コロナ禍で独立!ニューヨーク在住カルチュラル・マネージメントのプライベートとは?

昨日公開された【キャリア編】では、コロナ禍でアート業界全ての在り方が変わったタイミングで果敢に独立し、多忙なスケジュールをこなす斯波雅子さんにお話をうかがいました。

 
斯波 雅子さん
フリーランス カルチュラル・マネージメント
(しば まさこ)津田塾大学学芸学部英語英文学科在学中に、米国・ニュージャージー州のラトガーズ大学に留学、美術史を専攻し卒業。日系ケミカルメーカーに入社後、米系エアライン、サザビーズ北米本社、イセ文化基金NYギャラリー、ジャパン・ソサエティー、アジア・ソサエティー、アジアン・カルチュラル・カウンシルを経て2020年9月に独立。

ニューヨークという世界のアート界の中心で活躍する斯波さんが、心と身体を緩めて自分らしく過ごす時間とは? パワフルなキャリア女性のライフスタイルに関するエトセトラをご覧ください。

ニューヨーク在住カルチュラル・マネージメント 斯波雅子さんへ10の質問

──Q1:暮らしている街の環境は?

「現在、ニューヨークのブルックリンに住んでいます。ニューヨークの大体の地区に住んだことがありますが、今のエリアは巨大な公園も近い住宅街で、外で刺激を受けて帰ってくるとほっとする場所、という意味で落ち着いていて気に入っています」

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窓から明るい光が差し込む、ブルックリンの自宅。
──Q2:一日の初めにする、モーニングルーティンは?

「心配性なので寝る前も起きた直後もまずスマホを手にとってあれこれチェックしますが、この習慣はやめたいなと思っています(笑)

そうはいっても、コロナ禍でリモートワーク生活をするようになって、暮らしにルーティーンを設けるべく気をつかっています。寝起きに常温のお水をコップ一杯飲み、植物の水やり(時々やりすぎて枯らしてしまったものも多いので気を付けたいのですが)、アマゾン エコーのアレクサに天気を確認し何かしらの音楽をかけてもらい、ヨガの個人レッスンを教える日はこのタイミングでルーティーンやテーマを決めます」

──Q3:ナイトリールーティンは?

「 リモートワークを始めたころにすっかり昼夜逆転の生活になってしまい、一時期眠りの質が悪いな、と気になっていたのですが、それをきっかけに寝る前に瞑想する、というルーティーンを取り入れるようにしました。

嫌なことがあっても寝て起きたらだいぶ忘れているので、とにかく寝ちゃうことが大事だと思っています(笑)」

自主隔離期間にヨガインストラクターの資格を取得!

──Q4:ワークライフバランスのとり方は?

「仕事もプライベートもどっぷりアート漬けなので、もうバランスも何もないのですが(笑)・・・、特にこの数か月はリモートワークで、常にうちで仕事をしているとどうしてもオン・オフがない状態になりがちなので、仕事時間そのもののとらえ方を変え、9時〜5時内のタイミングで、仕事以外のプライベートな用事をすることに対する後ろめたさをもたないようにしています」

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ウェブ会議も日常に。

「午前中は買い物に行ったり、ポッドキャスト聞きながら料理したりしても、最終的にやるこができていればよし、と考ることにしました」

──Q5:趣味や最近凝っていることは?

「3月にかなり厳しく自主隔離をしていて全く自宅アパートから外に出ていなかったため、少しでも運動せねば、という思いからヨガを始めたのですが、実はインストラクター資格をとる程はまってしまいました。凝り性なんです(笑) ヨガは精神的にもいい影響を与えてくれるし、ライフワークとして今後も続けていこうと思います」

有機野菜のデリバリーがお気に入り!アプリを活用して健康をメンテ

──Q6:withコロナで取り入れた新しい生活様式は?

