2017年現在、国宝に指定されている美術工芸品は885件(2017年新たに指定される作品を含む)。そのうち約4分の1にあたる、全210件の国宝が京都国立博物館に集結しているとあって、アートを愛する大人の女性から「これを観るために京都に行かなくては…」という声も聴こえてきている「国宝展」。

通常では数年、数十年に一度、出合えるかどうかの貴重な国宝たちを一度に観られるまたとない機会です。10月14日時点で来場者が10万人を突破したという本展。Precious.jpでは、その魅力を存分に堪能していただくために、実際の会場の「順路」をご紹介します。

■12人のスペシャリストが手がける、贅沢な展示空間の見どころ

京都国立博物館には、考古、彫刻、絵画(仏画、絵巻物・肖像画、中世絵画、近世絵画、中国絵画)、書跡、染織、金工、漆工、陶磁と、12ジャンルを支える研究員がいます。

このスペシャリスト12人の手によって構成された国宝展の展示室は、どの部屋も見どころ充分。安土桃山時代から江戸時代初期に活躍した絵師「長谷川等伯・久蔵、奇跡の親子共演」など、贅沢な展示空間が出現しています。

すべての部屋が充実した展示構成なら、鑑賞する際に「どのように作品を見ていくか」も重要となります。当日のルートを「予習」しておくと、展示物がどのくらいの分量があるのか?がわかるため、観覧するペースが掴みやすくなりますよね。そこで、京都国立博物館の展示会場1階~3階までの地図をもとに、当日のルートを簡単にガイドします。入り口から出口まで、順番に観ていきましょう。

■1:スタートは3階。日本最小の国宝・金印のある「考古」と「書跡」から

会場案内 3階​

この展覧会のスタートは、3階から。まずは「考古」と「書跡」を読み解いていきます。

「考古」の展示室では、一辺わずか2.3㎝の、日本で最小の国宝である金印『漢委奴国王印』(10月31日〜11月12日展示)が目玉作品。金色に輝く国宝です。

「書跡」の展示室では、飛鳥時代から鎌倉時代までの、経典・消息・漢詩・和歌・日記・物語・墨跡などが幅広く展示されています。書跡の展示室は展示替えが多いので、お目当ての作品がある方は、スケジュール確認が必須です。

■2:2階は東洋と西洋、中世から近世までの「絵画」が中心

会場案内 2階

2階は主に「絵画」フロア…とみせかけて、1階の「彫刻」の展示室から吹き抜けになっているので、2階からも彫刻の名品を鑑賞することができます。 地図でいうと、「仏画」の右隣の白い空間がそうです。そのほか、注目作品である「長谷川等伯・久蔵、奇跡の親子共演」は、この2階の「近世絵画」の展示室で観ることができます。こちらは10月31日〜11月12日までの展示。お見逃しなく!

■3:最終フロアとなる1階は

会場案内 1階

1階には、「陶磁」「彫刻」「染織」「金工」「漆工」の名品が勢ぞろい。4大絵巻のひとつ、『源氏物語絵巻』(部分)が出展する絵巻物の展示室もこちらのフロアです。

ちなみにクロークは一階の「入口」を入って正面にあります。だんだんと肌寒くなってくるこの季節、羽織物を預ける場所を把握しておくのも、美術館鑑賞をよりスムーズにするひとつの秘訣です。

作品は期間によって展示替えがありますが、展覧会公式サイトでは観覧日の出展作品を検索できるサービスがあります。 訪問前に目を通しておいたほうがよさそうです。


■『燕子花図屏風』が展示されるⅣ期(11月14日〜26日)が狙い目!

本展覧会は大きく4期に分けてさまざまな分野の国宝が展示されますが、一番のおすすめは11月14日〜11日26日までのⅣ期です! その理由は、尾形光琳の傑作『燕子花図屏風』が2週間限定で展示されるから。東京・根津美術館のコレクションであるこの作品は、大正時代の始めまでは京都・西本願寺に所蔵されていました。100年以上のときを経て、はじめての里帰りが実現。この瞬間をお見逃しなく! 本作品は2階「近世絵画」の展示室で観ることができます。

国宝 燕子花図屏風(右隻) 尾形光琳筆 江戸・18世紀 東京・根津美術館 11月14日~11月26日展示

■黄金色に輝く豪華な展覧会図録は「我が家の国宝」に

国宝展 展覧会公式図録 3,000円(税込)

上記でご紹介した、『燕子花図屏風』が表紙を飾る展覧会公式図録は、分厚さも国宝級。黄金色に輝く見た目はもちろんのこと、カラー316ページ、モノクロ96ページの計412ページにわたる内容は、ずっしりと国宝の魅力が綴られています。眩しく輝くこの図録は、お家のインテリアとして飾っても存在感を発揮してくれること請け合い。

京都国立博物館は京都駅からもほど近く、アクセスも便利です。近くには観光名所でもある三十三間堂もあるので、旅行で訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてください。

開催期間が短いということや、充実度・注目度も高いため、休日は特に混雑しているとのこと。公式ツイッターで混雑状況もチェックできるので、積極的に活用することをおすすめします。秋も深まり、紅葉が美しい季節。日本の宝物たちを京都で堪能してはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • 会場/京都国立博物館
  • 会期/開催中〜11月26日
  •    Ⅱ期 10月17日〜29日
  •    Ⅲ期 10月31日〜11月12日
  •    Ⅳ期 11月14日〜26日
  • 休館日/月曜日 
  • 開館時間/9:30〜18:00(金・土は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで
  • 当日券1,500円(一般)

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この記事の執筆者
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EDIT&WRITING :
谷 侑希美