「黍嵐」ってなんと読む?「たいらん」ではありませんよ!
明日、9月26日は統計上、大きな台風の襲来が多い『台風襲来の日』と呼ばれています。
1954(昭和29)年の洞爺丸台風、1958(昭和33)年の狩野川台風、1959(昭和34)年の伊勢湾台風など、甚大な被害をもたらした過去に学び、
ふだんからの災害に対する備え、心構えを啓発する日、とも言えるでしょう。
いまいちど、生活圏内の避難所や、非常用持ち出し袋の中身など、ぜひ、詳細に点検なさってみてください。
本日は、この時期・仲秋の季語の中から、気候に関する日本語の難読クイズをお送りします。
【問題1】「黍嵐」ってなんと読む?
「黍嵐」という日本語の、正しい読み方をお答えください。
ヒント:「収穫の時期を迎えた黍を、倒さんばかりに吹く風」という意味を持つ言葉です。
<使用例>
「明日は黍嵐になるそうだから、出社は別の日にしたほうが良さそうね。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 黍嵐(きびあらし) です。
イネ科の植物、五穀の一つでもある「黍(きび)」の収穫時期を関係した表現です。
日本の主食といえば、現在はお米ですが、質の良いお米は、昔は収穫が難しい贅沢品でしたので、お米以外の育てやすい穀物が、人々の生活と密接に関係していたのですね。
「強い風が吹くそうですよ」というところを「黍嵐になるそうですよ」と表現できると、ちょっと素敵ですよね?
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「鮭颪」ってなんと読む?
「鮭颪」という日本語の、正しい読み方をお答えください。
ヒント:「秋の中頃、東北地方に吹く強い風。」という意味の言葉です。
<使用例>
「私の実家では鮭颪の季節になると、家で漬けたイクラが食卓の定番で、とてもおいしいの。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 鮭颪(さけおろし) です。
「颪(おろし)」は以前、本シリーズでクイズにしたことがありましたが、みなさま、覚えていらっしゃいましたか?「山から吹き下ろす冷たい風」のことです。「鮭颪(さけおろし)」は、鮭が産卵のために遡上する頃に吹き荒れる颪を指します。
「鮭颪(さけおろし)」と聞くと、なんだかおいしそうな響きにも聞こえますが(笑)、気候を表す言葉であり、仲秋の季語です。
鮭も、穀類と並ぶほど、日本人の生活に密接にかかわってきた食材、という歴史を感じられる表現ですね。
***
本日は、9月26日、『台風襲来の日』にあわせて。
・黍嵐(きびあらし)
・鮭颪(さけおろし)
など、仲秋の季語となっている、気候を表現する日本語の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『きごさい歳時記』(NPO法人季語と歳時記の会)/『精選版日本国語大辞典』(株式会社小学館)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