【目次】

若宮町ってどこにあるの?「場所」

牛込台地の上にあって個性際立つマンションが「レジェンドヒルズ市ヶ谷若宮町」です。お隣には国の重要文化財に指定されている最高裁判所長官公邸「旧馬場家牛込邸」があります。この建物を取り囲むように高級マンションが並びます。
牛込台地にあって個性際立つマンションが「レジェンドヒルズ市ヶ谷若宮町」。お隣には国の重要文化財に指定されている最高裁判所長官公邸「旧馬場家牛込邸」があります。そしてこの「旧馬場家牛込邸」を取り囲むように高級マンションが並びます。

東京都新宿区若宮町は「地盤が硬い」と言われる牛込台地の高台にあります。すぐお隣は歴史のある上品な街として知られている神楽坂。若宮町は飲食店の並ぶ神楽坂通りにも近い位置にあります。神楽坂のほかに若宮町に接しているのが、 市谷船河原町、市谷砂土原町、払方町、南町、袋町。この辺りの町名の中には、江戸時代から続く情緒を感じるものが数多くあります。「丁目」がないものもあり、若宮町もそのひとつです。

若宮町の「最寄り駅」

飯田橋駅周辺には江戸城防御の役割をしていた外堀があります。この辺りの外堀は、もともとあった谷を掘り抜いて作られたもの。牛込から市ヶ谷を経て四ツ谷あたりまでの堀跡には遊歩道があり、「江戸城外堀」を保存するための公園になっています。左手に見える白い建物が外堀の中にあるイタリアンレストラン「CANAL CAFE」。とても気持ちの良い場所です。
飯田橋駅周辺には江戸城防御の役割をしていた外堀があります。これはもともとあった谷を掘り抜いて作られたもの。牛込から市谷を経て四谷あたりまでの堀跡には遊歩道があり、「江戸城外堀跡」を保存するための公園になっています。左手に見える白い建物が外堀の中にあるイタリアンレストラン「CANAL CAFE」。とても気持ちのよい場所です。

若宮町から外堀に向かって坂道を歩いて下っていくと8分ほどで着くのが飯田橋駅。飯田橋駅は、JR中央・総武線、東京メトロ東西線と有楽町線、南北線、都営大江戸線が通っていて使い勝手がとてもよいです。そのほか、都営大江戸線の牛込神楽坂駅や東京メトロ東西線の神楽坂駅も利用できます。どの駅にもスーパーマーケットやコンビニエンスストア、薬局、レストランなどが揃っています。

若宮町の「地図」

若宮町の「歴史」と「由来」

左手に見えるのが「毘沙門天善國寺」です。ここには「毘沙門天像」が安置されています。毘沙門天様への信仰は徳川将軍家の信仰が篤かったのですが、江戸末期頃には庶民の尊崇の的にもなり「神楽坂の毘沙門天」として親しまれていたそう。
神楽坂の坂上の1枚。左手に見えるのが「毘沙門天像」が安置されている「毘沙門天善國寺」。毘沙門天は徳川将軍家が厚く信仰し、江戸末期ごろには「神楽坂の毘沙門天さま」として庶民にも親しまれたそう。

「毘沙門天善國寺」の脇にある道を南へ進むと、すぐに若宮町があります。若宮町周辺は、お隣の神楽坂と同じく、江戸時代初期、 寛永年間(1624~1644年)ごろは大名や旗本の住む武家地でした。そしてのちに庶民の町へと変わっていきます。神楽坂近辺を発展させたのが、この「毘沙門天善國寺」。寛政4(1792)年の火事により麹町から神楽坂へと移転されてきた「毘沙門天善國寺」の門前に店や民家が徐々に増えて次第に賑わってきました。明治になると花街もつくられ、みるみる発展していきました。この周辺にはそのころに創業したお店も現存、また、ちょっと脇道に入ると古い石畳が残されていて、歴史を感じながら散策を楽しむことができます。

