年齢とともに、目立ち始める毛穴。見つけたときはつい「老化には抗えないのかも」と思いがちですが、実はトレーニング次第で引き締めることが可能。美容家の小林ひろ美さんにたるみ毛穴について話を伺うと、その原因は「毛穴が目立つのは、加齢とともに真皮がガタついて支えきれなくなることと、肌表面が硬くなってキメが乱れることのふたつの要因」があるとのこと。

このたるみ毛穴を解消したい場合、化粧品の使い方を見直すことも大事なのだそうです。

「真皮の衰えに対しては、アンチエイジングアイテムを使うのはもちろんですが、血流をよくすることも重要です。アンチエイジング成分や肌に必要な酸素を運ぶのは血流なので。それから、肌表面のキメに対しては保湿と角質ケアで対応すれば十分。そして大事なのが、なによりも化粧品の使い方。効果が出るトレーニングでしっかり使えば、たるみ毛穴の解消までがグッと近道になります」(小林さん)

それでは、一体どうすれば毛穴が目立たなくなるのか? 以下から小林さん直伝のメソッドをご紹介します。

毛穴はトレーニング次第で引き締められる
毛穴はトレーニング次第で引き締められる

■毛穴がたるむのは「真皮のへたり&ターンオーバーの乱れ」のせいだった

トレーニングの前に、まずは原因をしっかりおさらいしておきましょう。そもそも肌というものは加齢とともに、ハリや弾力に関係している真皮のコラーゲンなどが減ってくるため、中の柱がグラグラとし、たるんでいきます。

毛穴周りも例外ではなく、重力とともに楕円に変化。それ以外にも、冬は特に肌表面の水分も奪われてしまうことから、バリア機能が弱まり、ターンオーバーが乱れてしまいます。すると、キメが荒れて、たるんだ毛穴がより悪目立ちすることになってしまうというわけなのです。

■毛穴たるみ解消は保湿・角質除去・リフトアップのトレーニングが必須!

そのため、ターンオーバーの乱れによるキメの荒れに対しては、保湿が最も効果的です。しかしその前に、乱れた角層を一度クリーニングする角質除去を行っておくと、よりスムーズに整えることが可能になります。あとはアンチエイジングアイテムでのたるみケアをしっかりと。3つのケアを駆使して、さっそくトレーニングを始めていきましょう!

■1:ローションの3度づけでまずは水分補給

「冬の肌はとても乾燥し、カラカラの状態。なので、まずは肌の中までしっかり水分を入れ込んで、肌内を満タンにすることが先決です。ですが、1度つけただけではなかなか満タンにはならないもの。ローションの量を調節しながら、3回に分けてつけてみてください。しかも、水分が貯蓄されるだけで、毛穴周りもふっくらして目立ちにくくなりますよ」(小林さん)

(1)内側から外側に向かって「横づけ」

内側から外側に向かって「横づけ」
内側から外側に向かって「横づけ」

手のひらに500円玉大のローションをとり、両手に塗り広げます。その後、面積の広い頬の内側から輪郭へ向かってハンコを押すようにずらしてつけましょう。目の周りや額、あごも同様です。

(2)上から下へとタッピングで「縦づけ」

上から下へとタッピングで「縦づけ」
上から下へとタッピングで「縦づけ」

今度は100円玉大のローションを手のひらにとり、両手によくなじませます。両手を使って上から下へと縦方向にタッピングしてローションを押し込んでいきましょう。これでリンパの流れもUPします。

(3)乾きやすい部分を中心に「押しづけ」

乾きやすい部分を中心に「押しづけ」
乾きやすい部分を中心に「押しづけ」

最後に1円玉大のローションを手のひらにとり、両手に塗り広げます。それから、塗り忘れやすい額やあご、小鼻の周りのほか、乾燥しやすい目の周り、口の周りに押し込むようにつけましょう。

(4)水分がちゃんと入ったかの満タンチェック!

水分が満タンかチェック!
水分が満タンかチェック!

グーの形にした手の第一関節と第二関節の間あたりを、乾きやすい目元におき、ひんやりとしているかをチェックしてください。ひんやり、モッチリしていたら、水分が肌に入りきった証拠です。

■2:100たたきで毛穴ストレッチ!

「化粧水を浸透させた後、さらに肌内の血流を巡らせるために行ってみてください。ピアノを弾くような軽いタッチで、肌を指先で優しく刺激していきます。100回もタッチすると、血行が促進され、次に使うアイテムの吸収がよい土台に整う効果が。毛穴トレーニングの準備体操のようなものなので、心して行ってくださいね」(小林さん)

(1)額からあご先まで30回×3セット

額からあご先までたたく
額からあご先までたたく

ピアノを弾くようなタッチで肌を軽くたたきます。下の黒線のように、額から目の下へ10回、目の下から鼻の下へ10回、鼻の下からあご先へ10回ずつ行いましょう。これを3セット繰り返します。

(2)最後にフェースラインを10回たたいて計100回に

フェースラインを10回たたく
フェースラインを10回たたく

つぎに、フェースラインを額の中央からあご先に向かって、10回を目安に軽くたたいてください(白丸印参照)。顔中にある毛細血管がたたき起こされ、血流がよくなるので、血色のよい肌になります。

■3:美容液の○×づけで引き締めて上げる

「たるみ毛穴には2種類の美容液が必須です。ひとつは毛穴の表面をキュッと引き締めるビタミンC美容液。もうひとつはたるみを引き上げるリフトアップ美容液です。また、たるんだ毛穴は、一定方向を向いていないため、なんとなく美容液をつけてもちゃんと美容液が届いていない可能性が! くるくると○を描いたり、×を描くようにしてつけたりすると美容液の効果がより実感できるように」(小林さん)

(1)たるみ毛穴が目立つ頬は「○づけ」

頬は「○づけ」
頬は「○づけ」

こめかみを軽く押さえて少し引っ張り上げて毛穴を元の位置に戻した状態で、○を描くように美容液を塗っていきます。いろんな方向からマッサージするように塗り込むと効果的です。

(2)開き毛穴が気になる小鼻は「×づけ」

小鼻は「×づけ」
小鼻は「×づけ」

ここでもこめかみを軽く押さえた状態で、小さく×を描くようにして、小鼻の周りの毛穴が開きやすい部分に美容液を塗り込みましょう。

実際に小林さんは、艶やかでハリがあり、毛穴ひとつ見えない、なんともうらやましい美肌の持ち主。上記は、そんな小林さんが実際に行っているたるみ毛穴解消トレーニングなのです。簡単なのに高い効果が出るので、ぜひ毎日のスキンケアに取り入れてみてください。

小林ひろ美さん
美容家
(こばやし ひろみ)「美・ファイン研究所」主宰。わかりやすい理論とオリジナルのテクニックが大人気。講演や雑誌、TV出演などでおなじみ。著書に『小林ひろ美の1日中どこでも24時間美容』など多数。
PHOTO :
玉置順子(t.cube)
HAIR MAKE :
尾花ケイコ
MODEL :
真樹麗子(Precious専属)
EDIT :
長田和歌子、佐藤友貴絵(Precious)
RECONSTRUCT :
藤岡あかね