帽子と一言でいっても、中折れ帽、ボーラーハット、ニット帽、ベレー帽などその種類は多岐に渡ります。またエレガントな装いにも、またカジュアルダウンした着こなしにも、華を添えることができる賢いアイテムです。ここでは、白・黒・グレー・ベージュ・ブラウンという最愛カラーの帽子をご紹介。普段のコーディネートに取り入れやすく、また被るだけで手持ちのアイテムがぐっと新鮮に見違える「帽子のエレガンス」を解説します。
■セオリー1:清涼感の「ホワイト」がリッチカジュアルをつくります
白ハットは「清潔感」「抜け感」を演出するのに効果的。クラス感を感じさせるネイビーのシャツワンピースに、白いレースアップ靴と白いハットで抜け感を加えると、一気に今らしい装いに。差し色となるイエローのトートバッグを添えれば、鮮やかな配色で明るいコントラストが生まれ、さらに若々しいおしゃれ感が漂います(写真上)。ネイビージャケットと白いパンツスタイルでメンズライクに仕上げたコーティネートにも、同じくブルーのテープが鮮やかな白ハットは好相性。清潔感が際立つと、共に今っぽい表情に。レフ板効果で顔色を明るく、肌ツヤよく見せる効果が生まれます(写真下)。
メンズライクなパンツの着こなしを品良く見せるには、上質でクラシックな帽子や小物を合わせるのが近道です。ピュアホワイトの飾り気のない帽子をポイントに、スエード素材の白いローファーで頭とつま先の色を合わせると自然な統一感が生まれます(写真上)。青みの強いグレージュグラデーションでみせる都会的で知的なパンツルックには、ややつばが広めな帽子でトップに高さを出すと、エレガントで今年らしいロング&リーンのシルエットになります。メリハリをつけるため、足元をスニーカーすればよりハンサムな印象に(写真下)。
■セオリー2:艶やかな「ブラック」は凛とした女性をつくります
黒ハット+黒コーデの組み合わせは、モードな雰囲気に仕上げたい時に効果的。全身黒で威圧感が出てしまうのが心配な方は、黒スカートは柔らかい印象のデザインをチョイスし、レザージャケットには明るめのグレージュカラーを組み合わてみましょう。モード感に加えて女性らしい優しい空気感が生まれます(写真上)。黒のワントーンコーデも小物次第で、かわいらしさもプラスできます。ピンク色のキュービック型ヴァニティバッグを合わせれば、大人な遊び心があふれる装いに(写真下)。
やわらかなグレージュ・グラデーションコーディネートには、中折れ帽やインパクト大なバングルをサポート役に加えるのが効果的。都会的でより洗練された装いに(写真上)。トラディショナルなベージュのダッフルコートにスリムなレザーパンツを合わせたモードな着こなしには、艶感のある黒ハットを添えればフェミニンな雰囲気が漂います。帽子からインナー、足先までオールブラックに統一しておしゃれのこなれ感も効かせて(写真下)。
黒のニット帽はカジュアルな装いと好相性。ジョグパンツ&ハイカットのスニーカーに、黒のニット帽を合わせると、カジュアルコーデのおしゃれ感がアップします。ジョグパンツのすそとハイカットスニーカーをつなげてよりスマートに(写真上)。白いパンツ、グレーのアウター、黒のニット帽でモノトーンのグラデーションをつくれば、メリハリがあり見栄えする着こなしに。また、グレーコートと白パンツには、コックリとした深みのあるブラウンのミンクベストが好相性。温もり感が生まれます(写真下)。
■セオリー3:優美な「グレー」はスタイルを引き立てる秀逸アイテム
ライトグレーの帽子はやわらかなトーンで肌なじみもよく、甘口にも辛口にも使える優秀アイテム。ベージュなどの淡色とも好相性なのでブリッジアイテムとして1つあると便利です。グレートーンの全身コーデにライトグレーの帽子を合わせると、縦のラインが強調されてより小粋な装いに(写真上)。コーデュロイのホワイトパンツとローゲージニットの冬の定番スタイルも、ライトグレーの帽子を合わせるとワンランクアップした大人カジュアルに(写真中)。ベージュのボトムスにグレーのトップスという柔らかく優しい装いを、フェルト素材で形のしっかりしたグレーの帽子と上品なピンヒールでまとめるのも効果的。キレのあるおしゃれ感が漂い、都会的な大人の女性に(写真下)。
ダークグレーの帽子なら、黒ほどソリッドではなくライトグレー程主張しない”上品マニッシュ”が叶います。帽子も全身コーデもグレートーンでまとめる場合は、足元はパンプスをチョイスして。マニッシュさと女らしさのミックスが、より洗練された大人のエレガンスを際立たせます(写真上)。スポーティーな大人の休日カジュアルなら、ニットキャップをセレクト。ダークグレーを選べばグレージュの持つ女性らしい雰囲気を崩しません(写真中)。白のインナー&ボトムというコーデには、重みのあるチャコールグレーの帽子を選ぶのも手。すっきりとした統一感と共に、カジュアルコーデに大人の女性の「粋」が生まれます(写真下)。
パンツスタイルには、まとうだけで絵になる黒いマントが好相性。主役の黒を引き立てるため、インのアイテムとニット帽はグレーの濃淡でまとめると、コーディネートに統一感が生まれます。カジュアルになりすぎないよう、バッグや靴に”艶黒”を合わせると、シックで上品な印象に。
■セオリー4:やわらかな印象とリュクス感をまとうには「ベージュ」「ブラウン」が正解
ベージュのハットは顔色を明るく引き立てたり、全身のコーデに軽やかさを演出する効果があります。グレージュのグラデーションでリッチ感を漂わせる「インディゴデニム+白Tシャツ+ニットコート」の組み合わせにベージュのハットを合わせると、より洗練されたカジュアル感と、明るく華やいだ印象になります(写真上)。ドロップショルダーのニットとワイドクロップドパンツなど、フォルム的にもカラー的にも重くなりがちなコーデにも、ベージュの帽子は好相性。着こなしに軽やかさと抜け感が生まれます(写真下)。
オーセンティックなベージュのコートに、オレンジのスパンコールスカートという華やかなスカートをアクセントにしたベージュグラデーションのスタイル。主張のあるスカートをメインにしながらも、ベーシックなブラウンに遊び心のある羽モチーフの帽子を選べば、目線を上げてスタイルアップ効果を狙えます。
オールシーズン欠かすことができない、淑女の帽子コーディネート、いかがでしたでしょうか? ラグジュアリーな装いの抜け感づくりにも、カジュアルのクラスアップにも使える”大人の帽子”を取り入れれば、いつもの着こなしがより洗練されたものになるはずです。