経済不況や老後への不安から、マンション購入を考えている方が増加しています。しかし実際にマンションを購入し、後悔するはめになっている女性も多いとか。

そこで今回は、宅地建物取引士で「一般社団法人 女性のための快適住まいづくり研究会」副代表の白石博美さんに、よくあるマンション購入後の失敗のうち、「マンションの費用面」に関する失敗と、費用の確認事項を教えていただきました。

マンション購入費用は住宅ローンだけでない!内訳をチェック

マンション購入費用の内訳1
マンション購入費用の内訳には何がある?

居住用のマンションの一室をマイホーム として購入するときには、どんな費用がかかるのでしょうか? まずはその内訳を押さえておきましょう。

  • ・登記費用
  • ・住宅ローン保証料、手数料
  • ・修繕積立基金(新築のみ)
  • ・管理準備金(新築のみ)
  • ・仲介手数料(中古のみ)
  • ・事務手数料
  • ・印紙代
  • ・火災保険(10年毎)
  • ・地震保険(5年毎)
  • ・固定資産税、都市計画税(毎年)
  • ・管理費・修繕積立金(毎月)
  • ・不動産取得税
  • ・引っ越し費用
  • ・クリーニング費用

マンション購入というと、住宅ローンのイメージが強いですが、その他、各手数料のほか、登記費用、管理費・修繕積立金、固定資産税などの税金などが発生するというのは、盲点になりがちです。

マンション購入の費用面で後悔した事例

マンション購入費用の内訳2
失敗から学ぼう

■1:すっかり忘れていた&知らなかった費用が発生した

  • ・不動産取得税や固定資産税・都市計画税を忘れていた。
  • ・中古マンションの仲介手数料が意外とかかった。
  • ・中古マンション購入後に大規模修繕の一時金を徴収されることが分かった。

■2:管理費や修繕積立金が思わぬ額だった

  • ・修繕積立金の額が購入時は低かったが、10年後に5倍になっていてびっくりした。
  • ・マンション内に駐車場が多く設置されていたが、利用者が少なく、管理費を多く徴収されることになった。
  • ・土地の権利が借地権であったため、土地の賃料や更新料の積立金が毎月のランニングコストに加わっていることに気付いた。また、定期借地権の場合、土地返却時にマンション解体費用がかかることを知った。
  • ・中古マンション購入後に、現金でリフォーム代も必要になった。

■3:どの業者を選ぶかで金額の違いがある

ローンを組む際、金融機関や窓口代理店によって費用が違った。

費用に関して事前に確認しておきたいこと

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費用に関する確認事項

これらの後悔をしないために、マンション購入費用に関して事前に確認しておきたいことを白石さんに伺いました。

「購入後かかる経費については、特に盲点になりがちなので、契約時にしっかりと確認しておくのをおすすめします。例えば修繕積立費の計画、固定資産税の概算をきちんと確認すること。何年後にいくらあがるか事前に知っておくことで、返済計画を立てやすくなります。

また、ローンの支払いだけでなく、管理費・修繕積立金などの毎月のランニングコストをしっかりと把握しておくことが重要です。プロに相談して事前にしっかり話を聞いて理解し、試算を行ったうえで購入に進みましょう」

修繕積立金に注意

「中古マンションの場合は、修繕積立金がいくら貯まっているかを見ておかないと、大規模修繕や建て替えのときに膨大な金額を請求されたり、管理組合が借り入れをし、その返済のために、管理費や修繕積立金が値上がりすることもあります。

マンションは購入後も、売ることや貸すことを想定すると、共有部分も資産の一部になるため、自分の専有部分だけではなく、駐車場がどのくらいあるのか、エレベーターは何基あるのか等、修繕積立金の割合が高くなる可能性があるものは確認した上で、一般的な標準も把握しておくと安心できます」

管理費や不動産取得税などの諸費用も忘れずに

「不動産取得税は、購入時の諸費用とは別に、取得後6ヶ月~1年で請求がくるので、別の口座に入れておくなりして用意が必要になります。

敷地内に自動販売機等、収益の出る施設設備があり、売り上げが一部管理費にあてられる場合もありますが、逆に見込んでいた収益が上がらない場合は、管理費が値上がる可能性があることも念頭に入れておく必要があります。管理費、修繕費の1戸あたりの負担が大きくなることがあるため、戸数が少なすぎる物件は避けたほうが良いですね。

また、管理費が安すぎる物件も要注意です。ずさんな管理でマンションの資産価値を下げる要因を引き起こす可能性があります。

中古マンションで検討している人はクリーニング費用も余分に準備しておく必要があります。また中古は仲介手数料がかかるため、多くの現金を動かすことができない場合は、新築のほうが良いかもしれません」

住宅ローンについて

「ローンの月々の支払いも大きなポイントですが、初期費用を抑える方法があるか、金融機関などの担当者に聞きましょう。また、手数料など一時的に支払う費用は安くなる方法がないかも聞くか、調べるほうがいいと思います。ただし、ネットの情報は真実かどうかの判断が難しいので、信頼できる不動産会社などの担当者や女性のための快適住まいづくり研究会へ相談することをおすすめします」


マンション購入は大きな買い物になり、毎月の支払いにかかわってくるものです。また、何年後かに負担が大きくなるケースもあります。マンション購入時によく計画しておくことが、その後の生活の満足度を上げる結果となります。ぜひ参考にしましょう。

白石 博美さん
「一般社団法人 女性のための快適住まいづくり研究会」副代表
(しらいし・ひろみ)宅地建物取引士、ライフスタイルコーディネーターとして、代表の小島ひろ美の研究会設立の理念にそって活動。1991年に設立した「女性のための快適住まいづくり研究会」の「女性のためのかしこいマンション購入術講座」で講師を務める傍ら、20歳代~70歳代の幅広い年代の女性たちのマンション購入に関する相談にのり、会員に寄り添ったライフスタイル・プランニングの活動などを行う。ホームページ

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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、原田恵子(イクシアネクスト)
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