秋ならではの楽しみのひとつが、紅葉狩りです。そこで当記事では、2020年の紅葉の見頃はいつ頃かをチェックしてみました。また、紅葉とはどんな現象なのか、なぜ木々は紅葉するのかなど、紅葉のメカニズムについて解説。さらに、2020年の紅葉前線の特徴と、全国の紅葉の見頃予測をご紹介しましょう。加えて、東京、日光、京都など、紅葉の名所がたくさんあるエリアの見頃時期や、時期からわかるおすすめ紅葉地域についても見ていきましょう。

■紅葉の見頃、2020年はいつ頃から?

紅葉の見頃、2020年はいつ頃から?
紅葉の見頃、2020年はいつ頃から?

朝晩に肌寒さを感じて、秋が深まってくると、公園や神社などにある木々が色づき始めてきます。赤色や黄色に山野が染まる紅葉は、1年に1度、この時期にしか見られない景色です。

当記事では、2020年の紅葉を楽しむために役立つ情報をご紹介していきます。2020年の紅葉の見頃をチェックする前に、まずは紅葉について解説していきましょう。

■紅葉とは

秋になって、木の葉が緑色から色づくことを「紅葉」と言います。 

紅葉の種類

木々の葉が赤色に変わることを「紅葉(こうよう)」、黄色に変わることを「黄葉(こうよう、おうよう)」、褐色に変わることを「褐葉(かつよう)」と呼びます。しかし木の生育環境や個体差によって、赤や黄色など違いがあることから、総称として「紅葉」という言葉が使われています。

紅葉前線とは

日本各地で紅葉が見られる場所と時期を線状に結ぶと、北から南下していきます。これを「紅葉前線(こうようぜんせん、もみじぜんせん)」と言います。まず北海道の大雪山系で9月頃に紅葉が始まり、東北、関東、九州へと、前線は約1か月ほどの時間をかけて南に移動していきます。

紅葉は秋の季語

「紅葉」は秋に見られる自然現象であり、俳句や連句で秋を表す季語として使われています。また時候の挨拶でも、秋には「紅葉」を用いた挨拶文が使われています。季語や時候の挨拶での「紅葉」の使い方については、こちらをご参照ください。

秋を表す季語「紅葉」を使うのはいつからいつまで?意味や種類、使い方や、時候の挨拶の例文をチェック>>

■なぜ紅葉するの?

紅葉は、主に落葉広葉樹で、葉が落ちる前に起こります。葉の緑色はクロロフィル(葉緑素)によるもので、気温が低くなり日照時間が短くなると、このクロロフィルが分解されていきます。

すると、葉には水溶性の糖類やアミノ酸類が蓄積し、その糖が光合成によって新たな色素を作っていくようになります。これが紅葉のメカニズムです。

紅葉

葉が紅く染まるのは、アントシアニンという色素によるもの。もともとアントシアニンは葉には存在せず、秋に蓄積したブドウ糖やショ糖の影響で発生します。カエデ科(モミジ)、ツツジ科などによく見られます。

黄葉

葉が黄色に染まる場合は、若葉の頃から含まれているカルテノイドが原因。秋にクロロフィルが分解することで、カルテノイドによる黄色が目立つようになっていきます。イチョウやポプラはアントシアニンを作らないため、紅くならず黄色に変わっていきます。

褐葉

タンニン性の物質が葉に含まれていると、褐色に変わっていきます。ナラ科(コナラ、アベマキ)、スギ科などが褐色になります。

■2020年の紅葉前線の特徴

最低気温が8度以下になると紅葉が進み、特に昼夜の気温差が大きく、きれいな空気と適度な水分があると、紅葉が美しい状態で進みやすくなります。2020年については、適度な日照時間と降雨量、気温低下が予想されており、例年と同じ時期に各地の紅葉が見頃を迎えると予想されています。

紅葉前線をチェックして紅葉狩りへ行こう

紅葉前線を確認したら、ぜひ近くの紅葉のスポットにお出かけしませんか。日本には全国各地に紅葉狩りの名所がたくさんありますから、時期にあわせて自然が作る圧巻の景色を眺めてはいかがでしょう。 

紅葉狩りの「狩り」って何?意味や起源、歴史から、2020年に訪れたい全国の紅葉狩りのおすすめ名所まで>>

■2020年の地域別・紅葉の見頃とおすすめの紅葉スポット

北海道・東北から、関東・甲信越・北陸・東海・関西・中国・四国・九州まで、2020年の紅葉の見頃の時期についてチェックしてみましょう。

北海道の見頃

例年、早いところは9月中旬頃から始まる、北海道の紅葉。大雪山系で9月下旬に葉の色づきが始まっており、10月中旬頃には広い範囲で紅葉が見頃になると見られています。

北海道の紅葉スポット

札幌市から車で1時間程度でアクセスできる定山渓温泉は、10月中旬から10月下旬に見頃を迎えそう。また北海道でも南部の函館に近い大沼公園では、10月中旬から11月初め頃まで紅葉を楽しめそうです。

東北の見頃

9月上旬から中頃は気温が高めだった東北地方ですが、9月下旬には一気に冷え込みが進んだことで例年並みに紅葉の見頃を迎えると見られています。見頃の時期は、10月下旬から11月上旬。

東北の紅葉スポット

青森県と秋田県の県境にある十和田湖では10月下旬から、秋田県の田沢湖高原の紅葉は10月中旬から下旬に美しく見られるでしょう。

関東の見頃

関東地方では、9月と10月に朝晩の冷え込みがあまりなかったため、標高の高い地域では例年より紅葉が遅くなる見込み。各地で紅葉が見頃を迎えるのは、11月中旬から下旬になると予想されます。

