はじめまして、ドバイ在住のドゥ・スイロ辛島慶子と申します。
以前はフランスに住んでいたのですが、「夫の長くて2~3年」の言葉を信じ、持ち物の半分以上をフランスに残してドバイ生活をスタートさせました。ところが私のほうがそんなドバイにすっかり恋をしてしまい、気づけばドバイに暮らし、早15年が過ぎていました。
海側から眺めるドバイの街は、椰子の木の背後に摩天楼がある景色が広がります。まさにシュールレアリズムの世界です。日々進化するこのミックスカルチャーの街の素敵なスポットを日本の皆様に紹介したく、ペンを取らせていただくことになりました。
初回は、宗教的理由でお酒を飲まないアラブ人が大好きな「チョコレート事情」についてお話ししたいと思います。ドバイには「チョコレートの広場」があるんです。
■ドバイには高級チョコレート・ブティック街がある


一歩足を踏み入れると、そこはまるでショコラのヴァンドーム広場。ここドバイのシティウォーク内にある「ブティックショコラ(Boutique Le Chocolat)」には、世界中から厳選されたおよそ30種類のショコラのメゾン(Fabrice Gillotte, Hugo&Victor, Sadaharu Aoki, Berrachon, Chapon, Du Rhon、Roberto Cavalli やBVLGALIまで!)が、まるで宝石店のように並んでいます。

ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、トリュフのチョコレート、生チョコレートなどありとあらゆる種類のショコラが、まるでルビーやサファイアやエメラルドのようにショーケースに収められています。
フランスを筆頭にイタリア、ベルギー、スイス、イギリス、アメリカ、デンマーク、日本、クロアチアからの個性豊かなショコラがここまで一同に会する場所は、世界でも稀なのではないでしょうか(とにかくドバイは世界一が好きなのです!)。

数百年前に初めてつくられて以来、進化の一途を辿っているショコラ。最近ではオーガニック、デイリーフリーやグルテンフリー、シュガーフリーはもちろん100%カカオのショコラ、ある地域で採れるカカオだけでつくられたショコラ…例えばマダガスカル産のカカオだけでつくられた、生産枚数限定のショコラもあります。そして柚子を始め、世界中のありとあらゆる素材とショコラが融合し、競演をしています。口の中で複数の風味が奏でるメロディ。ショコラは知れば知るほどに、本当に奥深いスイーツ。ドバイだけでなく、世界中で飽くなき探求が続けられていますが、ここではその最先端を見ることができるのです。

■ドバイは「チョコレートのオートクチュール」が盛んです
世界中から集められたデザイン性の高いチョコレートを見るだけでも、心踊ります。ミニマリズムに徹した潔い形、カボションカットの貴石にも似た優雅なカット、天使の涙のような可憐な形などなど、まさに職人芸。ショコラは存在そのものがすでに、芸術の域に達していると言っていいのではないでしょうか。
また、ここブティックショコラでは、さまざまなチョコレートのオーダーをすることが可能です。気軽なものからご紹介いたしますと、チョコレートの種類とラッピングを選ぶと、パティシエールが目の前で、それもたったの20分でつくってくれるのが、こちらの板チョコレート。

これは序の口で、チョコレートのドレスや、大きさも形もバッグや靴そのものな大型チョコレート、白いバラを模したチョコレートのネックレスなど、自分のアイディアを形にした大型のチョコレートをオーダーすることも可能なのです。まさにショコラのオートクチュール!


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ホワイトチョコレートのドレス(こちらは非売品でした)
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バッグや靴、ジュエリーのオーダーチョコレートの価格表。バッグ195-795ディルハム、靴375ディルハム、ジュエリー(小)125、(大)250ディルハム
手袋をした品のいい売り子さんが、うやうやしく出してくれるショコラは、まるで宝石のよう。それはそれは美しい箱に、お気に入りのショコラを詰めてもらうだけで、胸が高鳴ります。宝石箱のような箱を開け、美しいショコラを発見した瞬間、誰もが笑みを禁じ得ないのではないでしょうか。
ドバイを旅行で訪れた際には、誰にどんなショコラを贈ろうかを考えつつ、自分でも味わいながらこの「チョコレート街道」を散策してみることをおすすめいたします。

問い合わせ先
- Boutique Le CHOCOLAT City Walk TEL:971 4 5905075
- Al Wasl and Al Safa road junction, Sheikh Zayd road 出口D71
日〜木/10:00AM-10:00PM、金/10:00AM-12:00

- TEXT :
- de Suyrot辛島慶子さん ドバイ在住マダム