「旧馬場家牛込邸」は敷地面積が約3800m2もあって広大です。昭和3年に富山で海運業を営んだ馬場家の東京拠点として建てられました。昭和22年以降は最高裁判所長官公邸として使用されていましたが現在は使われていません。
「旧馬場家牛込邸」は、昭和3年に富山で海運業を営んだ馬場家の東京における拠点として建てられたもの。昭和22年以降は最高裁判所長官公邸として使用されていました。現在は老朽化が指摘され、使われていません。

若宮町にある代表的な建物が、国の重要文化財でもある「旧馬場家牛込邸」。昭和3年に建てられた、昭和初期を代表する希少な大規模和風建築です(現在は倒壊の危険性が高まり、非公開)。かつてこの辺りが武家屋敷だったこともあってか、この邸宅周辺の高級マンションも、多くが和モダンな造り。落ち着いた雰囲気があります。

若宮町の「由来」とは?

若宮八幡宮は現在はとても小さな神社ですが、太田道灌により再興された際にはとても大きくて見事な境内があったそう。
「若宮八幡宮」は現在はとても小さな神社ですが、太田道灌により再興された際にはとても大きくて見事な境内があったそう。

若宮町の町名は、この町の鎮守が「若宮八幡宮」だったことに由来します。「神楽坂」の名の由来のひとつに「“若宮八幡宮”の神楽の音が坂まで鳴り響いたから」という説がありますが、その説に名前があがる「若宮八幡宮」が現在の「神楽坂若宮八幡神社」です。

「若宮八幡宮」は、鎌倉時代に源頼朝が戦勝を祈念して建立したとされていて、そののちに衰退していたのを太田道灌(どうかん)が文明年間(1469~1487年)に江戸城鎮護のために再興しました。

若宮町の3つの「魅力」

■1:神楽坂に近く路地裏散策が楽しい

賑やかな神楽坂から住宅地が広がる若宮町へと続く小道にも飲食店が点在しています。知る人ぞ知る名店があったり、老舗の料亭が現れたりするのがおもしろい。
にぎやかな神楽坂から住宅地が広がる若宮町へと続く小道にも飲食店が多くあります。知る人ぞ知る名店があったり、老舗の料亭がきゅうにひょっこり現れたりするのがおもしろい。

若宮町はとても静かな住宅地ですが、そこから2分程度の距離に賑やかな神楽坂があります。神楽坂は老舗の料亭や居酒屋が集まるエリア。最近では話題のグルメスポットや有名飲食店、ショッピングスポットなども増え、昔ながらのお店と今どきのお店が混ざり合って独特の雰囲気を作り出しています。

アンスティチュ・フランセ東京があるのは「逢坂」と呼ばれる坂の途中です。ひとりの娘が亡き恋人とこの坂で再び逢う夢を見たという言い伝えが名前の由来なのだそう。「逢坂」を登っていくと若宮町にある「旧馬場家牛込邸」に出ます。
東京日仏学院(アンスティチュ・フランセ東京)があるのは「逢坂」と呼ばれる坂の途中です。ひとりの娘が亡き恋人とこの坂で再び逢う夢を見たという言い伝えが名前の由来なのだそう。「逢坂」を上っていくと若宮町にある「旧馬場家牛込邸」に出ます。

また、神楽坂は「リトル・パリ」とも呼ばれていて、フランスとも縁が深い場所。これは若宮町のお隣、市谷船河原町にある「東京日仏学院(アンスティチュ・フランセ東京)」が1952年に設立されたことが関係しているともいわれています。「東京日仏学院(アンスティチュ・フランセ東京)」は、フランス政府公式の語学学校、文化センターです。

ミシュランで1つ星を獲得している「ルグドゥノム・ブション・リヨネ」では、リヨンの郷土料理が味わえるそうです。
ミシュランで1つ星を獲得している「ルグドゥノム・ブション・リヨネ」では、リヨンの郷土料理が味わえます。

