墨田区錦糸町。飲み屋だけにとどまらず、サウナや場外馬券売場といった男が好む施設が数多くある。さらにパルコをはじめとするファッションビルも建ち並び、東東京を代表する繁華街だ。
場外馬券売場があり、飲み屋が密集する錦糸町駅南口を出て首都高7号線のほうへ向かう。首都高の手前で、突如キャッチーなサインが現れた。
YouTube配信を行うスナックに初遭遇
『スナックズンコ』というユニークな店名が記された看板に反して、扉には会員制と掲げられている。恐る恐る扉を開くと、そこには今までに訪れた店にはない光景が広がっていた。
カウンターの中に立つズンコママを主役に、動画配信を行っていたのだ。
『スナックズンコ』は、競馬サークルズンコが出発点。YouTubeチャンネル『スナックズンコちゃんねる』などで競馬に関する動画を配信するなどしてズンコママと会員がコミュニケーションを深めている。そして会員同士が実際に交流できる場を、と2020年9月にオープンしたのが今回訪れた『スナックズンコ』のリアル店舗だ。
その『スナックズンコ』をまとめているのが、元ジョッキーで現在はホースコラボレーターとして活躍している細江純子さん扮するズンコママである(ズンコママは細江さんの幼なじみという設定)。
この日は世紀の一戦として大きな話題になったジャパンカップ2020の前夜。ズンコママから語られる馬の仕上がりやジョッキーの情報を元に、進行役を務めるユメちゃんなどのスタッフ、居合わせた客、随時書き込まれる会員のコメントを巻き込んでの予想大会が始まった。
予想している時のズンコママの表情はキリっとしているが、時折放たれる下ネタの時は笑顔。そのギャップがいい。
楽しいプログラムにしたいとのズンコママの熱意が伝わってくる配信は、1時間ほどがあっという間にすぎた。
競馬好きという共通項があるから、性別や肩書関係なく楽しめる
配信を終えてズンコママは接客へ。予約制の『スナックズンコ』で、この日いたのは若い女性二人グループ。
競馬ファンは男性が多いイメージが強かったが、最近では競馬に親しむ女性、通称UMAJO(ウマジョ)も増えているそうだ。もちろん、ここでも話題は競馬のこと。
「馬は話さないので、人間がいろいろと予想ができるのが競馬の楽しみ。彼女たちは競馬を始めて数年ですが、『そういった見方もできるんだ』って発見があります。おしゃべりしていても参考になりますね」
とズンコママは話す。
さすがズンコママ、あちこちからお呼びがかかる。例えその場にズンコママがいなくとも、競馬好きという共通項があるおかげか、初対面同士でもあちこちで会話に花が咲いている様子が印象的だ。
「お互い自己紹介せず、好きな馬やジョッキーを伝えるだけで会話が盛り上がります。この店をオープンさせた目的が叶った感じがしてうれしい!」
なぜズンコママがリアルスナックを開店させたのか、など後編ではもう少し『スナックズンコ』について詳しく見ていこう。
【スナックズンコ】
問い合わせ先
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スナックズンコ TEL:tel:03-6240-2142
住所/東京都墨田区江東橋4-6-15 YSビル1F
営業時間/水・木・金曜18:00〜22:00、土・日曜12:00〜22:00
定休日/月・火曜(競馬開催日の月曜は12:00〜営業、翌火・水曜が定休日)
メニュー/2時間飲み放題の通常セットメニュー 会員¥3,000、一般¥5,000、競馬開催の土・日曜限定セットメニュー12〜17時5時間飲み放題 会員¥5,000、一般¥7,000(金宮焼酎、サントリー角、梅酒、水、緑茶無料、ソーダ1本¥500)
ビール¥1,000、焼酎ボトル¥5,000、ウイスキーボトル¥10,000〜、ワイン¥5,000〜、シャンパン¥18,000〜
※会員制ですが、競馬開催の土・日曜は一般開放しています。
※平日の一般での来店は要問い合わせ。
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- TEXT :
- 津島千佳 ライター・エディター
- PHOTO :
- 小倉雄一郎(小学館)