肌トラブルに悩んで、自分に自信がなくなる、マイナス思考に陥る……そんな負のループにはまってしまうこともあるかと思います。モデルとして活躍中の野崎萌香さんも、実はかつて、その負のループに巻き込まれていたのだとか。
それでもあきらめず、大好きな美容を追求したおかげで、肌にもカラダにも心にも変化があったそう。そんな理想の「美」を手に入れた、野崎さんの秘密を教えてもらいました。
『肌が乾くクセを全部やめてみた。』の著者・野崎萌香さんが教える、美肌づくりのために「やめた」生活習慣とは
健康的な腸づくり(=腸活)をするために始めた「腸活」4つ
腸と肌は密接な関係があり、実は肌ケア以上に大事なのが腸のケア。なので、野崎さんは便秘を放っておくことを辞め、「腸活」を始めることにしたのだそう。
「私自身、食べたものや生活習慣が肌に影響しやすい体質だったんです。まずは便秘を解消するところから心がけました」(野崎さん)
便秘になると、溜まった便が腸の中で腐敗して有害なガスを出し、それが腸から血液にのって、全身に広がっていくので、肌にも影響を及ぼします。
きちんと排便できる健康な腸には、肌と同じく、常在菌のバランスがカギです。腸内を善玉菌優位の環境にすれば、きちんと排便が促されて、免疫も上がります。
■1:腸と肌を潤す食べ物を摂る
まず、便通をよくするために食事で欠かせないのが、食物繊維。特に有害物質を吸着して体外へ運ぶ水溶性食物繊維を積極的に摂取したそうです。
水溶性食物繊維を持つ食材は、昆布やわかめなどの海藻類、里芋などのネバネバ系の食材などが当てはまります。水分を多く保持していて、便をやわらかくしながら、腸の中をゆっくり進んで掃除をし、カラダに不要なものを外へ運んでくれます。
「水溶性食物繊維は食べ物から十分に摂るのはなかなか難しいので、サプリメントを活用しています。『イヌリン』と『水溶性デキストリン』がおすすめです。どちらも特定保健用食品(特保)のドリンクなどにも含まれている安全な成分です」(野崎さん)
■2:乳酸菌、酵母菌で、肌と腸をよみがえらせる
次に意識したことは、カラダにとってよい働きをしてくれる「善玉菌」を増やすこと。善玉菌の中でも、「乳酸菌」と「酵母菌」のふたつは、腸内で悪玉菌やウイルスが棲みにくい環境をつくり、腸内フローラ(腸内の菌の群生体)のバランスを保っています。
「善玉菌たちが腸内でしっかり働いてくれるおかげで排便が促され、きれいな肌を維持することができるんです。腸内を善玉菌優勢の状態にするためには、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を毎日食べて、乳酸菌や酵母菌を積極的に取り入れることが大事です!」(野崎さん)
善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維と一緒に摂取するとさらに効果的なのだそう。
■3:酵母菌サプリで腸を活性化
酵母菌は、実は胃酸に弱く、生きたまま腸に届けることが難しいのだとか。野崎さんは、その酵母菌を元気な状態で凝縮したサプリメントを飲んでいるそうです。
「おすすめは『masyome(マスヨメ)』。持ち歩いて、食前に飲むようにしています。腸を一気に元気にすることができ、さらにお腹がふくらんだような感覚になるので、暴食防止にもなりますよ」(野崎さん)
「masyome」は、老舗酒蔵に生息する「蔵付き酵母」を使用していて、酒蔵で働く人の間で病気を予防するために飲まれていた発酵液(酵素)をサプリ化したものです。
■4:お茶より水を飲む習慣に変える
体内の水分が少なくなると、肌も乾燥してしまうため、少しでものどの渇きを感じたら、こまめに水を飲むようにもしているそう。
「毎日1.5〜2リットルのお水を飲むようにしています。なぜお茶はダメかというと、お茶には利尿作用があるためです。 せっかく飲んでも尿としてカラダの外に出てしまうから。カフェインも含まれているので、大量に摂取すると、不眠やめまいの原因になってしまうこともあります。