「リモートワークでずっと室内にこもったり健康に気をつかうようになったことで、メンタルとフィジカル両方のメンテナンスの必要性を感じ、アプリを活用して瞑想やヨガを日々の生活にとりいれるようになりました。

Insight Timerというアプリで、『寝る前』や『ストレス』などのテーマで瞑想プログラムを選んだり、MindbodyというアプリではZoomヨガ・ピラティスの好きな先生のオンラインレッスンの予約ができて便利です」

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Zoomでレッスン中。

「より『運動』フォーカスなアプリとしてはNike Training Clubを活用しています。これもいろいろな種類・レベルの運動が選べるだけでなく、消費カロリー表示や運動内容記録ができ、プログラムによってはオリンピックアスリートが励ましてくれる楽しいおまけつき。ロナウドの腹筋プログラムがおすすめです!

また最近、極力公共交通機関を避けるためと、運動のために自転車共有システムのCitiバイクのメンバーシップに加入しました。行動範囲がぐっと広がり、寒くてこもってしまう冬にこそ、せっせと活用してもっと外に出ようと思っています」

──Q7:Stay Homeで重宝したレシピは?

「特定のレシピではないのですが、ロックダウンが始まった当初から有機野菜のデリバリーをとりはじめ、毎回、これまで見たこともないような野菜に遭遇して、『一体なんて名前なんだ?そもそも何科の何で、どう調理するんだ?』とグーグルサーチや知人に聞いては、自分なりのレシピにたどりつくことにはまっています」

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デリバリーの有機野菜を使った料理の数々。

「結果として野菜の勉強をしながら身体にいいものを摂っているので一石二鳥。最近はレストランのメニューにある珍しい名前をみても『Delicataはスクワッシュ(南瓜)だ!』とわかるようになったりして嬉しいです」

──Q8:マスクファッションのこだわりは?

「マスクはユニクロのエアリズムを愛用しています。外してもどこかにいっちゃわないように紐をつけ、メガネが曇らないように鼻筋クッションを併用しています」

アート抜き、長期滞在型ホリスティック志向バカンスがしてみたい!

──Q9:お気に入りのバカンスの行き先や過ごし方、滞在先は?

「世界中に行きたい所がたくさんあり、常にWishリストを絶賛作成中です!いきたいと思う場所は、アートや自然、そして食べ物が美味しいことなど、『そこでしか体験できない』オリジナリティと、その体験自体のクオリティを重視して選びます。

これまで旅行にいくと、近辺のありとあらゆるアート施設を訪れたりして、いわゆるバカンスらしいバカンスをしたことがほぼないのですが、今後はヨガのリトリートを兼ねての『長期滞在型ホリスティック志向バカンス』をしてみたいと思っています」

──Q10:愛読書は?

「2019年にロンドンのテート美術館で観たナム・ジュン・パイク(※)展覧会のカタログは、積読魔のわたしでも読み返すほど読み応えがあります。あの時代に既にバーチャルの世界の可能性を的確に示唆していたアーティストの先見の明を感じると同時に、今彼が生きていたら、どういうことに興味を示して何て思うんだろう、と考えたりしながら読むのが楽しいです」

※1960~80年代に活躍した韓国生まれの現代アーティスト

以上、ニューヨーク在住カルチュラル・マネージメントの斯波雅子さんにうかがった、ライフスタイルについての10の質問でした。

コロナにBLM、大統領選挙の不正疑惑など相次いで大きな問題が発生した、2020年のニューヨーク。未曾有の混乱のなかでも周りに流されることなく、選んだ独立を実行し前進する一方、「真摯に愛と思いやりをもっているなら、その結果がどうなってもある意味仕方ない」と語る斯波さん。

不屈の精神と「割り切りのよさ」のバランスが現代的で、トレンドも賢く取り入れる様子は、眠らない街をスマートに生きる、ニューヨーカーそのものです。

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この記事の執筆者
立教大学法学部卒。ドイツメーカーにパーチェイサーとして勤務後、2009年に渡米し音楽修行。ジュリアード音楽院、マネス音楽院にて研鑽を積む傍ら、2014年ライターデビュー。2018年春に帰国し、英語で学ぶ音楽教室「epiphany piano studio(エピファニーピアノスタジオ)」主宰。ライターとしては、ウェブメディアを中心にファッション、トレンド、フェミニズムや音楽について執筆している。
公式サイト:epiphany piano studio