みなさん、シャンパンやカヴァってどんなグラスで飲んでいますか? 今はフルートと呼ばれる細長いグラスが主流ですね。

先日、表参道のビーガンレストラン「エイタブリッシュ」でスパークリングワインを頼んだら、驚くほど薄いグラスで出されました。いわゆるクープグラスなんですが、ちょっと違う。グラスは広く円盤のよう。グラスの下のステムは細すぎてあまりにも儚い…。

シャンパングラス『ピーボ オーソドックス』 [縦15×直径10.7cm、容量240cc、素材:カリクリスタル、生産国:スロバキア]¥3,996(税込)

聞いてみると、1910年に東京で創業した木村硝子店の『ピーボ オーソドックス』というグラスでした。江戸から伝わるガラスを極薄くする技術を、スロバキアの職人に伝えてつくっている、オリジナルデザインだそうです。木村硝子店の若旦那が、世界各地の伝統的なクープグラスを研究して発表した、新時代のクープグラスです。

いちばん違うのはグラスの形。通常のクープは縁が内側に丸まっていますが、これはあえてフラットにディスク状になっていて、鼻を近づけると飲み物の香りがふわっと広がります。直径約11㎝と、意外と広いんですよ。また浅く見えますが、240ccとしっかり量も飲めます。デザートグラスにしても素敵なんです。

木村硝子店のクープグラス

手に触れてどきっとするのが、細いステム。わずか直径4㎜。これは職人がスーッと引き伸ばして手づくりしているそうです。強い力で持つと折れてしまいそう(折れませんけど)。だからお酒を口にするときに、少しきちんとした気持ちになります。エイタブリッシュのオーナーさんも「お店で使うときも、丁寧に扱おうという気持ちになりますから、割ってしまうことがないですよ」と言っていました。

 

そしてこのグラスのよさはもうひとつ。インテリアの目線で見ると、ステムが細く、強い主張がありません。テーブルの上や食卓越しに見えるインテリアの景色を邪魔することなく、静かに佇んでくれるのです。

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この記事の執筆者
早稲田大学文学部卒業後、インテリア専門誌『室内』に入社。独立後は住まい、暮らし、インテリア、デザインの分野で編集執筆、セミナー活動を行う。取材で訪ねた住宅とキッチンは300件以上。海外のキッチンとインテリアの取材も多数。大人の女性が本当に欲しいキッチンとインテリアを考える、専門ムック&ウエブマガジン『REAL KITCHEN&INTERIOR』(小学館)で活躍中。 好きなもの:フィギュアスケート観戦、泡の出るお酒、おいしい食べ物、焼き鳥、キッチンとインテリアに関わるもの&こと、シンプルだけど形のいい服、ノーメイク、三毛猫、アストラッド・ジルベルト、ドイツ、イタリア、北欧、ひとりで過ごす時間、颯爽と歩くこと
公式サイト:REAL KITCHEN&INTERIOR
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文/本間美紀