【目次】

「オーラがある」とは?「オーラ」の基礎知識

■意味と由来

ますは「オーラ」の意味から。人体から発する霊的な放射体を「オーラ」と言います。これは風や香気、輝きなどを意味するラテン語の[aura]に由来し、体を取り巻く光の帯のようなもので、通常は超能力者にしか見えないとされています。

オーラは強弱はあるものの「誰もがもっている」と言われ、その色合いは千差万別です。しかし、「オーラがある人」や「オーラを感じる」という場合の「オーラ」は、実際にその放射体を言っているのではなく、「魅力がある」とか「エネルギーを感じる」というようなことを表しています。つまり、「オーラがある人」とは、「他人を惹きつける魅力がある人」という意味なのです。

■使い方

「オーラがある」以外の「オーラ」が使われるフレーズを挙げてみましょう。

・オーラが強い ・オーラを感じる ・オーラを消す ・オーラがない ・オーラがハンパない! 


【「オーラがある人」の具体的な「特徴」】

では、「オーラがある人」の具体的な特徴とはどういうものなのでしょうか? 共通点を考えてみましょう。こんな人、あなたの周りにもいませんか?

■1:行動に余裕がある

ゆっくり歩くとか、動作がのろいという意味ではなく、「慌てず、自分のペースで丁寧に進む」ということ。たとえば、「予定を詰め込みすぎず、常に少しの余白を確保している」、「人の話や流れを急かさず、“合わせる余裕”がある」など…。静かなテンポは、最も手軽で効果の高い「オーラの源」 といえます。

■2:言葉遣いが柔らかく、短く、肯定的

「オーラがある」人は、話す量が少ないというより、「言葉の質が整っている」というイメージがあります。「不必要な説明、言い訳をつけずに、短く、痰的に話す」「感情よりも理性で言葉を選んでいる」。それによって、大声で主張しなくても、なぜか説得力がある——という存在感が生まれるのではないでしょうか。

■3:所作:動きが「静か」であることの美しさ

「オーラのある人」に共通しているのは、「静かさ」と「丁寧さ」。動作が「しなやか」で「やわらかく」、モノを扱うときは「そっと」。その人がいるまわりだけ時間がゆっくり流れているような…そんな雰囲気を放っています。それが“品のある空気”となって周囲に伝わり、「オーラ」として感じられます。

■4:心の構え:自分の軸があるから、ブレない

自分が大切にしたい価値観を理解して、周囲に迎合しすぎることなく、必要な場面では丁寧に断る。そんなブレない行動は、結果として「この人は安心できる」「近くにいると落ち着く」という印象を与えます。


【「オーラ」の使い方「例文」4選】

■1:「スタートアップ企業の創業者たちには、特有の共通するオーラがある」

勢いのある人は、ビジネスの才覚だけでなく、他者を巻き込む人間的な魅力があるものです。

■2:「成功が自信につながり、やがてオーラをまとって他者をどんどん巻き込んでいく」

「オーラ」とは演出ではなく自然発生的なもの。ですが、ひとたび「オーラがある」状態になると、どんどんよい方向へと向かって行きそうですね。

■3:「つい彼のペースに巻き込まれてしまって戸惑うこともあるけれど、オーラがある人には抗えないよね」

周囲に影響を与えるようになってこそ「オーラがある」意味があるのです。「威圧的な人」とは違います。

■4:「悔しいけれど、彼女のモテオーラには見習うべき点がたくさんある」

人間は誰からも関心を示されない人より、人気がある人を好むもの。悔しがったり妬んでいてもいいことはありません。真似してモテオーラを身に付けましょう!


【「オーラ」を言い換えると?「類語」や「対義語」

「オーラがある人」というフレーズを言い換えてみましょう。

■貫禄がある人

■威厳がある人

■存在感がある人

■魅力的な人

では、「オーラがない」とはどういうことでしょう? 「オーラがない人」の言い換えで確認します。

■存在感がない人

■影が薄い人

■風格がない人


【「オーラがある」を英語では?

英語では have an aura(オーラがある) がもっとも一般的な表現です。

「aura」は日本語とほぼ同じ意味で、“その人がまとっている雰囲気・印象・気配” を指します。

■ ベーシックな言い回し

have an aura(オーラがある)

give off an aura(オーラを放つ)

carry an aura(オーラをまとっている)

■ ニュアンス別に使える例文

◆ 1. 神秘的なオーラ

He has an aura of mystery about him.

