お世話になった人への感謝の気持ちを送るなら、やはりお菓子が定番。特に、焼き菓子は、日持ちがすることや持ち運びに便利なこともあって、手土産にはピッタリですよね。

そんな焼き菓子のなかでも、薄く茶色味がかった焼き色とバターの風味が香るところがそっくりな「フィナンシェ」と「マドレーヌ」。どちらも、基本となる材料は、薄力粉と砂糖、卵、バター、そしてベーキングパウダーです。

定番となる焼き型の違いはあるものの、その詳しい違いについてあまり知らないという方も多いのでは?

今回は、似ているようで異なる「フィナンシェ」と「マドレーヌ」の違いについて学んでみましょう。

■金融家の食べ物だった「フィナンシェ」

フィナンシェは、台形の形をした縦長の焼き菓子。サクサクの生地が口の中でホロホロとほぐれ、バターの風味がたっぷり香ります。

フィナンシェは、アーモンドを粉末状にしたアーモンドプードルと鍋で焦がしたバターを使うのが特徴。また、フィナンシェで使う卵は卵白のみ。マドレーヌよりも薄力粉が少なく、アーモンドプードルがたっぷり入っていることで、表面がサクっと中がしっとりとした食感になるのです。

また名前の「Financier(フィナンシェ)」には、フランス語で、「金融家」や「金持ち」といった意味があります。この名の由来は、ふたつあるといわれています。ひとつはフィナンシェの形が「金の延べ棒」を模しているという説。もうひとつは、パリの証券取引所近くにある店の菓子職人が考案し、証券取引所で働く忙しい金融家たちが、背広を汚さずに素早く食べられることから広まったから…という説です。

いずれにせよ、お金と関係があったお菓子というのが、フィナンシェの面白いところですね。

フィナンシェは、チョコレートが入ったものや、抹茶など和の材料を使ったものなど、バリエーションが豊富
フィナンシェは、チョコレートが入ったものや、抹茶など和の材料を使ったものなど、バリエーションが豊富

■マドレーヌさんがつくった「マドレーヌ」

フィナンシェよりも、よりソフトな食感がマドレーヌの特徴。マドレーヌもフランス生まれの焼き菓子で、貝の形の焼き型でつくられるのが一般的です。

マドレーヌは薄力粉と砂糖、卵、バター、そしてベーキングパウダーの基本材料以外に、レモンの果汁を加えるのがフィナンシェとの大きな違い。卵は卵白と卵黄とどちらも使っています。黄身を使うことで、口どけがよく、ソフトな食感になるのです。

マドレーヌの発祥については諸説ありますが、マドレーヌを初めて作つくった女性の名前にちなんでつけられたというのが最も有力です。貝の形をしているのは、ホタテの貝殻を象ったともいわれています。

貝の型の他に、日本では菊のような平たい型もよく使われています
貝の型の他に、日本では菊のような平たい型もよく使われています

■基本材料の配合と、加える材料の違いがあった!

バターを焦がすひと手間があるので、マドレーヌよりフィナンシェの方が作り方としては難しい
バターを焦がすひと手間があるので、マドレーヌよりフィナンシェの方が作り方としては難しい

貝型の形のものがマドレーヌ、細長い形がフィナンシェと覚えていてもよいのですが、現在はパティスリーによってさまざまな形の焼き菓子がつくられています。

マドレーヌとフィナンシェの大きな違いは、材料の違いにある、と覚えておくといいようです。

おさらいすると、

・フィナンシェは、アーモンドを粉末状にしたアーモンドプードルと鍋で焦がしたバターを使うのが特徴で、マドレーヌと異なり卵は卵白のみを使う。

・マドレーヌはレモンの果汁を加えるのがフィナンシェとの大きな違い。卵は卵白と卵黄の両方を使う。

ということになります。

普段食べているお菓子の由来や違いを知れば、手土産として渡したときの会話の話題にもなりそうです。ぜひ思い返してみてくださいね。

この記事の執筆者
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WRITING :
長祖久美子
EDIT :
高橋優海(東京通信社)