昨日公開された【キャリア編】では、女性研究者としてプロフェッショナルに活躍する様子を語ってくれた、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)サイバーセキュリティ研究所 研究所長の盛合 志帆さん。現在は職場出勤7割抑制を目標に週1〜2回通勤、残りはリモートワークというワークスタイルです。
そんな盛合さんがリモートワークで活用しているコミュニケーションツールや、ウェブ会議でのこだわりのほか、「リケジョの星」である彼女の素顔が垣間見られるプライベートについてうかがいました。
NICT初の女性研究所長 盛合 志帆さんへ10の質問
「下宿で出て行った長男の部屋を占拠しています。ノートPC2台と27インチディスプレイを設置。ウェブ会議用に、顔映りをよくする女優ライトも。調光機能付きのLEDのものです。
ノートPC2台というのは会議が重なってしまったときのため。呼ばれそうになったほうの音声を大きくしたりしています。大塚家具のサイトからダウンロードした素敵なお部屋のバーチャル背景を使ったり、職場を撮影してその場にいるかのような背景にすることもあります」
「起きたらすぐ仕事。お腹が空いてきたらクロワッサンとカフェラテの朝食をとります。
最近は、コンビニの冷凍クロワッサンにハマってます。電子レンジで解凍した後、トースターで3分ほど焼くのですが、とても美味しいですよ」
「通勤のときは23時に研究所を出ると、夜中の1時くらい家に到着します。そんな時間なのでご飯も食べられず、ベッドに入るとすぐに寝落ちしてしまいます…。
リモートワークのときは、22時か23時くらいには寝るようにして、そのぶん朝早くから仕事をするようにしています」
「リケジョの星」の週末の過ごし方とは?
「コロナのおかげで長距離通勤が少なくなり、バランスが少し取れるようになりました。週末の料理&シャンパーニュが至福の時間です。
平日は夫が食事を作ってくれるのですが、週末は私が担当。外で美味しいものに出会ったら、自分で作ってみたくなります。
シャンパーニュは毎月の頒布会で、お店には出回らないものを入手。それを毎週末おうちで楽しんでいます」
「プラス面は、毎日4時間の通勤時間から解放されたこと。職場へは片道2時間を9年間通っています。次男が高校一年生になったばかりで、彼の学校のことを考えると引越しを躊躇ってしまいます。通勤電車はSNSをチェックしたり、好きな音楽を聞いたり(笑)」
「また、機構内の催しがオンラインになり会議室のキャパシティが関係なくなったぶん、参加できる人が増えて、いろいろな意見を聞くことができるようになったのもプラス面です。理事長のリーダーシップのもと、組織としての一体感が増したように思います。
マイナス面はみんなとの雑談、ランチ、飲み会がなくなりました。職場以外の方との新しい出会いも少なくなりました」
リモートワークのコミュニケーションを密に、効率化するツール
「自宅での昼食時にBSのワールドニュースを見るようになりました。これまでは英語で話すときは専門用語で研究の話題しか話せなかったのですが、ニュースのヘッドラインは一行で収まるような、気の利いた短い英語の表現だったり、時事英語が出てくるので、英語がさらに身につきます。同じニュースが日本とは違う視点で報道されていたりするのも興味深いです」
「ヤマモリのエスニックカレーにハマっています。糖質コントロールの製品も美味しい! ガパオも自分で作るようになり、タイ料理がマイブームになりました」
「出勤時のファッションでこだわるのはシルエットや全体のバランスですが、ウェブ会議では画面に映る、上半身にこだわるように。みんなに頑張れという応援メッセージも込めて、黄色や紫の元気が出る色やキレイめの色を選んでいます。
また在宅ファッションに限ったアイテムではないのですが、今年50歳になり、節目ということで意を決して、『一生ものの腕時計を』と、カルティエのベニュワールを購入しました。
実は20代の頃からの憧れだったんです。フランス語で"バスタブ"を意味するなめらかな曲線に一目惚れして、いつかは!と思っていました。優美な形も色も質感もお気に入り。購入には『一粒万倍日』という吉日を選びました」
「毎朝、上長にslackで体調と仕事の状況報告をしており、今までよりも交流が密になりました。コミュニケーションの多くはslackを使用。メールより効率的にコミュニケーションが取れます。
次の質問、誰が答える?みたいな、会議中の目配せ、ヒソヒソ話、気づき、感想の共有など、物理的な会議ではしづらかったこともテキストベースで可能になりました。
コロナでリモートワーク中心の新しい働き方に大きく変わりましたよね。国際会議もわざわざ飛行機で何時間もかけて移動することもなくなりましたし。今までは1〜2時間の打ち合わせや会議のために外勤、出張ということもありましたが、それがなくなり、かなり効率的になりました。
アフターコロナ社会でも働き方が完全に元に戻ることはなく、ハイブリッド形式になるのではと予測しています。出張・移動減には、カーボンニュートラルや脱炭素化社会への流れも後押ししていますよね」
「睡眠時間、家族との夕食の時間に。研究所長でいることにもう少し慣れたら、これからは趣味をもっと増やしたいです」
以上、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT) サイバーセキュリティ研究所 研究所長の盛合 志帆さんにうかがった、リモートワークについての10の質問でした。
深夜まで忙しく働く日々を過ごす盛合さんが、リモートワークの導入により長い時間を割いていた通勤からも解放され、ワークライフバランスが少しとれるようになった、と語っていたのが印象的でした。彼女が愛用するslackをはじめ、便利なツールで仕事の効率化がもっと進み、アフターコロナは公私共にさらに充実した毎日を過ごせる社会となることに期待!ですね。
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- TEXT :
- 神田 朝子さん ライター/ピアニスト
公式サイト:epiphany piano studio
- PHOTO :
- 黒石 あみ
- EDIT&WRITING :
- 神田朝子