親しい人、お世話になってる人が落胆しているときや元気がないとき、あるいは新天地に向かうとき。「激励」の場面はさまざまですが、思いやりのある言葉で力づけてあげたいものです。でも言い方を間違えると、かえって逆効果になりかねません。ましてや相手に「無礼だ」という印象を与えてしまっては、今後の関係にもよい影響は与えません。相手の気持ちや立場に配慮した「激励の言葉」をご紹介します!
【目次】
【「激励の言葉」を使いこなすための「基礎知識」】
■「意味」は?
「激励」は「げきれい」と読み、「はげまして、奮い立たせること」を意味します。「激励の言葉」とは、「相手を元気づけるための言葉」のことです。
■「激励」の言い換えは?
・力づける ・励ます ・引き立てる
■ビジネスシーンではどんな「効果」を発揮する?
ビジネスでの「激励」のシーンといえば、昇進や異動、退職などが思い浮かびますね。上司や取引先など、目上の方には、これまでお世話になったお礼を伝えたうえで、今後の活躍や幸せを「祈る」言葉を贈るのがいいでしょう。
新入社員や新しく配属された社員は、なじみのない環境で緊張しているものです。受け入れる側としては歓迎の挨拶のあと、早く新しい環境に慣れて実力を発揮できるよう、不安を解消してあげるような言葉をかけてあげたいですね。
栄転や昇進など、喜ばしい場面以外でも、なんらかのトラブルや不運に見舞われた人に「激励の言葉」をかけることもあります。特に、親しい関係の人が落胆しているときや元気がないときは、思いやりのある言葉で力づけてあげましょう。
【「激励の言葉」をかけるときの「注意点」】
■「頑張れ」を安易に使わない
「激励」という言葉を聞いて、真っ先に思い浮かべるのは「頑張って」という言葉ではないでしょうか。子供から大人まで、スポーツや受験など、あらゆるシーンで相手にパワーを送ることができる力強い言葉です。ただし、「頑張れ」という言葉を使うときには少々注意が必要です。「頑張れ」は要するに「努力しろ」という意味。「現段階ではあまり努力をしていないのだから、今後、努力するように」という趣旨に受け取る人もいるようです。
■「激励」は基本的に「上から下に」するもの
目上の人に対し、目下の側が行動を決め、指図するようなことを言うのは、そもそも失礼にあたります。頑張るのも頑張らないのも目上の人の勝手であり、目下の人間が「頑張れ」のように声をかけるべきではないのです。応援する気持ちを伝えたり、前途の幸運を祈ったりする程度に留めましょう。
【ビジネスシーンでそのまま使える「激励」のフレーズ】
■取引先や上司など「目上の人」へ
1:「新天地に赴かれましても、いっそうのご活躍(ご健勝)をお祈り申し上げます」
2:「皆、部長のことを応援しています」
3:「お疲れさまでございました」
4:「お力を存分に発揮できますよう祈念しております」
5:「ご無理なさいませんように」
6:「部長のことを心より尊敬しております」
7:「お気持ち、お察しいたします」
■「同僚」に対して
1:「異動先でもいっそうの活躍を祈っています」
2:「実力を存分に発揮できますように祈っています」
3:「悔いのないようお互いに頑張りましょう」
4:「お疲れさま」
5:「○○さんが気に病むことではないと思いますよ」
6:「必ずこの困難に打ち克ちましょう」
■「部下」や「後輩」に向けて
1:「異動先でも○○さんらしく頑張ってください。活躍を期待しています」
2:「実力を存分に発揮できますように!」
3:「悔いのないように頑張りましょう」
4:「ご苦労さま」「お疲れさま」
5:「焦らずじっくり力を蓄えてください」
6:「まだまだこれからだよ」
7:「君が気に病むことはありません」
8:「○○さんがいてくれて、助かりました」
9:「期待以上の成果でしたよ」
10:「頼りにしています」
11:「最善を尽くしてください」
12:「ここが踏ん張りどきだよ」
13:「私もしっかりサポートするから大丈夫だよ」
14:「自信をもって頑張ってください」
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「激励の言葉」には、相手の不安を解消したり力づけたり、応援する気持ちが込められています。自分が新人だったとき、どんな言葉をかけられてうれしかったか、思い出してみるのもいいですね。ただし、上司や取引先など、目上の方を励ます際には、慎重に言葉を選ぶ必要があります。自分の立場をわきまえ、心が伝わるフレーズを選びたいですね!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『大人の語彙力ノート』(SB Creative) /『心が通じる 手紙の美しい言葉づかい ひとこと文例集』(池田書店)/『印象が飛躍的にアップする大人の「言い方」練習帳』(総合法令出版) :