なので、カラダのためには必要なミネラルだけを摂取できる水が最適なんです」(野崎さん)
また、できる限り常温で飲むように意識しているそう。冷たいお水で腸を冷やしてしまうと、排泄機能が低下して、腸内環境が悪化してしまうからです。
筋トレをやめて始めた「ほぐすだけ」ボディメイク3つ
20代前半は、「とにかくやせなきゃ」と毎日のようにトレーニングに通う日々だったという野崎さん。体重は減っていったものの、ある日、ふと自分のカラダを触ると、「すごく硬い!」と驚いたのだとか。
「華奢な男の子みたいに、筋肉質で、自分の性格と体型の雰囲気の違いにすごく違和感を覚えました。細くなるためにトレーニングしているはずが、くびれができず、背中もいかつくなり、全体的にカクカクとした四角い体型になっていたんです」(野崎さん)
「こんな体型になりたいんだっけ?」と自問自答している時に、“くびれ母ちゃん”の異名を持つ姿勢改善トレーナーの村田友美子先生と出会い、ほぐしメソッドを教えてもらったという野崎さん。理想だった、女性らしいやわらかい丸みのあるカラダと、デトックスできる体質に変われたのだそう。
「正しい姿勢を身につけて、カラダをほぐすと、腸にすごく影響があって、便通もさらによくなりました。そのことを教えてもらった時は、『目から鱗』でしたね。 肌の調子もよくなるし、脂肪などをため込まないようにもなりました。こっているカラダをほぐすことが、いかに大切だったかを実感できました」(野崎さん)
■1:とにかく姿勢に気をつける
村田さんが教える正しい姿勢とは、横から見た時に、耳・肩・脚の真ん中・ひざのお皿の後ろがすべて一直線に並び、両ひざが正面を向いている状態のこと。
■気をつけるべき7つのこと
・ 首とあごの角度が90度になっている
・ 首の後ろが伸びている
・ 肩が自然と引けている
・ 肩を使わずに肩甲骨を軽く寄せる
・ 肋骨がパカッと開かず閉じている
・ 骨盤の角度が床と垂直になっている
・ 重心は内くるぶし
「これらに気をつけて、つむじの上から1本の糸で吊られている感覚や、カラダにまっすぐな1本の軸が通っている感覚をイメージして立つとよいですよ」(野崎さん)
■2:カラダをゆるめてインナーマッスルを優位に
「以前の私のように、無理な筋トレを続けていると、アウターマッスルが優位になり、カラダがガチガチに縮んでいってしまいがちです。 ストレッチをしながら、ほぐしてゆるめると、インナーマッスルが働きやすい、縦に伸びたカラダへと変化すると村田先生から教えてもらってからは、ほぐすことを毎日意識するようになりました」(野崎さん)
そのほぐしメソッドをふたつ、教えてもらいました。 準備するものは、100円ショップなどで買えるテニスボールのみでOKです。
・腹斜筋をほぐす
腹斜筋は、骨盤を覆う筋肉で、カラダをひねる時に使う部分。日常生活であまり使わないため、固まって縮んでいる人が多いそう。
1.横向きに寝て、骨盤上部にボールを置きます。ボールにしっかり体重をかけます。
2.背中を伸ばして、下になった右側の手脚は一直線にしっかり伸ばします。上になった左脚を軽く曲げます。
3.あばら骨の下から、足のつけ根までボールをすべらせてほぐします。終わったら、反対側も同様に。左右各90秒ほぐしましょう。
・脊柱起立筋をほぐす
背骨の左右に分かれてついている筋肉で、腰から首にかけて背筋を支えている役目を担っているのが脊柱起立筋。固まりやすい、骨盤に近い部分を重点的にほぐすことがポイントです。
1.仰向けに寝て、背骨の骨盤に近い部分の脊柱起立筋の、まずは右側にボールを置きます。
2.背中をまっすぐに伸ばして、両ひざは軽く曲げて立てます。両手を上げ、ボールに体重をかけてください。ボールを置いた反対の左側のお尻は少し上がっていてもOKです。
3.背骨にそうように、ボールを上下にゆっくりと肩甲骨まですべらせて背中をほぐします。終わったら、反対側も同様に。左右各90秒ほぐしましょう。
