ペルシャ湾に突き出たような小さな国、カタール。その首都であるドーハは、海を挟んで東の対岸にドバイと向き合うロケーションにあります。ドバイは高層ビルが立ち並ぶインターナショナルシティのイメージがあります。では、カタールは? 

近未来的ビル群と伝統的な暮らしが共存しているドーハ
近未来的ビル群と伝統的な暮らしが共存しているドーハ

小さなエリアながら、ドーハにはいろいろな顔があります。斬新なデザインの高層ビル群もあれば、新興ビーチリゾートエリアや、中東のオリエンタルな魅力もたっぷり。これから何かが始まる予感を秘めたディストネーションです。

 

「マンダリン オリエンタル ドーハ」が位置するのは、オールドタウンの再開発に沸く中心街のムシャレブ地区。その核となる複合施設「バラハット・ムシャレブ」内に、ホテルはあります。

 

「バラハット・ムシャレブ」は、中央のタウンスクエアを囲むように、ホテルやサービスアパートメント、商業施設が配置されています。外は灼熱でも、施設内のタウンスクエアに一歩入れば、海からの風が通り抜け、タイル床の下には冷たい海水が流れるパイプが張り巡らされ、快適な気温をキープ。実にサスティナビリティへの意識が高い施設でもあります。

環境を考えた、サスティナブルな複合施設「バラハット・ムシャレブ」。ここは中央のタウンスクエア
環境を考えた、サスティナブルな複合施設「バラハット・ムシャレブ」。ここは中央のタウンスクエア
客室フロアまで吹き抜けになった、壮麗なロビー
客室フロアまで吹き抜けになった、壮麗なロビー

 

贅沢かつ便利なアメニティに胸躍るゲストルーム&スイート

158室のゲストルーム&スイートは、大理石をふんだんに使い、ベージュをメインにした抑えた色使い。中東建築ならではの、窓にはめ込む格子の“マシュラビーヤ”のモチーフがアクセントとしてちりばめられています。

ノーブルな色合いでまとめられた客室
ノーブルな色合いでまとめられた客室
中東らしいモチーフが随所に。窓格子のマシュラビーヤもデザインに取り入れられています
中東らしいモチーフが随所に。窓格子のマシュラビーヤもデザインに取り入れられています

マンダリン オリエンタルのステイのお楽しみは、充実したアメニティでしょう。素足に気持ちいいふかふかのスリッパに、ローズの香りのバスソルト、アトリエ・コロンのバスアメニティ、湯上りの身体をやさしく包んでくれるタオルやバスローブ……。触れるもの、香るものなどに、高いこだわりがあります。

 

デスクにラップトップを開きっぱなしのまま外出し、ターンダウンサービス後に戻ると、驚きの発見が! 画面を拭くためのクロスが脇に置かれ、電源コードはホテルオリジナルのアイテムでひとつにまとめてありました。ただのクリーンナップではないのです。

室内に置かれたアラビアンなお菓子。入れ物にもこだわりが
室内に置かれたアラビアンなお菓子。入れ物にもこだわりが

また、クリーニングの仕上がりやルームサービスの食器を下げる際、ゲストとスタッフが顔を合わさないよう、客室の入口脇にあるユーティリティボックスでやりとりもできます。心くばりが絶妙なのです。

 

エントリークラスの「デラックスルーム」でも広さは50平方メートル。タウンスクエアを見下ろす、5室のみの「バラハ・ビュー・スイート」は、中東特有のサロンスペース“マジョリス”をしつらえ、広さ160平方メートル。

ロイヤル・スイートのリビング
10階をすべて使った1室のみのロイヤル・スイート
ロイヤル・スイートのセレブ感満載のバスルーム
ロイヤル・スイートのセレブ感満載のバスルーム

圧巻は、ハイエンドな「ロイヤル・スイート」。広さ465平方メートルのスイートは、10階のワンフロアすべてを使い、その中央にプライベートプールを配置。それを囲むように、ベッドルームやダイニング、リビング、キッチンなどが配置されています。部屋と部屋を結ぶ通路も中東のモチーフが使われているせいか、室内なのにどこかスークをさまよっているような不思議な感覚が味わえます。

 

ロイヤル・スイートの各部屋は回廊で結ばれたような造り
ロイヤル・スイートの各部屋は回廊で結ばれたような造り
ロイヤル・スイートの中央にはプールが。もうひとつ、インドアにもプールがあります
ロイヤル・スイートの中央にはプールが。もうひとつ、インドアにもプールがあります

