「手業(てわざ)のひととき」とは

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漉いた松崎和紙に葉を漉き込む様子

星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」では、発足以来、「その地域、その季節ならではのおもてなし」を提供しています。

「手業のひととき」とは、地域の文化を継承する職人や作家、生産者の方々に出会い、滞在客がその希少な技を間近で見たり、舞台裏を知ったりすることができるご当地文化体験です。

「界」スタッフが、地域の文化を継承する職人や作家・生産者の方々からご当地の文化や手仕事を教わり、その地域に一層愛着を感じた経験から、2021年より開催がスタートしました。

松崎和紙とは

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様々な木の葉が漉き込まれた和紙

長野県大町市の伝統工芸。1042年、和紙の原料である野生の楮(こうぞ)と楡(にれ)の皮を使用して、国宝・仁科神明宮の祭事用に製造したのが始まりと言われます。

その後、農閑期の副業として紙すきの技術が伝承され、松崎地区の産業として広まりました。大町市南部を流れる高瀬川の良質な水と、丈夫な和紙をつくる植物などの豊富な資源に恵まれていたことが発展の理由とも。時代の変遷とともに手漉き職人は減少し、現在では僅かになっています。

「手業のひととき」を担当する職人

腰原 修一氏
信州松崎和紙工業
90年続く信州松崎和紙工業の3代目。今では、大町市で唯一の現役紙漉き職人。大町市で採取した天然の葉や花を漉き込んだ、温かみある和紙作りが特徴。「界 アルプス」の客室のあたたかみのある和紙製の明り採り障子や灯籠なども手掛けている。

「『手業のひととき』を担当させていただく、信州松崎和紙の腰原と申します。平安の昔から当地における手漉和紙の技術を継承している職人です。昨今の伝統工芸をとりまく環境は大変厳しいものがあり、日本の手漉和紙業界も例外ではありません。

今回このような企画をしていただき、少しでも関心を持たれた皆様と、短い時間ではありますが、一緒に創作を楽しみ、普段感ずることの出来ない体験を共有させていただけることに感謝し、これからの伝統工芸の在り方を私自身探ってみたいと思います。どうか興味のある方は、是非御参加していただければ幸いです。」(腰原氏)

丈夫な松崎和紙で水うちわ作り

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中庭の小川で水うちわで夕涼み

地元の楮を用いた松崎和紙は丈夫なことで知られ、耐久性に優れています。その特性を活かし、腰原氏の手ほどきを受けて、松崎和紙の水うちわ作りを体験。原料が入った水槽で和紙漉きを行い、漉いた和紙に、草木の葉や花などの天然素材を思い思いにレイアウトします。水分を切り、一晩乾燥させると松崎和紙が完成です。

翌朝、うちわの骨組みに和紙を貼り付け、最後に表面に水うちわ専用の塗料を塗って仕上げます。完成したうちわは、水に浸して扇げば涼やかさ満点。館内の中央を流れる小川で足水をしながら、涼を取るのがおすすめです。

体験の前後に松崎和紙に触れる

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客室の明り採り

界 アルプスの客室の明り採り障子や行燈には、腰原氏が製作した松崎和紙が使われています。光を通して天然の和紙の風合いを感じることができ、漉き込まれた木の葉があたたかい雰囲気を演出します。
また、体験後には車で約 30 分の国宝・仁科神明宮の参拝がおすすめです。松崎和紙発祥の地といわれる神社で、しめ縄や御朱印に使用する紙、「和守」と呼ばれるお守りにも松崎和紙が使用されています。

地域の伝統工芸「松崎和紙」に、紙漉きやうちわ制作などを通して実際に触れ、文化体験が楽しめる「界 アルプス」の『手業のひととき』。心満たされる貴重な滞在を、ぜひ堪能してみてはいかがでしょうか。

※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。


「豊かな水に育まれた伝統工芸『松崎和紙』で水うちわづくり体験」概要

 ■期間:2022年7月20日(水)までの平日
■時間:宿泊初日20:00~21:30、宿泊翌日10:00~11:00
■料金:1名7,000 円(税込、宿泊費別)
■定員:1日2 組 ※1組2~4名
■予約:公式サイトにて7日前までに要予約

界 アルプス(長野県・大町温泉) 

「信州の贅沢な田舎体感」をコンセプトにした温泉旅館。雪国のアーケード「雁木(がんぎ)」に沿って客室や温泉棟が建ち並び、囲炉裏でのもてなし、冬にはかまくらやかんじきでの雪遊びなど、信州の文化に触れることができます。大浴場では四季折々の景色を愛でながら湯浴みを楽しめます。

問い合わせ先

界 アルプス

TEL(界 予約センター):0570-073-011