【目次】
東五反田ってどこにあるの?「場所」
東京都品川区の東五反田は五反田駅と大崎駅の間のエリアで、1〜5丁目まであります。そして、その高台には、「池田山」と「島津山」という、東京都内屈指と言われるふたつの高級住宅街があります。目黒から品川までの間、目黒川の北側にある高台にも3つの高級住宅街があり、「池田山」と「島津山」を合わせて「城南五山」と呼ばれています。どれも住所表記には残っていませんが、昔から人々に一目おかれている高級住宅街です。まずはそれぞれの場所と由来をご紹介しましょう。
■花房山(品川区上大崎3丁目)敷地の一部が日本赤十字社社長だった花房義質邸だったことが由来。
■池田山(品川区東五反田4〜5丁目)江戸時代初期に備前国岡山藩池田家(31万5千石)の下屋敷があったことから。
■島津山(品川区東五反田1〜3丁目)仙台藩伊達家(62万石)の下屋敷があった地域を、明治期に旧薩摩藩の島津家が引き継ぎ「島津公爵邸」としたことが由来。
■御殿山(品川区北品川3〜6丁目)徳川歴代将軍が鷹狩りの際に休憩した「品川御殿」があったことから。このエリアには因幡鳥取藩(32万5千石)の下屋敷があった。
■八ツ山(港区高輪3〜4丁目)東京湾に突き出す岬が8つあったことなど、諸説ある。
五反田駅前はビルが連なり、庶民的な飲食店なども多く、賑やかな印象があります。ですが駅から徒歩10分程度の距離にある東五反田エリアの高台(池田山と島津山)は高級住宅街として有名で、駅前の雰囲気からは想像できないほどの静かな住環境が整っています。
また、東五反田のなかでも目黒川に近い2丁目付近は発展の目覚ましい地域です。駅へのアクセスのよいこの辺りは再開発が進んでいて、今では「オーバルコート大崎」「パークシティ大崎」といった最新鋭オフィスや高級タワーマンションが集まっています。そして、さらなる開発も進んでいて注目のエリアでもあります。
東五反田の「最寄り駅」
東五反田エリアの最寄り駅は五反田駅です。五反田駅はJR山手線と東急池上線、都営地下鉄浅草線の3路線が利用可能。特にJR山手線は便利で、渋谷駅までは8分、品川駅までは6分と移動の要となる主要駅にとても近いのが魅力です。
鉄道だけではなく、車移動も快適です。五反田駅の南側、目黒川沿いには山手通りが通っています。そのほか、五反田駅を横切るかたちで北東から南西にかけて国道1号(桜田通り)が通っています。桜田通りは五反田駅南側の西五反田1丁目から第二京浜につながり、横浜までを結びます。また、首都高速道路へのアクセスもよく、遠出もしやすいエリアです。
東五反田の「地図」
東五反田の「歴史」と「由来」
東五反田の「池田山」と「島津山」と呼ばれるエリアは、江戸時代に大名屋敷があった場所です。「池田山」には備前国岡山藩池田家の下屋敷が、「島津山」には仙台藩伊達家の下屋敷がありました。これらは高台にあって、江戸時代には富士山が望めるような、とても見晴らしのよい場所だったようです。 明治になってからも池田山は池田公爵邸として使用されました。一方井、島津山は旧薩摩藩主島津公爵の邸宅となりました。
池田山には、上皇后美智子さまのご実家である正田邸がありました。その跡地は、2004年から「ねむの木の庭」という区立公園になっています。
島津山にある旧薩摩藩主の島津公爵邸は戦災を免れ、現在は「清泉女子大学」の所有となっています。
一方で、東五反田2丁目付近をはじめとする目黒川周辺は工場が多い場所でした。江戸時代は農地だった場所ですが、大正時代にかけて工場の建設が相次ぎ、「京浜工業地帯発祥の地」とも言われています。現在は工場は減少し、その跡地に高層マンションやオフィスビルが建設されるようになりました。今でも再開発が進んでいる場所です。
東五反田の「由来」
江戸時代、東五反田周辺は「下大崎村」と呼ばれていました。五反田という地名は下大崎村の中の小字(こあざ)として使われている小さな地域で、現在のJR山手線の五反田駅が開業したのは明治44(1911)年。これにより「五反田」という名前が知られるようになりました。
五反田という名の由来ははっきりとはしていません。ですが、寛文 11 (1671)年に、上大崎の検地水帳に「五たんだ」、元禄 10 (1697)年の下大崎の水帳には「五反田耕地」と記されているようで古くからある地名のようです。ちなみに、「五反田」という町名はなく、JR山手線の東側が「東五反田」、西側が「西五反田」と分かれています。
東五反田の3つの「魅力」
■1:都心に出るのにも遠出をするのにも便利な位置にあります
五反田や大崎地区は「五反田バレー」と呼ばれていて、情報通信事業者やスタートアップ企業が集積しているエリアです。というのも、この場所の利便性が抜群によいから。まず、JR山手線と東急池上線、都営浅草線の3路線が使える強みがあります。そして、近くの品川駅ではJR各線、そして京急本線とJR東海道・山陽新幹線など多くの路線が利用できます。品川駅は将来的には「リニア中央新幹線」の始発駅となる予定。羽田空港にもアクセスのよい環境で、急な出張などにも対応できる立地です。
■2:五反田駅周辺の買い物環境が魅力的です
JR五反田駅の東口には「成城石井」などの入る「アトレ五反田」があります。また、東急池上線五反田駅直結の「五反田東急スクエア」には、「東急ストア」や「KALDI」、「スターバックスコーヒー」などが入っています。
逆に、池田山や島津山の一戸建て住宅が並ぶ高台にはスーパーマーケットなどの商業施設はありません。これらの住宅地は駅前の賑やかさとは違ってとても静かです。
また、ちょっと足を伸ばせば規模の大きな商店街として有名な「武蔵小山」や「戸越銀座」があります。そのほか、「池田山」方面であれば東京メトロ南北線の「白金台駅」が、「島津山」方面であれば「品川駅」が歩ける距離にあります。品川駅前にも商業施設は充実しています。
■3:東五反田には自然が多く、職住の距離感が保てます
五反田駅周辺のイメージでは緑が少ない印象がありますが、そんなことはありません。五反田駅近くの目黒川は春になると美しい桜を咲かせ、川沿いにはケータリングカーなども集まるの区立「五反田ふれあい水辺広場」があります。この公園の近くには全国で初めて小中一貫教育を行う「品川区立日野学園」があります。
また、池田山には池田家の敷地だった場所に自然が豊富な「池田山公園」があります。お隣の港区白金台に、「東京都庭園美術館」に隣接して「国立科学博物館附属自然教育園」があります。このふたつは、都会に住んでいることをしばし忘れることができそうなくらい緑が深く、自然豊かな公園です。こういった豊かな自然が近くにあるからこそ、職と住の距離感が適度に保てる暮らしが叶うのかもしれません。
***
五反田駅というと賑やかな街のイメージがありました。そのため、一戸建て住宅が建ち並ぶ高級住宅街がすぐそばにあることに驚きます。五反田駅は品川駅にも近く、交通の利便性が抜群によい場所です。自然に囲まれながらゆったりとした暮らしができ、いざとなったらどこに行くにも便利な場所である東五反田に住んでみたら最高の暮らしができそうだと思いました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- AC,柳堀栄子
- WRITING :
- 柳堀栄子