「秋波」ってなんのこと?イメージが違いすぎて要注意です!
本日10月8日から、2020年は二十四節気の「寒露(かんろ)」を迎え、暦(こよみ)は晩秋に入ります。
「寒露」とは、夜が長くなって草木に宿る露が冷たく感じる頃、という意味です。朝晩の冷え込みがきつくなる時期ですが、空気が澄んだ秋晴れの、過ごしやすい日が多くなるのも、この頃です。
…というところで、本日1問目のクイズです。
【問題1】「秋麗」ってなんと読む?
「秋麗」という日本語の「しゅうれい」以外の読み方をお答えください。
ヒント:「秋に、陽気がよく心地よいこと」という意味の日本語です。
<使用例>
「明日は秋麗になる予報だから、梨狩りに出かけてみない?」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 秋麗(あきうらら)です。
「麗」という字は「麗(うら)らか」とも読み、気候が良くのどかで気持ちの良い状態を表現します。
「秋麗(あきうらら/しゅうれい)」どちらの読み方でも、俳句の季語にもなっており、初秋・仲秋・晩秋を通して使える「三秋(さんしゅう)」の季語で、読み方は異なっても、一般名詞として指す意味は同じです。(良いイメージの言葉ですので、『秋麗(しゅうれい)』は梨や多肉植物の品種名に、『秋麗(あきうらら)』はアイドルグループ・モーニング娘。の楽曲タイトルなどに使用されています。)
さて、2問目も「秋」とつく熟語のクイズです。
【問題2】「秋波」ってなんのこと?
「秋波(しゅうは)」という日本語の意味として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:冷淡な視線
2:媚びた視線
3:温かな視線
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 2:媚びた視線 です。
「秋波」という言葉は、読んで字のごとく「秋のころの澄んだ波」を言う言葉ですが、
そこからまず派生したのが「澄んだ波のように涼しげな、美人の目元」という意味です。
さらに「美人の目元」から派生したのが「色目。流し目。媚びた目つき。」という妄想めいた発想(笑)で、
なぜか現在、この「色目。流し目。媚びた目つき。」が「秋波」の「秋の波」以外のもう一つの意味として定着してしまったのです。
ですので、ビジネスの場などでも「A社に秋波を送るように = A社には特に、気に入られるような提案や対応をするように」という意味で使われたりします。
美しく存在していただけなのに、紆余曲折の上で「媚びる」という意味に転化させられてしまった「秋の波」に、なんだか、申し訳なくなりますね。
本日は「秋」という漢字の入った、興味深い熟語
・秋麗(しゅうれい/あきうらら)
・秋波(しゅうは)
をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