雑誌『Precious』の3号連続企画「SDGsの現在地」の第2弾は、“食”がテーマ。身近な食周りのSDGsをリサーチして、最新情報をお届けします。

今回は、都市の「屋上利用」の取り組みのなかから、銀座の試みを3つをご紹介します。

こんなに進化!「都会の屋上」事情

2020年、パリのマレ地区に1万4000平方メートル、欧州最大の屋上菜園「ナチュール・ユーベンヌ」が誕生し、話題となりました。アメリカ・ニューヨークではグルメスーパーが屋上菜園でとれた野菜を販売、世界各地のラグジュアリーホテルでも屋上菜園のハーブなどをレストランで使用するところが増えています。

都市の屋上菜園は、環境に配慮した緑化対策であることはもちろん、とれた野菜をそのビルや近郊で消費することで地産地消につながり、輸送のコストや環境負荷も低くなるうえ、必要なときに必要な分だけ新鮮な野菜を提供できるとあって、メリットだらけ。

そんな都会の「屋上利用」は、日本でも進化中。菜園だけにとどまらない、さまざまな取り組みを紹介します。

■1:「IT×銀座×野菜」銀座 伊東屋が手掛ける、11階の巨大な野菜工場!

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野菜工場「FARM」

2015年のリニューアルオープン時に誕生した、銀座 伊東屋G.Itoya11階「野菜工場FARM」。G.Itoyaで消費するものはG.Itoyaで生産するという“地消地産”の考えのもと12階レストラン「CAFE Stylo」でサラダとして提供する野菜を水耕栽培。

フリルレタスを中心に、ルッコラなどの葉物野菜を無農薬で育てており、天候に左右されず安定してメニューに合った新鮮野菜を供給。また、1階のドリンクバー「Drink」では、朝どれの野菜も販売(1袋¥324。なくなりしだい終了、販売品目は時季により異なる)。

白いパネルの下には水と、少しの養分が流れていて、種まきから収穫まで約40日で食べ頃に。併設のレストランで提供する分はほぼまかなえるよう設計されている。

野菜工場の棚の光はLED。消費電力の削減だけでなく、野菜の色も美しく見えるよう配慮。工場内の棚・壁は同じ「白」で塗り、見ても美しくフォトジェニックにデザインされている。

野菜工場「FARM」で採れた野菜を使用した「CAFE Stylo」のサラダ

〈野菜工場「FARM」詳細〉

  • 野菜工場「FARM」
  • 本店の11Fにある工場は、見学自由。旧本店「ステンレスビル」の窓枠を再利用したウインドーからは、近未来な野菜工場をのぞくことができる。

■2:銀座屋上利用の草分け!ハチミツからスイーツ、石鹸、焼酎までつくっている!

2006年「銀座で地産地消」を合言葉に、銀座の企業人や商店主が立ち上げた「銀座ミツバチプロジェクト」。都心のビルの屋上でミツバチを飼い、とれたハチミツを商品化。昨今の屋上利用ブームのまさに先駆け的存在といえる。

17年目を迎えた現在のハチミツ収量は年1トンを超え、屋上緑化の一環として育てたサツマイモを使って焼酎づくりまで! その売り上げでさらなる屋上緑化を進めるなど、継続的な活動を通して、子供たちの食育や環境教育にも注力、ますます進化中。

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写真左/2021年産新蜜一番蜜、新パッケージの『銀座さくら蜜』¥8,640。右/福岡の老舗蔵・後藤酒造の協力を得て誕生した『芋焼酎 銀座芋人』720ml¥3,080。

〈「銀座ミツバチプロジェクト」詳細〉

■3:銀座ロフトも!屋上緑地で無農薬ハーブを栽培

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銀座ルーフガーデン

銀座ロフトでは、2019年より銀座ベルビア館の屋上緑地を利用した「銀座ルーフガーデン」を開始。ミント、バジル、セージなど約10種のハーブを無農薬で栽培。収穫したハーブは1階のカフェや、近隣のレストランやバーなどで使用、販売。

昨年からは1階カフェにコンポストを設置し、使用した果物や野菜の皮、さとうきびが原料のストローなどを処理して屋上ガーデンの堆肥に活用。館内の循環サイクルに取り組んでいる。

<銀座ルーフガーデン>

  • 地上48m、銀座ベルビア館屋上の菜園(一般非公開)。ロフトスタッフが3月に根付け、7月頃、銀座ロフト「にちようマルシエ」などで朝どれハーブを販売。※2022年の販売等は未定。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

PHOTO :
篠原宏明
EDIT&WRITING :
田中美保、佐藤友貴絵(Precious)