メールや手紙で、「ますますのご健勝をお祈り申し上げます」などと、文末の締めを飾る言葉として使用することが多い「ご健勝」という言葉。あなたは正しい意味を理解して使っているでしょうか? 間違いやすい使い方についても解説します。

【目次】

「ご健勝」はどんな時に使うの?
「ご健勝」はどんな時に使うの?

「ご健勝」の基本を押さえて使いこなそう!

日常の会話では、あまり使われることのない「ご健勝」という言葉。改まった場面で誤った使い方をしないために、基礎知識を身につけましょう。

 ■「読み方」

「ご健勝」は、「ごけんしょう」と読みます。

 ■「意味」

「健勝」とは、【からだに悪いところがなく健康なこと。また、そのさま】という意味の言葉です。多くの場合はメールや手紙で「ご健勝」と、相手に対する敬意を表する接頭語の「ご」を付け、相手の健康に対して使われるのが一般的です。

 ■誰に対して使えるの? 「取引先」や「企業」に対しては?

「ご健勝」は、個人を対象にして使う言葉です。敬語ではありますが、同僚や後輩に対しても使うことができるので、一般的な挨拶の表現として覚えておきましょう。一方で、組織や会社に対しては使用できません。

手紙やメールでそのまま使える、シーン別「例文」3選

「ご健勝」は、具体的にどのようなシーンで使われるのでしょう。3つのシーンに応じた「例文」で、理解を深めましょう。

■1〈メールや手紙の締めの挨拶〉:「ますますのご健勝とご活躍をお祈り申し上げます」

年賀状をはじめ、さまざまな文章の最後に添えると、お世話になった方々への感謝の気持ちが表現できます。退社や異動の挨拶にもふさわしい言葉です。

■2〈時候の挨拶〉:「○○様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」

手紙の冒頭、「お元気でいらっしゃいますか?」と相手の健康を気遣う挨拶を、よりフォーマルで敬意のこもった表現にすると、こうなります。

■3乾杯の挨拶:「皆さまのますますのご健勝とご活躍を祈念いたしまして、乾杯!」

カジュアルな食事会などで、急に乾杯の挨拶を振られたときも、このフレーズを覚えておけば慌てずに済みそうです。

「ご多幸」とはどこが違う?「類語」と「言い換え」表現

■「ご多幸」 ■「ご清祥」 ■「ご繁栄」 ■「ご清栄」 ■「ご発展」

「ごたこう」と読む「ご多幸」は、文字通り、大変幸せであることを意味します。「ご清祥」は、手紙文で相手が健康で幸せに暮らしていることを喜ぶあいさつの語。「ご多幸」も「ご清祥」も、「ご健勝」と同様に、個人に対してのみ使用する言葉です。

「ご盛栄」や「ご発展」は、ビジネスの繁栄を祝い、組織に対して使用します。

「ご清栄」は、「ごせいえい」と読み、相手の無事と繁栄を喜ぶ挨拶の語。個人と組織、どちらにも使用できる言葉です。ビジネスシーンにおいては、最も汎用性の高い言葉と言えるかもしれません。

「ご健勝」を使う際の「注意点」は?

「ご健勝」は、からだに悪いところがなく健康な状態を指す言葉です。「お元気ですか?」のように、健康状態を尋ねるときに「ご健勝でいらっしゃいますか?」といった使い方はしません。また、ご高齢の方や病気を患っている人、怪我をしている人に対しては、使用を控えましょう。お見舞い状にもふさわしくありません。

相手の健康を案じる文章であれば、「いかがお過ごしでしょうか」といった表現が適切です。

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「ご健勝」は、メールや手紙、スピーチで使われることの多い言葉です。コロナ禍で、なかなか思うように会えない方に、健康を祈念して使う機会が増えているのではないでしょうか。決まり文句のように使われますので、フレーズを覚えて、ビジネスに役立てくださいね。

この記事の執筆者
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