頭皮マッサージを始める前に、まずは筋肉の構造を簡単に知っておきましょう。頭を覆っている筋肉は、前側にある前頭筋、後ろ側にある後頭筋、両サイドにある側頭筋の3つ。そして、頭頂部は筋肉ではなく、帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)という筋膜で覆われていて、前頭筋、側頭筋、後頭筋と繋がっています。

この棒状腱膜が加齢や重力によりたるんでしまうと、前頭筋や側頭筋も下がる。すると連動して、顔の皮膚が下がるのでたるみを引き起こしてしまいます。

また、知っておいて欲しいのが、棒状腱膜は筋肉ではないので、何もしなければ、全く動かないということ。しかも薄くて毛細血管が少なく、すぐに硬くなってしまうので、しなやかなハリのある健康的な状態をキープするには「強制的に動かしてほぐす」マッサージがとても重要です。そして、この棒状腱膜にハリが出れば、てっぺんからぐいっと引き上げられるため、強力なリフトアップ効果が!

そこで村木さんが教えてくれるのが、棒状腱膜を効率よくほぐせるマッサージ方法。特に我流のフェイスマッサージはちょっと怖い、という人は頭皮マッサージでたるみケアに取り組むのが得策。また、目の疲れ解消や育毛効果も得られるので、大人はぜひ取り入れてくださいね。

■Step1:指の腹で骨から筋膜を剥がすように揉みほぐす

帽状腱膜のこわばりをほぐしていきます。指を広げて、指の腹で生え際から後頭部に向かって、シャンプーをする感じでジグザグと指を動かしていきます。このとき、指はミリレベルで小刻みに動かしましょう。1ライン約10秒くらいのペースで行って。

指の腹で骨から筋膜を剥がすように揉みほぐす
マッサージ中は深呼吸をしながらリラックスした状態で行いましょう。筋肉が緩みやすくなりますよ。

■Step2:頭頂部をつかみ上げるようにして刺激を与える

両手の指が交差するように、指の腹を当てます。そして、ボールを掴む要領で、骨から筋膜を掴みあげるように中央に寄せ、そのままの状態で、首を「うんうん」「いやいや」と縦2回、横2回、振りましょう。これを10回行ってください。

指の位置をずらし掴む位置を変えて、3か所くらい、同じように行ってください。このとき爪を立てないように気をつけましょう。

頭頂部をつかみ上げるようにして刺激を与える
骨から筋膜をはがすイメージで行いましょう。

【まとめ|たるみ解消に効く!リフトアップする頭皮マッサージのコツ4か条】
1. 頭に薄く広がる棒状腱膜が硬くこわばるとたるみを引き起こす。
2. 帽状腱膜は何もしなければ動かず、すぐに硬くなるので、マッサージでのケアが必須。
3. 骨から筋膜をはがすようにマッサージをするのが効果的。
4. 頭皮がほぐれてハリが出ると顔の皮膚がぐっと持ち上がり、たるみ解消に。

以上、たるみ解消に効く!リフトアップする頭皮マッサージのコツを教えていただきました。

セルフケアは続けることが大事。「誰でも簡単に効果テキメン」のアンチエイジングメソッドに限定して、毎週土曜日にテーマを変えてお届けします。

次回は5月21日の更新です。お楽しみに!

村木宏衣さん
エイジングデザイナー
(むらき ひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」メソッドを確立。2018年「クリニックF」内「Amazing♡ beauty」を開設。最新刊は『10秒で疲れが取れる 奇跡の目元ほぐし』(主婦の友社)。 そしてご自身がプロデュースした美顔器「アメージングローラー」も発売中。「村木式整筋」メソッドのテクニックをセルフケアで簡単に再現できると話題に。Instagram
体験者:長尾優子さん
(46歳・サービス業)
「頭頂部は思った以上に硬くなっていることが、触ってみて初めてわかりました。ここをほぐすととても気持ちがいいうえ、ほんの少しマッサージしただけでも視界が広がったように、頭も目もスッキリする感じ。顔全体がぐっと引き上がって目はキリッと、頬も引き上がったように感じますね」
PHOTO :
松原敬子
EDIT&WRITING :
荒川千佳子