神楽坂周辺には、所々にフレンチレストランやバルなどが点在しています。若宮町から「毘沙門天善國寺」に出て「神楽坂通り」を横切り、「本多横丁」へと入っていくとすぐに、連日たくさんの人で賑わう「ルグドゥノム・ブション・リヨネ」というフランス料理店が見えてきます。「本多横丁」という通りの名の由来は、この通りに江戸中期から明治初期まで旗本の本多家の邸宅があったからなのだとか。飲食店がたくさん並んでいる横丁です。

■2:駅から近い高台にあってスーパーマーケットなども揃う

牛込神楽坂駅があるのは新宿区箪笥町(たんすまち)です。江戸時代に幕府の使用する武具のことを御箪笥と言いました。この地には、この武具をつかさどる具足奉行や弓矢槍奉行が住んでいたそうです。
牛込神楽坂駅があるのは新宿区箪笥町(たんすまち)です。江戸時代に幕府の使用する武具のことを御箪笥と言いました。この地には、この武具を司る具足奉行や弓矢槍奉行が住んでいたそうです。

神楽坂や若宮町など、江戸時代には武家屋敷が建ち並んでいた牛込台地は人気のある高級住宅街エリアです。特に若宮町は、複数の路線が通る飯田橋駅から徒歩10分圏内。高台にありながらも、利便性が高い立地が魅力的です。

若宮町は、東京メトロ東西線の通る神楽坂駅からも徒歩10分程度。「毘沙門天善國寺」周辺よりもさらに奥にある神楽坂駅周辺は「奥神楽坂」と呼ばれていて、アパレルショップや雑貨店など個性的な店が並ぶ落ち着いた雰囲気のある場所です。なかでも、神楽坂駅前にあって注目を集めるのが「AKOMEYA TOKYO in la kagū」。お米を中心としたライフスタイルショップ「AKOMEYA TOKYO」の 旗艦店です。また、都営大江戸線の通る牛込神楽坂駅近くには大久保通りがあり、その通り沿いには大きなスーパーマーケットやカフェが充実していて買い物には困らない環境が整っています。

■3:近隣の学生たちで賑い活気がある

東京理科大学神楽坂キャンパス
神楽坂にある「東京理科大学近代科学資料館」のこの白い瀟洒な建物は、明治時代の校舎外観を復元したものだそう。入場無料の大学の博物館で、近代科学の進展の歴史などが展示されています。

この近辺には「東京理科大学 神楽坂キャンパス」、「日本歯科大学 東京キャンパス」、「法政大学 市ケ谷キャンパス」など、飯田橋駅周辺には複数の大学があります。

江戸城牛込見附跡から南へ、四ツ谷駅付近までは江戸城外堀が続いていますが、外堀跡から外堀通りを挟んだ西側には、「東京理科大学」の校舎が並んでいます。 「東京理科大学」は、明治14(1881)年に「国の繁栄は科学技術が基盤である」との建学の精神から建てられた「東京物理学講習所」が始まり。校舎の近くには「東京理科大学近代科学資料館」があります。この建物の地下にあるのが「数学体験館」。「数学体験館」では、数学を五感で楽しく学べる教具・教材の展示がされていて、数学の楽しさやおもしろさを体感することができます。

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魅惑的な飲食店が並ぶ神楽坂からも近く、複数の路線が通る飯田橋駅からも程よく近い新宿区若宮町は、歩いてみてとても住みやすそうで、楽しい街だと感じました。賑やかな街に近い立地ながらも、とても静かな住環境で、スーパーマーケットや薬局など生活に欠かせないお店がそろっているのも魅力的です。高級住宅街ですが、この場所に一度でいいから住んでみたいと思いました。

参考:新宿文化絵図 新宿まち歩きガイド(新宿区)
     新宿区ホームページ
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PHOTO :
柳堀栄子
WRITING :
柳堀栄子