そのうっかり発言、今の時代は要注意です!限りなくグレーだけど、でも…「もしかしたらハラスメント?」
今、リーダー職に就いている人々が悶々と悩んでいるのが、あからさまなハラスメントはNGと理解したうえでの、「グレーゾーン」のやりとりについて。どんなシーンにおける、どんな発言が、どう問題になる可能性があるのでしょうか。みなさんから届いた、悩める【「もしかしたらハラスメント?」実例集】をご紹介します。
これってOK? NG? 悩める「もしかしたらハラスメント?」実例集
・部下に対して、週末にメール「頼んでいたこの案件、月曜に確認したいのでよろしく」
・期日を過ぎて、未熟なレポートを提出してきた部下に「お疲れ様。もういいわ。あとは私がやるから」
これってOK? NG? みなさんは、どう思いますか?
メンタルヘルスの専門家に聞きました!「メンタルヘルスを研究する立場から伝える、ワーキングリテラシー」精神保健学者・島田恭子さん
必死にキャリアを積み、マネジメント職に就いたけど、なんだかうまくいかない。気合いと熱意を大切に働いてきた自分は時代遅れ?どうすれば若手とうまく付き合えるの?そう感じてため息をつくことはないでしょうか。
メンタルヘルスを研究する立場からお伝えしたいことは、ワーキングリテラシーはぜひ、「相手と自分を大切にするため」に使っていただきたい、ということです。そのためにまずは自分を客観視することから始めてみましょう。管理職女性の「陥りやすいワナ」、「いざというときのおすすめセリフ」をお伝えする際、私は女性リーダーを4つのタイプに分け、解説しています。
まず「おせっかいタイプ」。このタイプは、部下を大切に思うあまり、過干渉になる傾向が。「何かあったらいつでも頼ってね」と声をかけるにとどめ、ある程度の“心理的距離”を意識するのがおすすめです。
ふたつ目が「オラオラタイプ」。頑張っているがゆえ、周囲から威圧的ととられる可能性が。「私が間違うことも多いから、気付いたら教えてね」と伝えておくと、相手のハードルも下がると思います。
3つ目は「任せすぎタイプ」。「自由にやってみて」はよいのですが、挑戦に失敗はつきもの。失敗に対する態度によっては、相手は梯子を外されたと感じ、ハラスメントととられることも。「認識のズレがないか確認しましょう」という丁寧なやりとりを心掛けてみてください。
最後が「気を遣いすぎタイプ」。仕事を抱え込みがちな人に多い傾向が。「私はこう思うけど、どう?」など、主張と傾聴をバランスよく行うことがポイントです。
駆け足の解説でしたが、「相手も自分も心地いい」ウェルビーイングな状態を目指し、部下と自分を大切にする。そんな好循環が女性リーダーのウェルビーイングを高めていくことを、心から願っています。
- PHOTO :
- Getty Images
- ILLUSTRATION :
- 村田篤司
- EDIT&WRITING :
- 本庄真穂、喜多容子(Precious)