そのうっかり発言、今の時代は要注意です!限りなくグレーだけど、でも…「もしかしたらハラスメント?」実例集
今、リーダー職に就いている人々が悶々と悩んでいるのが、あからさまなハラスメントはNGと理解したうえでの、「グレーゾーン」のやりとりについて。
どんなシーンにおける、どんな発言が、どう問題になる可能性があるのでしょうか。ハラスメント対策に詳しい新村響子弁護士に監修をお願いし、注意点から理解すべきことまで解説していただきます。
監修してくださったのは…
これってNG?実例集: 部下に対して、週末にメール「頼んでいたこの案件、月曜に確認したいのでよろしく」
「今は多くの企業で、時間外の業務連絡を控える動きが広がっています。EUでは『つながらない権利』が法制化される国もあり、その権利は拡大の傾向にありそうです。時間外労働に関しては、そのぶんの賃金を支払えば、法的にNGではありませんが、プライベートへの配慮と残業代のフォローを忘れないようにしてください。まず、その連絡が本当に必要なのか、今一度考えてみましょう。
部下は上司から仕事を頼まれた場合、『できません』とは答えにくいもの。緊急時のみ連絡、と心得ておきましょう。どうしても必要な場合は、まず『お休みの日にごめんね』という労いの言葉をかけることを忘れずに。さらに、やること前提ではなく、『緊急の案件だけど、月曜までにできそう?』という確認から始めてください。なにより『残業代を申請してね』のフォローもマスト。時間外労働代が支払われないのは、違法です」
これってNG?実例集:時短勤務の社員に、サブに回るよう指示出し「あなたが立案したプロジェクトだけど、今回はアシストに回ってくれる?」
「時短勤務中の社員を気遣って、『よかれと思って』この発言にいたったのかもしれません。ただ、妊娠中だから、育児中だから、介護中だから…そのことを理由に『このレベルの仕事はできないだろう』と決めつけて勝手にマイナス評価を下さないようにしましょう。『時短勤務だから、責任ある仕事を任せられない』というのは根拠のない不当な評価であり、正当な理由なく仕事を与えないことは、マタニティハラスメント、ケアハラスメント、パワーハラスメントに該当することがあります。
どの程度の仕事を頼むのかについては、当人のやる気や体力、キャリアプラン、時間や支援の有無によって異なるもの。必ず本人と話し合って、お互いが納得できる裁量を相談しましょう」
- PHOTO :
- Getty Images
- EDIT&WRITING :
- 本庄真穂、喜多容子(Precious)