そのうっかり発言、今の時代は要注意です!限りなくグレーだけど、でも…「もしかしたらハラスメント?」

 

今、リーダー職に就いている人々が悶々と悩んでいるのが、あからさまなハラスメントはNGと理解したうえでの、「グレーゾーン」のやりとりについて。どんなシーンにおける、どんな発言が、どう問題になる可能性があるのでしょうか。みなさんから届いた、悩める【「もしかしたらハラスメント?」実例集】をご紹介します。

これってOK? NG? 悩める「もしかしたらハラスメント?」実例集

 

・定例のオンライン会議のスタート時に…「画面はオンに!○○さん、カメラオンにしてください」

・時短勤務の社員を励ますつもりで…「もう少し頑張れる?私のときは夜遅くまで見てもらえる保育園を探したよ」

これってOK?NG?みなさんは、どう思いますか?


若手世代の働き方研究家に聞きました!人材コンサルタント・平賀充記さん

平賀充記さん
人材コンサルタント
組織コミュニケーション研究家、若者キャリア研究家。「リクルート」にて『FromA』ほか編集長を歴任。退社後「ツナグ働き方研究所」を設立、所長に。人材領域についての幅広い知見をもち、若者マネジメントについての造詣が深い。https://hiraga.jp/

若手世代は「言われたこと以上の仕事をしない」とよくいわれます。彼らにすれば「言われたことをやって怒られるのは意味不明」となります。「職場の電話を真っ先にとるのは新人の仕事」だともいわれます。しかし「固定電話がないから、電話をとる習慣がない」のです。「会議中にスマホを触っている」理由を聞くと、「資料データの信ぴょう性を調べていたんですけど、ダメですか?」と返されます。納得できるかはさておき、問えばそれなりの理由があるもの。だから若い世代の言動が理解できず、頭を抱えるリーダーに僕が言えるのはひとつ。「まずは知ることから」。結局はこれに尽きるのです。

すると「理解できない存在ではない」ことがわかってきます。その時点でストレスは半減するのではないでしょうか。例えば“飲みニケーション”について。2021年の調査で、初めて否定派が6割を超えたそうです。興味深いのは、それが全世代共通ということ。若い人ほど飲みに行きたがらない、などと先入観を抱きがちですが、実はそうでもない。逆に見ると、4割は賛成派なんです。聞いてみると「リスペクトできる人とは飲みにいきたい」「リスペクトするのはつねにアップデートし続けている人」「そういう人の話は参考になる」とか。なるほど。上司の昔の武勇伝を聞いているだけって苦痛だもんな、と腑に落ちました。

一方で「やっぱり共感できない」と感じることも多いでしょう。それはもしかしたら、期待値が高すぎるのかもしれません。デキる人ほど他人にも求めてしまいがちです。僕自身、社員への期待値を下げたことで、関係性がよくなり、急成長を遂げていく…そんな例を見てきました。

僕が女性リーダーをうらやましく思うのは、仕事を離れたインフォーマルな場でのコミュニケーションが上手ということ。趣味などの共通テーマを見つけ、小さくつながるのは女性が得意とするところですよね。まずは自分が鎧を脱ぐ。肩の力を抜く。部下はそんなあなたからの声かけを心から待っていると思いますよ。

 

PHOTO :
Getty Images
EDIT&WRITING :
本庄真穂、喜多容子(Precious)