「自分の体重で筋膜に圧をかけることが大事です。圧をかけたまま、カラダをゆっくりと動かしてストレッチすることで、硬く縮んだ筋膜の癒着を伸ばせます。
息を止めるとカラダに力が入ってインナーマッスルまで刺激が届かないので、痛くても呼吸を止めずにリラックスをした状態で、ゆっくり息を吐きながらほぐしてくださいね」(野崎さん)
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■3:横隔膜を使えるように深い呼吸を心がける
インナーマッスルを使えるカラダかどうかは、呼吸でわかるそうです。 深呼吸をしていても、胸の上部にばかり息が入る人は、横隔膜の上下運動が少なくて、浅い呼吸しかできていない可能性があります。
また、ウエストのインナーマッスルも使えていないので、くびれもなく、全体的にぽてーんとした下腹部になりがちです。
深い呼吸をするには、背中に空気を入れて大きくふくらませることがポイント。横隔膜は、肋骨の下にドーム状に胸側と背中側についているので、両方を意識して深い呼吸をするようにしてください。
「姿勢が悪かったり、背中や胸周りの柔軟性がなければ、横隔膜を正しく動かせられないんです。正しい姿勢を身につけて、カラダをほぐして、ぜひ深い呼吸を心がけてください」(野崎さん)
ちょっとのことで悩まない!心を健康に保つ方法
野崎さんは、メンタルケアとして、何か迷うことができたら、「自分のカラダと心が健康に保てているかどうか」を判断基準にしているそうです。
「『健康かどうか』ということを行動評価の基準にすると、自分にやさしくできるし、いらないものがわかってくるんです。『好きか嫌いか』という感覚よりも判断がブレないので、変なことで悩まなくなりますよ。
悩んでいると、先行きの見えない不安によって勝手に落ち込んだり、やってしまった過去に対して引きずっている感情があると思うんです。けれど、『今』じゃないことで悩んで心を病むことは、健康的じゃないって考えるようになりました」 (野崎さん)
とはいっても、時には落ち込むこともありますよね。そういう時、野崎さんは、自分の心の健康を保つために、落ち込んでも無理に“温度の違う”ことをしないようにしているそう。
「ストレスを発散するために、運動をしたり、ライブに行ったりなど、楽しいことで紛らわす方法も、もちろんいいと思います。
ですが、私は自分の温度を保つようにしていて、あえてその時の気分に合った映画を観たり、そんな気分の時にしか選ばないような音楽を聴いて過ごしてます。
私にとって、読書もとても大事。何度も読み返すくらい好きな本は、遠藤周作さんの『人生には何ひとつ無駄なものはない』ですね。最近おもしろかった本は、『天才たちの日課 女性編』。
ほかにも、アドラー心理学や糸井重里さんの本、白洲正子さんやイ・ランさんのエッセイなど、いい思考のヒントをくれる本が好きです」(野崎さん)
思考を停滞させていることも好きではなく、読書をして、いろんな価値観を自分に植えるようにしてるそうです。
最後に、野崎さんからメッセージをいただきました。
「私にとっての美は、肌とカラダと心が潤っていること。自分が満たされていないと、人にもやさしくできないはず。なので、しっかり自分と向き合って、ケアをすること、ケアをする余裕を持つことが大事だと思います。
肌にトラブルが多かった時は、マイナス思考になりがちでした。シンプルに自分にできることを頑張っていれば、肌もカラダもしなやかに健康になっていったので、自信を持つこともできます!」(野崎さん)
肌表面ばかりのケアでなく、カラダの内側から変えることも大事だったのですね。今日の生活からぜひ実践して、自分なりの美肌や美ボディをつくり上げてください。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 宮平なつき
- EDIT :
- 小林麻美