ヘアスタイルがキマらない、ボリュームが出ない、白髪が気になるなど、髪の悩みが尽きない大人世代。髪型やシャンプーなどを替えても、思うような効果が実感できないのは、髪の根本である「頭皮」に対して効果的なケアができていないからではないでしょうか?

今、私たちに起こっている髪や肌の老化のほとんどは頭皮ケアで改善できるといっても、実は過言ではありません。

頭皮ケアの基本は、顔と同じく、きちんと「汚れを落とすこと」、そして頭皮にエッセンスで「栄養を与え」「血流を促す」こと。この3つが行えていると、髪はよみがえり、顔はリフトアップし、全体的に若返って見えます。

そこで今回は、ヘッドスパ スペシャリスト・大友麻莉子さんに「シャンプー法」を伝授していただきました。

大友 麻莉子さん
uka 東京ミッドタウン 六本木店 ヘッドスパ スペシャリスト
(おおとも まりこ)ukaで頭皮について語らせたらNo.1のヘッドスパのセラピスト。頭皮の基本的な知識はもちろん、頭皮や髪のトラブルを予防するシャンプー法やケア法などで幅広い知識をもっている。

頭皮に優しく、でもきちんと汚れを落とすことが大前提

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「毛穴の汚れが取りきれず、頭皮のベタつきが気になって、どんどん脱脂力の強いシャンプーに替えがち。結果、頭皮の乾燥を招いています」

実は、頭皮はすごく乾燥していた!?

「Tゾーンと同様に、頭皮の皮脂分泌量も30代後半から減少していきます。ですが、Tゾーンに比べると、頭皮は皮脂腺が多く、2~3倍の量が分泌されています。

しかも、更年期の年代に入ると、ホルモンバランスが崩れることで汗を大量にかいたり、皮脂の量が増えて質が変わったりというイレギュラーな事態とも相まって、頭皮の状態は不安定に。

さらに、頭皮はお顔のようにスキンケアをされていない方が多いので、洗いっぱなしの状態。そのため頭皮はとても乾燥し、自ら潤そうとして、より皮脂を分泌するようになってしまい、頭皮がベタつく状態に。

ですが、ベタつきがとれないと思い込んで、脱脂力の強いシャンプーに替えてしまわれる方が多く、悪循環になっているのです」(大友さん)

頭皮の乾燥がもたらす脅威は薄毛、うねり

「頭皮が乾燥すると、皮膚が硬くなって弾力を失ってしまうので、毛穴は開きっぱなしになるうえ、たるんでいきます。すると、抜け毛が増えたり、うねりが強く出てきたり…。

また、頭皮が硬くなるということは血流も悪い状態なので、新鮮な酸素や栄養素が運ばれなくなり、新しい健康な毛髪が生えてきにくい状況をつくり出してしまいます」と大友さん。

そんな悪循環に入ってしまう前に基本を見直してと言います。

「頭皮の汚れは日々たまっていくものなので、落としきれないとそのぶん蓄積されてしまいます。基本的には毎日、シャンプー前のブラッシング、予洗いをしっかり行い、洗います。毎日落とせるようになれば、脱脂力が強いシャンプーでなくても、ベタつきはなくなります」(大友さん)

頭皮の毛穴汚れは、意外と落ちていない!

毛穴の汚れがキレイに落ちている状態。(資料提供:uka Tokyo head office)
毛穴の汚れがキレイに落ちている状態。(資料提供:uka Tokyo head office)

シャンプー前のブラッシング、予洗い、正しい洗い方を実践すると、毛穴の汚れはきちんと落ちる。写真は、実際に正しいプロセスで落としたときの状態。キレイに落とせていると青白い理想的な頭皮の色に。

毛穴に皮脂などが詰まった状態。(資料提供:uka Tokyo head office)
毛穴に皮脂などが詰まった状態。(資料提供:uka Tokyo head office)

毎日シャンプーを行っていても、頭皮まで洗えていない場合が多く、写真のように毛穴に皮脂などが詰まっていることが。取りきれないと、この詰まりは蓄積され、より取り去りにくくなっていく。

その日の毛穴汚れがきちんと落とせる。「パーフェクトなシャンプー法」6ステップ

1. 目の粗いブラシで、まずはブラッシング

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「髪を起こして汚れをかき出す、とても大切なプロセスです」

目が粗く、クッション性のあるバドルブラシなどを用い、まず毛先の絡まりをとる。次にポニーテールを結うように髪の根元から頭頂部に向かってブラッシングしていく。ブラシの先端を頭皮に当てながら動かすのがポイントに。

おすすめのヘアブラシは…

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ループ状のピンで毛穴の汚れがしっかりかき出せるのに、頭皮への負担なし。アヴェダプラマサナ エクスフォリエイティング スカルプ ブラシ ¥4,500

2. 地肌にシャワーを当て、内側までしっかり予洗い

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「予洗いだけでも汚れの7〜8割が落とせているんです」

頭上からシャワーをかけるだけだと、髪の表面しか濡れず、内側まで濡れていないことが。そのため、髪の上部を持ち上げてハーフアップのようにしたりと、髪を分けながら、シャワーヘッドを頭皮に当てつつ濡らしていく。左右の耳上をつなぐ後頭部は髪の密度が高く、毛穴が詰まりやすいのでよく濡らして。

3. 洗うべきは髪ではなく、頭皮

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「実は、シャンプでー落としているのは2〜3割の汚れなのです」

適量のシャンプーを手のひらにとって泡立ててから、指の腹を使って、頭皮をもむように洗っていく。シャンプーの汚れを落とす成分は頭皮への負担になりやすいので、頭皮を洗う時間は1分以内にし、まんべんなく洗うのがコツ。

毛先を泡立てネット代わりに

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手のひらで泡立てたシャンプーは、まず毛先につけ、毛先を泡立てネット代わりにし、さらに泡をつくる。その泡を頭皮にのせ、指の腹で洗っていく。

4. 「もう十分」と感じた、さらに1分長めに流して

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「洗い残しが多いので、上・下・横と全方位から流すのが鉄則」

予洗いと同様に、頭上からシャワーをかけるだけだと洗い残しが出やすくなるため、上からだけでなく、下や横など、シャワーヘッドをいろいろな向きから当て、よく流す。1~2分が目安だけれど、いつもの感覚よりも必ず長く流すようにすると間違いない。

5. トリートメントは、「ツルツル」感触までなじませる

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「トリートメントを置く際に、頭頂部にお団子にしてしまうと逆効果に!」

トリートメントやコンディショナーは髪の中間から毛先に向かってつけていく。頭皮についてしまうと、毛穴の詰まりにつながってしまうので、つける場所は必ず守って。また、一定方向に指の腹で繰り返しなじませ、髪表面がツルツルになるまで塗り込むのが正解。

6. 分け目をつくり、地肌から乾かしていく

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「地肌がしっかり乾いているかを、最後に必ず指を入れて確認を」

シャンプー後はキューティクルが開いているので、すぐに乾かすのが鉄則。乾かすときは、頭皮&髪の根元から乾かしていく。分け目をつくりながらドライヤーの風を当てると乾かしやすい。頭皮や根元が乾いていないと、雑菌が繁殖しやすくなり、ニオイの原因に。


いかがでしたでしょうか? 次回は、「頭皮ケアアイテム11選」をご紹介します。お楽しみに!

※掲載した商品は税抜です。

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