「妬む」とは「人を羨(うらや)んで憎む」こと。昇進や恋愛・結婚、収入など、さまざまな要因が絡まって人間関係を難しくしてしまう、なんとも扱いの難しい感情です。今回は、「妬む」の意味や類語表現、「妬む人」の心理などを解説します。「妬み」に由来するトラブルの予兆を感じている人は、参考になさってみてくださいね。

【目次】

不満から生まれる、理不尽な憎しみの感情です。
不満から生まれる、理不尽な憎しみの感情です。

【「妬む」を正しく理解するための「基礎知識」】

■読み方

「妬む」は「ねたむ」もしくは「そねむ」と読みます。「ねたむ」が一般的ですね。

■意味

「妬む」には3つの意味があります。

・他人の幸せや長所を羨(うらや)ましく思って憎むこと。
・男女間のことで嫉妬する。やきもちを焼く
・腹を立てる。恨み嘆く。

共通した感情は、「人を憎む」こと。自分と人を比べ、自分より上の立場にいる人を羨み、憎しみを募らせるさまを表現した言葉です。その要因は昇進や結婚・恋愛、地位、収入などさまざまですが、裏を返せば、「相手は自分よりも上」であることに、理不尽な怒りを溜めている状態です。

【「妬む」の「使い方」がわかる「例文」4選】

■1:「目には見えない他人の努力を知らずして、人の才能を妬んではいけない」

■2:「競争相手の成功を妬んで失脚を謀ったA氏は、結局自分自身の地位を失った」

■3:「犯人は動機について、被害者を妬むあまり殺意を覚えたと供述している」

■4:「同僚の男性の昇進を妬んでしまう、自分自身の気持ちの揺れに苦しんだ」


【「妬む」の「類語」「言い換え」表現】

■嫉(そね)む

「ねたむ」と「そねむ」は、「恨み憎む」という意味では同じように用いられますが、「順調な出世を妬み、嫉みが大きい」のように、重ねて使われることもあります。また、「嫉む」の方が「妬む」に比べて、憎み恨む気持ちが強いとされています。

■妬(や)く

「妬く」も「妬む」同様、「羨(うらや)んで憎む」という意味です。

■嫉妬

「嫉妬」は「他人が優れていることを羨み妬むこと」。

■羨望(せんぼう)

「羨望」とは羨むこと。「妬む」と比べ、憎しみのニュアンスは強くありません。

■嫉視( しっし)

「嫉視」は「妬み憎む気持ちで見ること」という意味の書き言葉です。

■妬心( としん)

こちらも「妬み心」という意味の書き言葉。


【「妬む」を英語で言うと?】

「妬み」や「嫉妬」に相当する英単語は[envy][jealous]です。例えば、「彼は友達の昇進を妬んでいる」は以下のように表せます。

・He envies his friend (for) his promotion.
・He is envious [jealous] of his friend's promoted.

・They are saying scandalous things about you out of envy [jealousy].
(彼らは君を妬んでひどいことを言っている)


【「妬む」人は努力しない人?その心理と「対処法」】

■「妬む」気持ちは「人と自分を比べる」ことから

実は「妬む」という感情は、相手の気持ちとはあまり関係がありません。実際に相手が自分を下に見ているときは無論のこと、実は自分をリスペクトしていようとも、はたまた自分のことをまったく認識していなくても、単純に「自分より上にいる」あるいは「自分にないものをもっている」ことが許せないのです。ある意味、非常に理不尽な憎しみであり怒りであると言うことができます。

■「妬む」人の特徴は?

「妬む」人の根底には、「本当は私のほうが優れているのに…」という感情があるものです。プライドが高く、負けず嫌いなため、他人と自分を比較して、自分の優位性を確認しようとするのです。裏を返せば、自分に自信がもてない人であるとも言えます。誰かを羨んだり憧れたりする気持ちを、「あの人を目標に頑張ろう!」とポジティブな気持ちに変換することができません。羨望を募らせ、憎しみに捉えられてしまうのです。

■「妬まれて」しまったら…

「妬み」は非常に理不尽な感情です。あなたが相手に好意をもとうと親切にしようと、相手があなたを妬ましく思うことは止められません。もしかしたら、関わること自体が火に油を注ぐ結果になってしまうかもしれませんので、もしも近くにそのような人がいる場合は、不自然に見えない程度に距離を取りましょう。無視は逆効果ですから、会話は差し障りのない範囲にとどめ、できるだけプライベートは明かさないことです。

■もしもあなた自身が「妬み」の感情に囚われてしまったら…

「妬み」の原因は、その対象者にはないことを覚えておいてください。あなたが羨む、素敵な恋愛や豊かな生活は、あなたを犠牲にして成り立っているわけではありませんよね? 羨望を憎しみに転化して相手にぶつけるのは間違いです。「妬み」というネガティブな感情が、あなた自身を救ってくれることは決してありません。

***

「妬む」という感情は、自分がその対象になるのはもちろん、自分自身が誰かを妬んでしまうのも、苦しいものです。人と自分を比べる必要はないとわかってはいても、身近な人の成功や喜びを前に、心に痛みを感じてしまうのは、ある意味仕方のないことです。もしも自分の中に「妬み」の「芽」を感じたら、大きく育つ前にできるだけ早く、摘んでしまいたいものですね。

この記事の執筆者
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