 

コスモポリタンな都市ならではの多国籍&バラエティ豊かな飲食施設

 

ファインダイニングはシェフのイズ・アニさんの名前を冠した「イズ」。フランス、ロンドン、スペインなどで経験を積んだ彼の料理は、フランス寄りの地中海料理。ドバイやモナコなどに出店している、注目のシェフです。

フランスの影響を強く受けたシェフ、イズ・アニの料理
フランスの影響を強く受けたシェフ、イズ・アニの料理
中東のスターシェフ、イズ・アニの名前を冠した「イズ」
中東のスターシェフ、イズ・アニの名前を冠した「イズ」

オールデイダイニングは「モザイク」。ロティセリーやインド料理、中華料理、寿司など、9つのオープンキッチンのアイランドが点在し、多国籍料理が楽しめます。シェフも中国人、日本人、イタリア人、タイ人など多国籍で、それぞれが母国の味を再現するので、どれも本場の味です。

「モザイク」の朝食。お皿を手に、アイランドを回遊する楽しさがあります
「モザイク」の朝食。お皿を手に、アイランドを回遊する楽しさがあります
世界各地からシェフを招聘。本場の味を届けます
世界各地からシェフを招聘。本場の味を届けます

中華料理の「リアン」、アフタヌーンティーが楽しめる「バラハ・ラウンジ」、シグネチャーカクテルがいただける「アンバー」、そしてローカルに人気のケーキショップやジェラートも。

 

ちなみに、地中海料理「イズ」の裏には3席のみの、知る人ぞ知るヒミツの「シークレットバー」があります。案内してくれるスタッフも「さぁ、こちらへ」と目を伏せて案内してくれるあたり、ミステリアスなワクワク感に盛り上がるはず。

カメリアズティーハウスロンドンのお茶がシグネチャーのアフタヌーンティー
カメリアズティーハウスロンドンのお茶がシグネチャーのアフタヌーンティー

 

ルーフトップのプールでくつろぎ、スパでカタールならではのメニューを

ルーフトップには砂漠の中のオアシスのよう。2カ所のプールを囲むように、プライベートカバナがレイアウトされています。カバナに横たわりながら、水のきらめきから視線をずらせばドーハのスカイライン。なんともアーバンです。

通年、25度に水温が保たれたルーフトップのプール
通年、25度に水温が保たれたルーフトップのプール

「ザ スパ アット マンダリン オリエンタル ドーハ」は広さ3030平方メートル。3ランクに分かれるトリートメントルームには、シャワーやサウナ、4種類のエクスペリエンスシャワー、スチームルーム付き。

 

トリートメントのシグネチャーメニューは、カタールに富をもたらした真珠のパウダーを使った「ハーモニー オブ パール」と、砂漠を思わせる暖かな砂のベッドで行う「シンギング サンドデューン」。どちらもドーハならではのスパ体験です。

砂漠をイメージした、温かい石英砂を敷き詰めたベッドで行う「シンギング サンドデューン」
砂漠をイメージした、温かい石英砂を敷き詰めたベッドで行う「シンギング サンドデューン」
インドアにも、温水と冷水のプールが
インドアにも、温水と冷水のプールが

問い合わせ先

料金/デラックスルームQAR1120~、バラハ・ビュー・スイートQAR11840~、ロイヤル・スイートQAR60000(~2021年9月30日までのTravel Againキャンペーン)

取材協力/カタール航空

※新型コロナウイルスによる影響下では一部情報が変更となる可能性があります。感染に留意し、渡航状況など最新情報は公式HPなどでご確認ください。

この記事の執筆者
ダイビング雑誌の編集者を経てフリーに。海外旅行専門誌でもビーチを担当。月に1~2回、海外を中心に国内外のビーチリゾートへ通うこと、かれこれ四半世紀以上になる。女性誌の旅記事、ライフスタイル誌の連載、ウェブの連載ほか、共著に『奇跡のリゾート 星のや竹富島』など。世界のビーチガイド「World Beach Guide(http://www.world-beach-guide.com ) 」主催 好きなもの:海でボーッとすること、ボディボード、ダイビング、ビーチパーティー、Jazztronik、H ZETTRIO、渋谷Room
公式サイト:古関千恵子ホームぺージ
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