は石けんをふわっと泡立てて、泡に汚れを吸着させて洗い流すようにしています」(野崎さん)
■4:寝室の湿度は70%以上をキープ!
スキンケアで肌にたっぷり保湿をしていても、自然と肌から水分は失われていくもの。空気が乾燥していれば、さらに肌の潤いは保ちにくくなってしまいます。 そのため、野崎さんは季節を問わず加湿器をつけて、寝室の湿度は70%以上をキープするように心がけているのだとか。
「湿度を維持することで、寝ている間も常に働き続けている肌の常在菌にとって、より活動しやすい環境をつくってあげているんです。 湿度70%を保つことは、歌手の友人から教えてもらったケア方法ですが、風邪をひくこともほぼなくなりました。部屋全体が湿気っぽくならないように、起きた後は、きちんと換気をしています」(野崎さん)
最後に、野崎さんからメッセージをいただきました。
「とにかく肌は保湿を意識することが大事です! 肌が乾燥するだけで、肌のバリアが崩れて、トラブルが起きやすくなるんです。 また、乾燥している肌だと、老けて見えがち。逆に、保湿しているだけで、イキイキした肌や表情になります。
私は、常に『乾燥は敵』だと思って生きています(笑)。だからみなさんも、どんなに忙しくても『保湿』だけは意識してほしいです」(野崎さん)
野崎さんの著書『肌が乾くクセを全部やめてみた。』は、「なるべくシンプルでどんな人にでも合う美容法、絶対これだけをやったらキレイになれる、ということだけをまとめた本」とのこと。
今回ご紹介した習慣も、すぐにでも試してみたくなる手軽なものがたくさんありましたね。いつでも潤った肌でいるために、ぜひ野崎さんのメソッドを参考にしてみてください。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 宮平なつき
- EDIT :
- 小林麻美