身長156cmのインテリアエディターDが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載。今回は、デンマークブランドの「フリッツ・ハンセン」の人気アイテム『アルファベットソファ』をご紹介します。

『アルファベットソファ』は、置きたい空間、過ごしたいスタイルに合わせてブロックのようにさまざまな組み合わせが可能なモダンなデザインのソファシステム。程よい硬さと水平で広めの座面により、座るだけでなく、寝ることも足を上げて座面で“過ごす”こともできてしまう、“第二の床”のように使える秀逸アイテムです。発売以来、大人気を博しているその魅力を多角的にお伝えします。

着想源はレゴブロック!形も色も自分好みに作れるソファ

『アルファベットソファ』は、レゴブロックにインスパイアを受けデザインされた組み合わせ自由なソファシリーズです。座面パーツとアームパーツを選んで現場で組み立てるので、一つずつ買い足していくことや、廊下が狭くても大きなソファを部屋に置くことが可能。もちろん開梱設置してもらえます。

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【ブランド】フリッツ・ハンセン 【商品名】アルファベットソファ 【価格】¥644,600 【サイズ】幅2100×奥行き1200×高さ 700(mm) 【材質】本体:高弾性3層ウレタンフォーム(高弾性フォーム、硬質フォーム) 脚:樹脂

また、奥行きの異なるものを合わせてカジュアルに楽しむことができるという点も、このアイテムならではの魅力です。

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自由に組み合わせて自分だけのソファにできます。

下の写真は、部屋のコーナーに2色使いで組み合わせたもの。座面パーツが2つ、コーナーアーム1つ、アームパーツ4つの計4つのパーツで構成されています。

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シンプルな『アルファベットソファ』と『スワンチェア』の対比が美しいコーナー。

シート、背もたれ、アームレストはカバー式なので、取り外して洗ったり交換したりすることが可能です。季節に応じてカバーを交換してお部屋の雰囲気をガラリと変えれば、おうち時間を豊かにしてくれます。

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シートとアームと付属クッション(座面パーツ1つに対して1つ付属)に同じ生地を選び、アクセントカラーを効かせた一例。
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自然の素材の色味を拾ったシックな『アルファベットソファ』

日本人が親しみやすい“床座”のように過ごせるソファ

『アルファベットソファ』の奥行きは 1050mmと1200mm の2タイプ。奥行きが深いソファを置いたら空間が狭くなるのでは?と心配な方もいらっしゃるかもしれません。ですが、デンマーク家具らしい程よい硬さの水平面は、まるで“第二の床”のよう!「床面積を立体的に増やせる」と捉え直すと、むしろ使える床面積は広がるとも言えます。

特にソファを背にして床座してしまいがちな方にはおすすめです。

実際、フリッツ・ハンセン広報の方のお子さんも、広い座面で将棋やカードゲームを楽しまれるそう。座って広いアームで洗濯ものを畳んだり、立った姿勢でアームをアイロン台代わりに使ったりすることもあるとか。床でするとなんだか物悲しい家事も美しく効率よく変わり、忙しい日常を便利に整えてくれるのは、本当に助かりますよね。

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脚を上げてゆったりと過ごせる広さ。カードゲームやお昼寝もできる程よい硬さ。アーム先の小さな隙間のようなスペースも椅子のようで心地よく過ごせます。

慣れれば意外と簡単!カバーを替える場合の作業手順

『アルファベットソファ』は、シートとアームを取り外して、すべてのカバーを付け替えることができる仕様です。どのように行うのかを実際に試してみました。

まずはシートとアームの間の溝に手を差し込み、繋いでいる棒の位置を確認します。棒には1か所固定しているネジがあるので、シート面のふくらみを押し下げるようにして探してください。購入の際に付いてくる工具(下の写真の青いハンドルのある六角レンチ)を差し込んで、反時計回りに回します。

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ネジは真後ろにあり、反時計回りに回すとすぐに緩む感触があります。
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棒はアームパーツには2個、コーナーパーツには3個あります。
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シートは土台パーツにレゴの凹凸のようにはめ込まれています。

すべてのネジが緩んだらアームを持ち上げて外し、次に土台パーツからシートも外します。こうしてパーツがバラバラになったら、カバーを留めている面ファスナーをはがして簡単に取り換えが可能に!カバーはドライクリーニングでお手入れできます。

心地よさをトータルデザインする建築家・デザイナー、ピエロ・リッソーニ

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ピエロ・リッソーニは、『アルファベットソファ』と『リッソーニ・ソファ』という全く異なるコンセプト・かけ心地のソファをフリッツ・ハンセンから発表しています。

『アルファベットソファ』の生みの親、ピエロ・リッソーニは、1956年イタリア・ミラノ北東部のブリアンツァ生まれ。ミラノ工科大学卒の建築家・デザイナーです。1986 年のスタジオ・リッソーニ設立以来、一流デザインブランドから家具や照明のデザインを発表し続けています。

2015年にはニューヨークにリッソーニ社を設立。住宅やオフィス、工場、劇場、レストラン、ホテル、ヨット、ショップ、商業エリア、ミュージアム、家具や照明、インテリア、デザイン、グラフィックまで網羅しトータルデザインを手掛けています。

彼の作品は、グッドデザイン賞、ドイツのレッドドットデザイン賞、イタリアのコンパッソ・ドーロ賞などの国際的な賞を多数受賞。レゴブロックのようなオブジェからだけでなく、アルネ・ヤコブセンやポール・ケアホルムといったデザイナーからもインスピレーションを得ながら、多種多彩な名作を意欲的に生み出しています。


今回は、「フリッツ・ハンセン」より大人気のソファシリーズ『アルファベットソファ』をご紹介しました。

店頭ではさまざまなパターンをシミュレーションすることもできるので、ぜひ子供の頃にわくわくしながらレゴで遊んだように自由に組み合わせてみてください。

※掲載商品の価格は、税込みです。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM