雑誌『Precious』の3号連続企画「SDGsの現在地」。4月号の第2弾では、地産地消、食品ロス削減など、課題が山積みの“食”の現状について考えます。

今回は、アウトドアメーカー「パタゴニア」の食品事業、“パタゴニア プロビジョンズ”と千葉の老舗酒造「寺田本家」がともに生み出した日本酒『五人娘』と、ミシュランガイドの取り組み「ミシュラングリーンスター」をご紹介します。

■ Topic1:アウトドア企業「パタゴニア」初の“日本発”商品は、日本酒

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『五人娘』720ml ¥1,650(パタゴニア プロビジョンズ)

クラフトビールや小魚の缶詰など、2012年にスタートした「パタゴニア」の食品事業、“パタゴニア プロビジョンズ”。そこには「新しい服は5年や10年に一度しか買わない人も、食事は1日3度。本気で地球を守りたいなら、食べ物だ」という創業者兼オーナーの意図がある。

そんななか、昨年12月に初の日本製品として販売されたのが日本酒。農薬を使わない地元の米と湧き水を使い、蔵つき麹菌を自家培養した伝統的な酒造りを貫く「寺田本家」と組み醸造した日本酒は、パタゴニアの精神とも共鳴する逸品。

●自然酒「五人娘」

周辺地域の生態系の再生にも目を向けた、サステイナブルな日本酒。力強さと、ジューシーな甘酸っぱさ、旨味が広がる。

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1673年創業、千葉の老舗酒蔵「寺田本家」。原料となる米は無農薬の地元米『美山錦』をメインに使用。(C)寺田本家

■ Topic2:今さら聞けないからこそ、知っておきたい「ミシュラングリーンスター」の意義

2020年に始まった「ミシュラングリーンスター」。美味しい料理は、それを支える環境があってこそ。よって、ミシュランガイドが、地球環境やフードロス削減などあらゆる問題に積極的に取り組み、工夫、実践しているシェフやレストランの価値を高め、支援することは当然の流れといえる。

かねてから、ミシュランガイドの専任調査員は、飲食店のサステイナブルな取り組みも把握していたのだそう。ミシュラングリーンスターは料理人、読者=ゲスト、生産者の意識を変えるきっかけになるはず。

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(C)MICHELIN

●ミシュラングリーンスター

フードロスの削減、森林活性化に寄与、環境に配慮する生産者の支援、絶滅危惧種の保護など、飲食店の立場でできること、持続可能なガストロノミーを実践するレストランに対して贈られるもの。2022年度版では東京14店、京都・大阪が10店、和歌山が4店認証された。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

PHOTO :
篠原宏明
EDIT&WRITING :
田中美保、佐藤友貴絵(Precious)
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