コンセプチュアルな店であれば、内装や飲食物など目につく部分からスタッフのホスピタリティまで、その意識を通底してほしいものだ。その点、『スナックズンコ』はズンコママがそのテーマを体現している、コンセプトスナックの見本のような店だ。

店内の至るところに競馬にまつわるグッズが

初めて動画配信の場に立ち会ったことに静かな興奮を覚えていたが、改めて店内を見回すと内装は赤いベロアのソファが並ぶ正調スナックで落ち着く。

カウンター3席、4つのテーブルが置かれている清潔感のある店内
カウンター3席、4つのテーブルが置かれている清潔感のある店内

テーマパークのような店を目指し、店内には競馬好きにはたまらない歴史的一戦の記念馬券なども飾られている。

バックバーにも競馬に関するグッズが飾られている
バックバーにも競馬に関するグッズが飾られている

基本的はセットメニューだが、ボトルでの注文もできる。特にズンコママおすすめが、『ダークホース』という名のワイン。

ワイン_1
『ダークホース』はズンコママも好きなワインのため、営業中も愛飲

「最初は名前が気になって試飲したら味も抜群で。『スナックズンコ』のハウスワインにしていますね」

ズンコママも杯を重ねていた『ダークホース』は、赤ワインはタンニンを感じる深い味わいながらコクのあるカラメルの香り、白ワインは酸味よりもまろやかさが勝ち、確かにどちらも飲みやすい。

みんなで競馬を応援する、スポーツバーのような店を目指す

ワイン_2
『ダークホース』の白をズンコママがグラスに注いでくれた

ズンコママがこの店を開いた理由を尋ねた。

「騎手時代に香港遠征した際、レース後に騎手や調教師、記者、ファンが立場の垣根なく飲んでいる場面に遭遇しました。その様子がすごくいいな、と思って。スポーツバーのようにみんなで競馬を応援できる場を作りたかったからですね」

競馬には予想がつきものだが、予想が違って言い合いになるようなことはないと話す。

店内ではオリジナルグッズも販売している。このグラスは¥1,000
店内ではオリジナルグッズも販売している。このグラスは¥1,000

「予想は誰が正しいとか、間違っているということではないと思うんです。いろんな人がいろんな視点を持ち寄ることで深さが出て、おもしろさが増す。みんなで楽しく話せる場にしたいんです」

ズンコママにこんなポリシーがあるから、店内には常に温かな空気が流れているのだろう。

「それに日本の競馬ファンは品がいい! だからリアルスナックをオープンしても大丈夫という自信がありました」

常に笑顔を絶やさなかったズンコママ。この人柄なら、ますます多くのゲストを惹きつけるだろう
常に笑顔を絶やさなかったズンコママ。この人柄なら、ますます多くのゲストを惹きつけるだろう

いずれは競馬ファン以外にも利用してもらえる店にするため、今もゲストの満足度を高めるサービスを考えていると言う。

コロナ禍の影響でズンコママが出勤するのは不定期だが、できるだけリモートで接客を行っている。競馬ビギナーであれば、まずはG1などのビッグレースの時にサッカーのワールドカップのようにみんなで観戦して盛り上がってはどうだろうか。

【スナックズンコ】

問い合わせ先

  • スナックズンコ TEL:tel:03-6240-2142
    住所/東京都墨田区江東橋4-6-15 YSビル1F
    営業時間/水・木・金曜18:00〜22:00、土・日曜12:00〜22:00
    定休日/月・火曜(競馬開催日の月曜は12:00〜営業、翌火・水曜が定休日)
    メニュー/2時間飲み放題の通常セットメニュー 会員¥3,000、一般¥5,000、競馬開催の土・日曜限定セットメニュー12〜17時5時間飲み放題 会員¥5,000、一般¥7,000(金宮焼酎、サントリー角、梅酒、水、緑茶無料、ソーダ1本¥500)
    ビール¥1,000、焼酎ボトル¥5,000、ウイスキーボトル¥10,000〜、ワイン¥5,000〜、シャンパン¥18,000〜
    ※会員制ですが、競馬開催の土・日曜は一般開放しています。
    ※平日の一般での来店は要問い合わせ。

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この記事の執筆者
フリーランスのライター・エディターとして10年以上に渡って女性誌を中心に活躍。MEN'S Preciousでは女性ならではの視点で現代紳士に必要なライフスタイルや、アイテムを提案する。
PHOTO :
小倉雄一郎(小学館)