青島(愛媛県大洲市)は、瀬戸内海に浮かぶ面積0.49平方キロメートルほどの小さな島。2017年9月現在、15人の島民と約140匹の猫が暮らしているといわれています。
今から4年ほど前、ある写真家が青島の猫たちを写真集で紹介して以来、島を訪れる観光客の数はゼロから一気に増加。現在では日本だけでなく、アジア、アメリカ、ヨーロッパなど、世界各地から観光客が訪れるほどになっています。
また、かつての猫たちはお腹をすかせ、粗暴になることもありましたが、全国から届けられる支援のおかげで朝と夕、充分にエサが与えられるようになりました。その結果、猫たちの毛並みがよくなり、マナーも向上しています。そんな青島の猫たちの様子を、10枚の写真で紹介します。
テーマは、「子猫への愛が伝わってくる親子猫の写真」。解説は、SNSを通じて青島の猫たちの魅力を紹介されている、『猫の楽園の島 青島』シリーズの著者・小野一幸さんにしていただきました。これが世界中の観光客を魅了してやまない、猫たちの日常です。
■1:のんびりお乳タイム
ここは、観光客が自由に猫たちにエサを与えることが許されている「エサ場」です。観光客からごはん(キャットフード)をもらって食べています。
昼間は賑わっていますが、観光客が夕方の船で帰ってしまうと、人影がなくなり辺りはひっそり。誰もいなくなったエサ場で授乳タイムです。
■2:こわかった~!
生まれて初めて母親から離れ、エサ場を目指してやってきた子猫。その途中、大人の猫に何度も道をふさがれ、いじわるをされます。くじけそうになりましたが、母親が後ろからついてきて助けてくれたので、思わず抱きついてしまった子猫なのでした。
■3:気持ちいい♪
子猫の顔をぺろぺろなめるお母さん。子猫の顔をなめるのは、愛情表現だけではありません。子猫の皮膚や被毛が刺激を受けて、血行がよくなり、新陳代謝がアップするのです。
■4:助けて~!
島民のルーツ(先祖は兵庫県赤穂市出身)にちなんだ「赤穂浪士」の盆踊りの衣裳や、小道具が収められた倉庫。猫が入らないよう、入口にネットがかけられていましたが、子猫たちは遊んでいるうちに中に入ってしまいました。外に出ることができずに困っている子猫たちに、母親が心配して声をかけています。
■5:共同で子育て
残暑でぐったり、子猫たちはお乳を飲み、お母さんはそのまま眠ってしまいました。青島の母親猫は、自分が産んだ猫以外の子猫にもお乳を与えます。島猫や野良猫の世界でも見られる、共同子育ての現象です。
■6:家族そろってお昼寝
夏真っ盛り。風が気持ちよく吹き抜ける日陰で昼寝をしています。暑い日中は、島のほとんどの猫たちが涼しい場所でお昼寝です。子猫たちもお乳を飲みながらいつの間にか寝てしまいます。青島は猫の天敵であるカラス、トビ、犬、自動車がまったくいないのです。
■7:お母さんをひとりじめ
日陰で涼んでいるお母さんのところに、子猫がやってきて甘え始めました。普段は、母親猫に子猫数匹が集まってきますが、この時は1匹だけ。お母さんの愛情をひとりじめです。
■8:エサ場デビュー
エサ場の近くまでやってきた母親猫と子猫たち。観光客と猫たちとのごはんのやり取りを、興味津々で見ています。お母さん猫と子猫が頬ずりをしています。
■9:まだお乳飲みたい!
子猫たちにお乳をあげていたお母さんですが、ふと立ち上がり、水を飲みに歩き出しました。でも子猫たちはまだ未練たっぷり。歩きながらもお乳を飲み続けています。
■10:道路の真ん中でグッスリ
道路の真ん中で、親子で寝ています。そばにお母さんがいるので子猫は安心して寝ています。青島では道路で猫が寝ていても、島の人や観光客は猫を起こさないようによけて歩くのです。
道の真ん中で猫が熟睡できる島は、ほかにはないでしょう。リラックスした姿に心がなごみますね。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- Kumi
- WRITING :
- 小野寺るりこ