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本塩町の場所は?「最寄り駅」と「地図」
四谷は歴史のある街です。JR四ツ谷駅の麹町口を出て左手に見える石垣、「旧四谷見附門」は、江戸時代に甲州街道から外堀を渡って江戸城外郭に入るところに造られたもので、人馬の出入りを調べていました。また、四ツ谷駅から飯田橋駅までの間には「江戸城外堀」が残っていて、今でも水を湛えています。 さらに「江戸城外堀」沿いにある外堀通りを北に行くと、今回の散策スポット、本塩町があります。読み方は「ほんしおちょう」です。
本塩町の「最寄り駅」
本塩町の最寄り駅は四ツ谷駅。JR中央・総武線、東京メトロ丸の内線・南北線が通っています。新宿までは電車で6分、東京駅までは9分の距離。都心の真ん中に位置しているので、どこに行くにもアクセス抜群なのが魅力です。そのほか、東京メトロ有楽町線の通る麹町駅や東京メトロ丸ノ内線の通る四谷三丁目駅、JR中央・総武線の市ケ谷駅なども利用できます。
本塩町の「場所」
本塩町の「歴史」と「由来」
本塩町の「歴史」
国立国会図書館のデジタルコレクション『地図で見る新宿区の移り変わり 四谷編』』(新宿区教育委員会)に掲載されている江戸時代の地図である「千駄ヶ谷鮫ヶ橋四ツ谷絵図」によると、このエリアは、江戸時代から主要道路が整備され、四谷御門から広がる城下町として栄えていたことが伺えます。また、再開発計画によって2020年に完成した多機能施設「コモレ四谷」の建設前に実施された2年にわたる大規模調査では、酒や味噌を作る麹菌を培養する施設「麹室(こうじむろ)」が見つかりました。この辺りでは、江戸時代初期から、大規模に麹が生産されていたことがわかります。
本塩町内には西に下る「比丘尼(びくに)坂」という坂があり、標柱には「昔、この坂の近くの尾張家の別邸に剃髪した老女がいたことから、こう呼ばれた」とあります。尾張家とは、現在の市谷本村町にあった尾張徳川家の上屋敷のこと。現在は防衛省施設がある場所です。ちなみに市谷本村町は、靖国通りを挟んで本塩町の隣にあります。
本塩町の名前の「由来」
本塩町の町名は、江戸時代に島原の乱で諸国神馬の御用勤めをした、大伝馬町(中央区日本橋)の馬込勘解由らがこの地を拝領したことに由来しています。大伝馬町にある塩町と区別するため、当時は「四谷塩町」と呼ばれていたそう。ちなみに「塩町」という町名は全国各地にありますが、おおかた「そのエリアに塩屋、あるいは塩の生産者が多かった」「海の近くなどが理由で塩が取れていた」など、「塩」にまつわることに由来します。
本塩町の「魅力」
■1:緑の多い地域でいつでもリフレッシュできる
四谷は都内では珍しく、周辺を緑に囲まれています。いくつかご紹介しましょう。
◆外濠公園
明治以降、江戸城外堀の一部はJR中央線の敷地となり、また戦後はさらに埋め立てられて「外濠公園」ができました。テニスコートや野球場、子どもたちが遊べる公園などがあり、桜の名所として知られています。
◆明治神宮外苑
明治神宮外苑内にも、子ども用の遊具施設やテニスコート、球場、ゴルフ練習場などがあります。青山通り口にある銀杏並木はとても美しく、訪れた人を魅了し続けている観光スポット。また、明治神宮外苑の北西の端にある都立明治公園には、新宿区の天然記念物に指定されているシイの木があります。樹齢は400年なのだとか。もともとは、本塩町にある雪印メグミルク本社近くにあったもので、外堀通りの工事に伴ってここに移されました。
◆迎賓館赤坂離宮
明治42年に東宮御所として建設された、日本では唯一のネオ・バロック様式による宮殿建築物。 国際会議の場としても使用されている国宝です。 公園ができ、ショップやカフェがあります。
■2:周りには文化施設がたくさん!
四谷は魅力的な文化施設がそろう町でもあります。
◆聖徳記念絵画館
正徳記念絵画館の館内には明治時代の出来事を描いた巨大な80枚の壁画があります。青山通りの入り口から入ってきて銀杏並木越しに見る建物の景色がとても美しい場所。ときには、ファッションショーなどのイベントも行われています。
◆帝国データバンク史料館
事前予約制で入れる史料館で本塩町内にあります。館内には、信用調査事業の歴史が展示されています。
◆DNPプラザ
市ケ谷駅近くにある大日本印刷が運営する施設で、さまざまなジャンルの本が展示されていて実際に購入することもできます。ワークショップなども開催されている穴場スポット。
■3:徒歩圏内に 商業施設が充実!
再開発により四ツ谷駅周辺はとても生活しやすくなりました。2020年に完成したコモレ四谷にあるモールには、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストア、100円ショップ、クリーニング、郵便局、保育園など生活に便利なお店や施設が揃っています。お手軽に入れるレストランやカフェも充実。
歴史のある公園や文化施設が近くにとても多いのは、江戸時代からの歴史がある四谷ならでは。東京の中心地でありながら、これだけの自然に囲まれていればとても充実した生活ができそう。新しく商業施設もでき、さらに暮らしやすくなっています。終の棲家の候補に入れてみてはいかがでしょうか。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- EIKO YANAGIBORI,AC
- WRITING :
- 柳堀栄子