(彼にはどこか神秘的なオーラがある)

◆ 2. 落ち着いた品のあるオーラ

She has an aura of calm elegance.

(彼女には静かな上品さのオーラがある)

◆ 3. 自信に満ちたオーラ

He gives off an aura of confidence.

(彼は自信に満ちたオーラを放っている)

◆ 4. 近寄りがたいほど強い存在感

She carries an aura that makes people step back a little.

(彼女は思わず一歩下がるような圧倒的なオーラをまとっている)

◆ 5. プロフェッショナルな雰囲気

He has an aura of professionalism.

(彼にはプロらしいオーラがある)

■ “オーラがある人” を英語で表す別の言い方

英語では「オーラ」という語以外にも、“雰囲気・存在感・印象の強さ” を表す言い回しがあります。

◆ presence(存在感)

She has a strong presence.

(彼女は存在感がある)

◆ vibe(雰囲気・放つ空気感)

He has a unique vibe.

(彼は独特の雰囲気がある)

◆ charisma(カリスマ性)

She has real charisma.

(彼女には本物のカリスマ性がある)

◆ magnetism(人を惹きつける力)

He has a natural magnetism.

(彼には生まれつき人を惹きつける力がある)

これらは「オーラ」と完全に同じ意味ではないけれど、場面によってはむしろ自然で伝わりやすい表現になります。


「オーラがある人」と言われるために…

今日からできる5つの“雰囲気づくり”習慣

■1:話し方に「余白」をつくる

話す内容は同じでも、テンポが変わるだけで場の空気はやわらぎ、「この人と話すと安心する」という印象に変わります。言葉と言葉の間に、ほんの少しだけ余白をつくる…すると、相手に「落ち着いている印象」を与え、言葉ひとつひとつが丁寧に聞こえます。それによって、受け取る側に“考える時間”を渡せるというメリットも。「……なんて、思うんです」「……それでね」のように、呼吸が聞こえるようなテンポがベター。

■2:所作を「静かに、美しく」

動きが大きく、音が派手な人は、どうしても慌ただしく見えるもの。

オーラがある人は、行動のひとつひとつが静かで、ゆるやか。コップを置く音も、椅子を引く動作も、丁寧です。たとえば、スマホやバッグを置くときに音を立てない、目線は急に動かさず、ふわりと移す、姿勢は背筋を伸ばしつつ、肩の力を抜く…など。「慌てない人」は、それだけで周囲から「品」を感じさせます。

■3:言葉は「柔らかく、短く、肯定的に」

オーラがある人の共通点は、「言葉選びに棘がない」こと。難しいことを言う必要はありません。むしろ“短く柔らかい肯定”ができる人ほど、「どの場所でも愛される人」です。

「なるほど」「たしかに」

「教えてくれてありがとう」

「そういう考えもあるよね」

「ゆっくりで大丈夫ですよ」

こうした言葉が自然に出る人には、近づくと空気が澄んでいくような安心感がありますよね。

■4:実は、「聞く姿勢」がオーラの正体!

「オーラがある」と言われる人は「話すより聞く」が上手です。話を遮らず、相手の速度に合わせ、相槌はゆっくり。相手の言葉を否定せず受け取る、すぐに結論を出さず、話を促す。そして、表情は穏やかに、口角はほんのり上げる。“この人は安心して話せる”という信頼が蓄積すると、存在そのものが頼りにされ、自然と「オーラがある」と言われる人となるでしょう。

■5:「自分の芯」をもつ

最後に。オーラの根幹は 「揺れない価値観」 にあります。派手な自己主張ではなく、静かにもつ信念は、日々の選択ににじみ出ます。まずは、自分が大事にしたいことを知り、周囲に流されない判断軸をもちたいところ。小さな約束をまもり、もちろん、嫌なときはきっぱり断る。その場合も、「今日は厳しい」など、強い言葉を避けて、ていねいに。「自分をちゃんと大切にしている人」には、自然と他者からも大切にしたくなるオーラが備わるものなのです。

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オーラとは、特別な才能ではありません。「余白」「所作」「言葉」「聞く姿勢」「価値観」――そのどれも、今日から少しずつ変えられるものばかりです。静かに、やわらかく、凛とした空気をまとい始めたとき、あなたの周囲がそっと変わり、「あの人、なんだかオーラがあるよね」と、自然に評価がついてくるはずです。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『決定版 すぐに使える! 教養の「語彙力」3240』(西東社)/『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) :