プレシャス世代のトップキャリアから落語家、フリーアナウンサーなど、さまざまな分野で活躍するマンガ好きたちの、人生に影響を与えた一冊をうかがいました。昔懐かしい名作マンガから今をときめく作家の話題作まで、それぞれの心にどう響いたか…興味深いエピソードが満載です。

今回は、落語家・柳亭小痴楽さんが推薦する『ひらばのひと』についてお届けします。

柳亭 小痴楽さん
落語家
(りゅうてい・こちらく)五代目・柳亭痴楽のもとに生まれ、16歳で落語の世界へ入る。’19年に真打昇進。読書家、映画好きとしても知られ、取材の最中『BLUE GIANT』も好きなことを思い出す。

【落語家・柳亭小痴楽さんの推薦】

楽屋裏のやりとりまでリアル!講談の魅力が伝わる小ネタも満載|『ひらばのひと』著=久世番子

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『ひらばのひと』各¥715、著=久世番子、講談社、既刊3巻

「修業時代、僕に講談のおもしろさを教えてくれたのは神田松鯉先生です。でも正直なところ、その魅力を理解しきれていなかった部分も否めず。そんなとき手にしたのが講談師の世界を通じて、芸の道に邁進する主人公の成長を描いたこの作品です。

赤穂義士伝は知ってはいても、武士がどんな思いで仇討ちの前日を過ごしたか…。このマンガでは、そうした史実と登場人物のドラマが絶妙に重なって、講談の世界を深掘りできます。

そんな人間くさい部分を知ることで話に奥行きが出て、がぜん、講談はおもしろくなる。僕も改めて赤穂義士伝を読み返したり、知的好奇心を刺激された一冊です」

〈『ひらばのひと』作品詳細〉

絶滅危惧“職”といわれる講談師として日々精進する、姉弟子の泉花(せんか)と弟弟子の泉太郎(せんたろう)の成長物語を描く。実際の講談の演目も多数登場し、登場人物たちの人生と絡み合う。六代目・神田伯山先生の監修。『月刊モーニング・ツー』にて隔月連載中。

※掲載商品の価格は、税込みです。

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EDIT&WRITING :
正木 爽・宮田典子・剣持亜弥(HATSU)、喜多容子(Precious)
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