圧倒的な存在感と天性の才能で世界を魅了した、パワフルウーマン「エルサ・ペレッティ」とは
『オープンハート』や『ボーン カフ』、『ダイヤモンド バイ ザ ヤード』など、ひと目でティファニーとわかる独創的なデザインで、世界を代表するトップブランドの象徴ともいうべきジュエリーたち…。これらの作品が、ひとりの女性デザイナーによって生み出されたということをご存じですか?
長きにわたり、ティファニーでデザイナーとして数多くのコレクションを手がけるエルサ・ペレッティ。1940年、イタリアのフィレンツェの名家に誕生したペレッティは、幼いころから自然を愛し、貝殻や石を集めてはお守りにするような少女でした。ローマやスイスで教育を受け、ミラノの建築事務所に勤めた後、60年代には当時のヨーロッパ文化の中心であったバルセロナへと渡ります。画家サルバドール・ダリのモデルとなり、彼が所属するアートグループへ加入。そこで得た経験が、ペレッティの芸術や建築への造詣を深めたのです。
1969年、N.Y.へ渡ったペレッティのデザイナー人生を運命づけたのは、当時のマンハッタン社交界の中心的人物であったファッションデザイナー、ホルストンとの出会い。圧倒的なオーラと研ぎ澄まされた感性を認められ、彼のミューズとなったペレッティは、ランウェイに登場するだけでなく、ジュエリーデザインを手がけるなど、彼のチーム活動を開始します。また伝説のクラブ「スタジオ54」の常連だった彼女は、トルーマン・カポーティやアンディ・ウォーホル、ヴォーグの名編集長だったダイアナ・ブリーラントなど名だたるセレブの寵愛を受け、スターとしての地位を不動のものに。
そして1974年…。時代の寵児と世界のトップジュエラーティファニーとの契約が発表されると、5番街のブティックに女性たちが押しかけました。「スタイルはシンプルであれ」という美学に裏打ちされた究極にミニマルなデザインは、70年代のジュエリー界にも革命をもたらしたのです。
自由で、強く、エレガント。女性の憧れが詰まったジュエリーを輝かすのは、彼女の生き様でした。
「エルサ・ペレッティ」のデザインしたティファニーのジュエリー6選
■1:「ダイヤモンド バイ ザ ヤード」デコルテを埋める輝きが、素肌に最上級の気品をもたらす
ヘビをモチーフとしたユニークなネックレスを中心に、繊細な3本のネックレスを、長さを変えて重ねづけしたレイヤードテクニック。
■2:「ファセットカフ」リッチな黒に負けない存在感が、まとう女性の個性を際立たせる
身近な自然から美の本質を捉え、フォルムを引き出すのがペレッティの特技。鋭利な毒針をもつサソリをモデルに、シンプル美を追求する彼女が導き出したのは、こんなにもモダンなデザイン。まろやかな光沢のウールブラウスにシルバーのシャープな輝きが、洗練をもたらす。
■3:「セビアナ カフ」重ねるごとに増してゆくインパクトジュエリーの貫禄
日本の漆技術に魅了され考案したラッカー(右)をはじめ、シンプルでタイムレスなデザインは、気品を感じさせる知的な手元を演出。
■4:「ボーン カフ」体と調和するフォルムがしなやかな女らしさを香らせる
ビーン(豆)やボーン(骨)など、生命力を感じさせるものが、彼女のデザインの起源。自然が生み出す豊かな曲線美を生かしながらも、ムダをそぎ落としたミニマルなフォルムに、妥協を許さないペレッティの美学が宿る。
■5:「メッシュ」黒のタートルニットに映える繊細ジュエリーの華やぎ
まるでファブリックのようにしなやかに揺らめくのは、ゴールドをていねいに編み込み、メッシュ状にしたピアス。好奇心旺盛なペレッティの斬新なアイディアとティファニーが誇る高いクラフツマンシップは、ソリッドなジュエリーの概念をも覆す。指先には、波を模したリングが輝いて。
■6:「ボトルペンダント」華奢なロングネックレスを、ブラウスのVラインに沿わせて
ペレッティが初めてデザインしたジュエリーは、「花を持ち歩き、生かしておけるように」と提案した、ボトル形のペンダント。
以上、1970年代おファッションミューズとして注目を集めながら、ティファニーのジュエリーデザイナーとして活躍してきたエルサ・ペレッティがつくりだしたジュエリーたちをお見せしました。構成的でありながら、極めてシンプル。時代を超えて愛されるそのジュエリーたちは、あなたの着こなしをより洗練されたものに変えてくれることでしょう。
※掲載した商品はすべて税抜です。
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- 小池紀行