雑誌『Precious』の3号連続企画「SDGsの現在地」の第2弾は、“食”がテーマ。身近な食周りのSDGsをリサーチして、最新情報をお届けします。
今回は、チョコレート専門店「Dari K/ダリケー」によるサステイナブルなチョコレートづくりと、プロダクトデザイナー柴田文江さん考案の紙のふた「スタッキングペーパーリッド」をご紹介します。
■ Topic1:「カカオで世界を変える」サステイナブルなチョコレートの未来
チョコレートの原料となるカカオ豆。その栽培における、生産者の低収入や児童労働、森林伐採による環境問題などの課題解決を目指して2011年に創業した京都発・チョコレート専門店「Dari K/ダリケー」。
世界有数の産地、インドネシアの農家の人々への技術指導を通じて良質なカカオ豆づくりを支援すると共に、自社でそのカカオ豆を輸入し加工することで、適正な価格で買い取り、所得向上に貢献している。
今年登場の新作生チョコレートの箱にはパルプモールドの箱を使い、リニューアルした「カカオ豆から手作りチョコレート・キット」は、現地の女性雇用にも貢献するなど、さらなるサステイナブルなチョコレートづくりを目指す。
〈「Dari K」詳細〉
- 「Dari K」
- 生チョコレートほかカカオサンドクッキーが人気。2021年3月、創業の地、京都三条に本店を移転。
■ Topic2:コーヒーカップの、「紙のふた」について考える
紙カップの内側に、ぴったり収まる紙のふた。2006年プロダクトデザイナー柴田文江さんが考案、2019年にプロトタイプが完成した「スタッキングペーパーリッド」は、持ち歩きのための必要最低限の機能をもたせ、飲み口がないタイプが標準。
よって、リッド(ふた)を外して直接カップから飲むことで、香りや味を最大限楽しめる。
プラスチック製のように、激しく揺れても中身がこぼれにくい、長時間経ってもふやけないなどの完璧さではないけれど、なによりプラスチックゴミ削減に貢献できる。
また、「必要のないときは、リッドそのものの使用を控えないか?」と、目的にあった飲み方を選択するきっかけにも。カップのふたのあり方に、一石を投じる存在といえるのでは?
〈「スタッキングペーパーリッド」詳細〉
- 「スタッキングペーパーリッド」
- 柴田文江さんの作品をもとに、紙の専門商社「竹尾」と、紙カップ・紙容器メーカー「日本デキシー」、東京・神保町の「グリッチコーヒー&ロースターズ」が手掛けたプロジェクト。
※掲載商品は、すべて税込みです。
- PHOTO :
- 篠原宏明
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、佐藤友貴絵(Precious)