日本の九州ほどの大きさの国土に、約570万人が生活している北欧の国、デンマーク。国連が発表する幸福度ランキングで、毎年上位に名を連ね、幾度も1位に輝いています。その秘訣は、きちんとした社会福祉制度を背景とした、福祉国家としてのゆるぎない姿勢——。国民の誰もが良質で快適な住まいを持つことを推進してきた、「ヒュゲ」の思想にあります。

この展覧会では、近代から現代までの多彩なデンマーク・デザインを紹介し、彼らの思想「ヒュゲ」の魅力に迫ります。しかも、ほとんどのアートが日本初公開! 見どころ十分な展覧会です。

1:世界から愛される「デンマーク・デザイン」の始まりは、青から

1775年に設立された王立磁器製作所が生み出した「ブルーフルーテッド」は国際的評価を得、ロングセラー磁器として有名なシリーズ。スタート当初から一貫している「青一色の装飾」には、コストを抑え、より多くの人に磁器を使ってもらいたいという想いも込められています。ここにも、住人たちの幸せを願う「ヒュゲ」の思想を垣間見ることができます。

コンポート、皿、バターパット〈ブルーフルーテッド〉ロイヤル コペンハーゲン 塩川コレクション

2:研ぎ澄まされ、機能性の高い「家具」へ

1920年代、デンマーク・デザインはやがて、シンプルさと晴朗さをそのままに、実用的な機能性を重視した家具へと進化していきます。いつまでも長く座り続けられそうな、こちらの『レッドチェア』もそのひとつ。機能主義へと導いた、王立美術アカデミー建築学科家具専攻科の初代教授コーオ・クリントの作品です。本展では、彼の作品をはじめ、弟子を含むデザイナーの作品が出展されています。

コーオ・クリント 椅子 KK37580〈レッドチェア〉1927年    ルド・ラスムッセン工房 デンマーク・デザイン博物館  Photo:Designmuseum Danmark/Pernille Klemp

3:黄金期の’50〜’70年代には「デンマーク・デザインは」国際的に著名に

1950〜70年代は、デンマーク・デザインの黄金期と呼ばれています。この時、注目されたのが、ハンス・ヴィーイナやフィン・ユール、アーネ・ヤコプスンといったデザイナーが生み出す、有機的な形態でした。デザインに遊び心や人間的な温かみを与えることによって、幸福感をさらに充実させ、世の中の人に愛されるデザインへと進んでゆきます。

ポウル・ヘニングスン ペンダント・ランプ〈PH アーティチョーク〉1957年 ルイスポールセン Photo:Michael Whiteway

4:絶対的地位を確立したデンマーク・デザインの現在

デンマーク・デザインは、製品の多くが、シンプルで使い勝手がよいため、長年にわたって人々から愛される名作デザインへと昇華していきました。そして1970年代、工業デザインの分野で強力なブランドとして確立。伝統を引き継ぎながら生み出された、表現力に富んだデザインや、リサイクル素材によって環境に配慮するスタイルなど、現代に展開するデンマーク・デザインも紹介されています。

キビースィ 自転車〈PEK〉 2015年 ビオミーガ    デンマーク・デザイン博物館 Photo:Biomega

ほかにも、展示室にはハンス・ヴィーイナがデザインした数種類の椅子に実際に座ることのできるコーナーも。このコーナーでは写真撮影も可能なので、訪れた際はお友達やパートナー、お子さんやお孫さんとの記念撮影で、思い出貯金を是非増やしてくださいね。

問い合わせ先

  • 日本・デンマーク国交樹立150周年記念 デンマーク・デザイン 
  • 会期/2017年11月23日〜12月27日
  • 会場/東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
  • 開館時間/10:00〜18:00(金曜は〜19:00) ※入館は閉館の30分前まで
  • 休館日/月曜日(ただし、12月25日は開館)
  • 観覧料/一般¥1,200(税込)
  • TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
  • 住所/〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42F
この記事の執筆者
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EDIT&WRITING :
谷 侑希美