関東の紅葉スポット

栃木県のいろは坂は、関東地方でも早く色づき始め10月下旬に見頃になる予想。そのほか、神奈川県の芦ノ湖は11月中旬頃に最適になるでしょう。

甲信越の見頃

例年、10月中旬から11月上旬頃に紅葉の見頃を迎える甲信越。2020年についても同じくらいの時期に、美しい紅葉を眺められるでしょう。

甲信越の紅葉スポット

新潟県の苗場ドラゴンドラの紅葉は10月中旬から11月上旬に、山梨県の河口湖では11月上旬から下旬頃に見頃となる予想です。

北陸の見頃

11月中旬頃に紅葉の見頃となる北陸では、2020年も同様に11月中頃が、紅葉狩りに最適なシーズンとなりそうです。

北陸の紅葉スポット

富山県の黒部川近くにある黒部峡谷は、日本でも有数の紅葉のスポット。10月下旬から色づき始め、11月中旬頃まで紅葉を楽しめます。

東海の見頃

愛知県、三重県などの東海地方では、10月下旬から11月下旬頃に紅葉の見頃になると予想されています。

東海の紅葉スポット

伊勢神宮の紅葉は11月下旬頃から始まり、12月上旬まで楽しめる見込み。名古屋城を眺める名城公園では11月中旬から11月下旬頃に見頃となる予想です。

関西の見頃

関西地方では、10月の平均気温が高くなる予想で、紅葉の見頃は例年よりやや遅れる可能性がありそうです。ただ11月以降は平年並みとなる予想なので、11月の紅葉の時期は例年通りとなる見込みです。

関西の紅葉スポット

大阪城公園の紅葉は11月上旬から12月上旬、奈良公園も同じ頃に見頃となりそうです。

中国の見頃

中国地方は、標高が高い山では例年通り10月中旬から10月下旬に見頃を迎えますが、そのほかの地域では例年よりやや遅れる可能性があることが見込まれています。

中国の紅葉スポット

山口県の長門峡は11月上旬から中旬、広島県のひろしま遊学の森の紅葉は、10月下旬から11月中旬になるでしょう。

四国の見頃

10月になってから朝晩の冷え込みが進み、木々の色づきが早まっている四国地方。例年と同じ時期に各地の紅葉が見頃を迎えそうです。

四国の紅葉スポット

高知県の天狗高原は10月中旬から下旬、愛媛県の石鎚山は10月上旬から下旬に見頃を迎える見込みです。

九州の見頃

10月の気温がやや高くなる予想の九州地方では、標高が高い地域では紅葉がやや遅れる可能性があります。それ以外の地域では、10月下旬から11月下旬と例年並みの時期に見頃を迎えそうです。

九州の紅葉スポット

大分県くじゅう連山は10月下旬から11月中旬、長崎県の雲仙も同じ時期に見頃となる予想です。

■人気紅葉スポットの2020年の見頃をピンポイントでチェック

人気紅葉スポットの2020年の見頃をピンポイントでチェック
人気紅葉スポットの2020年の見頃をピンポイントでチェック

東京、日光、京都は、特に紅葉の名所が数多くある場所。そこで、これらのスポットの2020年の見頃時期がいつになるか調べてみましょう。

東京の見頃

東京では平年並みの11月に各地の紅葉が見頃となりそう。

東京の紅葉スポット

日比谷公園、明治神宮外苑、新宿御苑、上野恩賜公園、代々木公園などは11月中旬から12月上旬頃に、郊外にある国営昭和記念公園や高尾山は11月上旬から下旬頃に見頃となる見込みです。

日光の見頃

山々に囲まれ、都心からもアクセスしやすい日光は紅葉の名所がいっぱい。2020年は例年通り10月下旬から11月下旬頃に見頃となる予想です。

日光の紅葉スポット

中禅寺湖やいろは坂、龍王峡などが10月下旬頃から色づき始めます。

京都の見頃

多くの寺がある京都では、紅葉が美しい季節はさらに多くの人が訪れるようになります。2020年の時期は11月中旬から12月中旬になる予定です。

京都の紅葉スポット

清水寺、貴船神社、東寺など、11月上旬から下旬頃に見頃を迎えそうです。

■2020年の紅葉の見頃時期から地域をチェック

ここでは、時期から紅葉の見頃を迎える地域を探してみましょう。

10月に見頃を迎える地域

10月前半には北海道の標高の高い地域で紅葉が始まり、10月後半になると北海道各地や東北地方の一部で紅葉が始まります。

11月に見頃を迎える地域

11月前半に見頃を迎えるのは、関東地方の寒い地域。11月後半には東京都心も含め関東地方の広い範囲で紅葉が見頃となるでしょう。ほとんどの地域が11月には紅葉のピークを迎え、北陸、東海、関西も11月に見頃になります。

12月に見頃を迎える地域

12月に入っても紅葉を楽しめるのは、関東や東京などの都心部、西日本の一部です。12月中旬を過ぎれば、それらも終わり、紅葉のシーズンは終了します。

紅葉の見頃を逃さないで

その年の気候によって、紅葉の進み具合は変わるもの。例年通りと予想されていても、急激に冷え込んで一気に色づきが進んだり、その逆もあったりします。10月から12月上旬まではこまめに気象情報を確認するなどして、お目当てのスポットが見頃になる時期をぜひ逃さないようにしたいですね。 

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