アルファロメオの往年の人気モデル「ジュリア」の名が復活した。すでに日本の街でも見かけることが増えてきたので、ご存知の方も多いことだろう。標準モデルと高性能モデルのキャラクターの違いも明確で、選び甲斐がある。

街中でも気持ちよく走れる「ジュリア ヴェローチェ」

手前の赤いボディが「ジュリア クアドリフォリオ」、奥の青いボディが「ジュリア ヴェローチェ」だ。
「ジュリア ヴェローチェ」のエンジン。高回転まで回して楽しむセッティングだ。

 全長4.6mちょっとの「ジュリア」は、日本でも売れ筋のドイツ製サルーンと同じ車格帯なのだが、だからといって単純にスペックで優劣をつけるのはどうかと思う。エロティックなデザイン、エンジンサウンドといったイタリア車の特徴を愛する者なら迷うことなく「ジュリア」を選ぶだろうし、もしドイツ車的な味を感じるとしたら、それは昔のイタリア車と比べて、信頼性(品質)が格段に向上していることの証だ。

 走る楽しみは標準モデルの「ジュリア ヴェローチェ」でも十分以上に備わっている。4気筒エンジンをターボで加給した現代的なパワーユニットは、いわゆるサウンサイジングエンジンのように低速トルクを補うレベルではなく、高回転まですっきりと回り、ハンドリングはかなりシャープな傾向にある。街中を普通に流すだけなら、もっと穏やかな味付けの方が楽だろうが、そこはアルファロメオ、気持ちよく走るためのセッティングは健在なのであった。

スポーツ走行第一主義の「ジュリア クアドリフォリオ」

もともとの曲線美をいっそう際立たせるエアロボディ。
「ジュリア クアドリフォリオ」のエンジン。強大なパワーにふさわしい美しさ。
マフラーは4本出し。整流板も付き、勇ましい。

 一方、高性能モデルの「ジュリア クアドリフォリオ」は、2.9リッターV6ツインターボエンジンを積み、外観も空力重視で迫力がある。最高出力は510馬力もあり、ここまでパワフルだとてっぺんまで回す必要がなく、若干アメリカ車っぽい排気音もあって、普段使いではせっかくのパフォーマンスの何分の1程度しか引き出せないだろう。

 もちろんそうした部分を心の余裕として楽しむのはアリだし、高速道路での加速は凄まじく爽快で、アクセルを踏み込むのが楽しい。だが、本領を発揮するのはやはりサーキット。「クアドリフォリオ」は、使い方の一番の上の目的に、サーキット走行も含めたスポーツ走行を掲げた人向けだ。値段やスペックで優劣をつけない考え方は同じ車種でも同じことがいえると思うし、日常の中で心を打つという点では、「ヴェローチェ」のほうが上。「クアドリフォリオ」よりも価格が安い分、オプションにたっぷりと予算をつぎ込んで、自分だけの一台をつくりあげるのが、ラグジュアリーな遊び方である。

〈アルファロメオ・ジュリア ヴェローチェ(4WD)〉
全長×全幅×全高:4,835×1,865×1,435㎜
車両重量:1,670kg
排気量:1,995cc
エンジン:直列4気筒マルチエア・ターボ
最高出力:280PS/5,250rpm
最大トルク:400Nm/2,250rpm
駆動方式:4WD
トランスミッション:8AT
価格:1,132万円(税込み)

〈アルファロメオ・ジュリア クアドリフォリオ〉
全長×全幅×全高:4,645×1,865×1,435㎜
車両重量:1,710kg
排気量:2,891cc
エンジン:V型6気筒DOHCターボ
最高出力:510PS/6,500rpm
最大トルク:600Nm/2,550rpm
駆動方式:2WD
トランスミッション:8AT
価格:587万円〜(税込み)

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この記事の執筆者
男性情報誌の編集を経て、フリーランスに。心を揺さぶる名車の本質に迫るべく、日夜さまざまなクルマを見て、触っている。映画に登場した車種 にも詳しい。自動車文化を育てた、カーガイたちに憧れ、自らも洒脱に乗りこなせる男になりたいと願う。