日本各地で育まれてきた高度なものづくりの技術と、若き匠たちの美意識や情熱が結びついた「新時代のジャパンラグジュアリー」を体現する逸品を、ギフトという形で提案しているスタイリストの河井真奈さん。
今回ご紹介いただくのは、すり鉢ともペッパーミルとも、フードプロセッサーとも違う、新感覚の調理器具「USU」です。最大の特徴は、これが“砕くため”のアイテムであること。ナッツや香辛料を“砕きたて”の状態で料理に加えることで、フレッシュな香りと楽しい食感が生まれます。
プロの料理人も虜にしているという「USU」の魅力を、河井さんに詳しく教えていただきました。
世界が認める“町工場”の技術を駆使した、革新的アイテムを発信
「すっきりとシンプルモダンなデザインで、一見しただけでは調理器具とは思えない『USU』は、前職のソニーで多くの新規事業開発に携わってきた古賀 剛氏が設立した会社『RE・LEAF』が手掛けるアイテムです。
彼が取り組んでいるのは、生まれ育った東京・大田区の町工場の技術を生かした、ユニークなものづくり。映像化もされた小説『下町ロケット』で描かれていたように、小さいながらも世界に誇る高いクオリティを擁する工場や職人たちが多く存在するこの町から、ソニーで培った発想力で“発明”とも呼べるような革新的プロダクツを世に送り出しています。
そんな『RE・LEAF』のショールームには、ここにしかない不思議なものが盛りだくさん。実のところ最初に心惹かれたのは、『USU』とは違うアイテムでした。というのも、私は料理があまり得意ではなく…。『まるでインテリアオブジェみたいなのに調理器具なんだ』とだけ思い、自分の店で扱うことは考えなかったのです」
「ところが家に帰って料理好きの夫に『こんなものがあった』と話をしたところ、ビジュアルも見ないまま『欲しい』と興味津々! そうか、料理が好きな人への贈りものにぴったりなのだと気づき、急遽取り寄せることに。
そして自分でも使ってみたら、料理が苦手な人にとっても楽しいアイテムなのだと実感。詳しくは後述しますが、これは思いがけない嬉しい誤算でした」
“砕く”というプリミティブな調理法の魅力を再確認
「そもそも『USU』とはどんなツールなのか…。その答えは名称にあります。とてもそうは見えませんが、これはナッツや香辛料といった硬い食材を砕くための“臼”と“ハンマー”なのです。
歴史を振り返ってみると、“砕く”とは人類が最初に行った調理法。石包丁のような“切る”道具がない時代に、重たい石でドングリやクルミなどを砕いて食していました。『USU』の絶妙な重みの金属製ハンマーと木製の臼を使い、自分の手加減によって好みの大きさに砕いていく。しっかりと食感を感じたければ粗めに、より香りを立てるなら細かめに…」
「刃物で切ったり、麺棒や歯車ですり潰したりするのとは違い、繊維に沿って自然に細かくなるので、食材そのものがもつ香りや歯触りが際立つのが“砕く”ことの魅力。そして、たとえばコーヒー豆も“挽きたて”のほうが香り高いのと同様に、“砕きたて”のほうがフレッシュな風味を楽しめるもの。少量でもしっかりと食材をとらえる『USU』だからこそ、その時に必要な量を最高の状態でいただけます。
テーブルにあっても邪魔にならないCDケースほどの大きさとスタイリッシュな見た目なので、席についたまま “砕きたて”を作るのもおすすめ。食事のシーンにちょっとしたエンタメ感が加わりますよ」
香りによって高められる美味しさを、だれでも手軽に!
「脳科学の研究によると、味わい(美味しさ)を決めるのは舌で感じる味覚以上に嗅覚によるところが大きく、しかも鼻孔から入る香りより喉ごしから鼻に抜ける香りが重要なのだそう。実はこれが、先ほどお伝えした『料理が苦手な人にも楽しい』につながるのです。
なぜなら、たとえば仕上げにふる胡椒などを『USU』で砕くとよりいっそう香りが立つため、料理の腕前は変わらぬまま美味しさがアップして褒められるから! 親子丼にかける山椒も香りがフレッシュで、いつも以上に美味しく感じました」
「そしてもうひとつ、使い勝手のよさも大きなポイントです。私はナッツが好きなので、サラダやヨーグルトなどによく加えるのですが、以前は包丁を使っていたため飛び散ってしまいひと苦労。乳鉢やすり鉢を使っても、同様に飛び散りがちですよね。
また、麺棒で叩いて砕くという方法もありますが、これは音が大きいのが難点。マンション暮らしでは特に気になります。それが『USU』なら静かに、飛び散ることもなくスムーズに好みの大きさにできるのです。
その秘密は、特許出願中の技術で臼とハンマーが同じ円を描くフォルムに仕上げられていることにあります。間に挟まれたものを逃がすことなく、またハンマーの重みによって余計な力をかけずとも押さえる程度で砕けてくれるので疲れません」
「これまでは面倒さが先に立っていましたが、『USU』を使うことが楽しくて、いろいろな食材やスパイスを砕いてトッピングしています。アイデア次第でその可能性は無限大。硬いものだけでなく、ミントやバジルなど香りを立てたいハーブにも利用できます。
今の時期は特に、母の日のギフトに悩んでいる方に全力で推したいアイテムです。料理が得意なお母さんにも、ちょっと苦手なお母さんにも、きっと喜んでもらえるはず!」
クールな見た目も唯一無二!香りを生み出す調理器具「USU」
今回は、驚きと楽しさに満ちた新感覚の調理器具「USU」をご紹介しました。
今年の母の日は5月8日(日)。まだ何を贈るか決まっていない方は、大至急チェックすることをおすすめします!
※掲載商品の価格は税込みで、記事公開時のものです。
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- EDIT&WRITING :
- 谷 花生